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カジノ

7 カジノ

「そういえば・・・クエスト票を確認してみるか・・・また後出し情報が浮き出てきているかもしれない。

 どれどれ・・・やはりそうだな流木キノコ・・・波打ち際に打ち上げられた流木に寄生するキノコの魔物。

 キノコが放出する胞子には強烈な幻覚作用あり。


 物理攻撃力Z、防御力Z、幻覚作用の魔法効果特AA・・・合成の攻撃力がAZとなっている。

 防毒マスク必須なんて記載してやがる。


 まあそうだよな・・・海岸のごみ拾いのボランティアじゃないんだから・・・魔物の存在なしにクエストを発動するはずもないわなあ・・・油断していたというか・・・もうクエスト票には頼らない方がいいかもな。


 ざっと見て・・・まあ表面だけの情報把握として使うわけだな・・・それにしても・・・中央の奴らの考えの程度の低さがうかがえるな・・・とりあえず情報は渡していますよなんて、形だけ取り繕うとしているだけだからな。」

 本当にせこいというか、姑息というか・・・情けなくなってくる・・・。


「まあそうですね・・・まったく情報がないよりはましと考えることにしましょう・・・クエストのターゲットが分からないとやり直しという事も考えられますからね。

 何をすればクエストが完了するのか程度の情報として用いましょう。」

 源五郎もため息交じりに答える・・・やれやれ・・・。


「あっ・・・宝箱が出て来たよ・・・。」

 海岸線に出現した宝箱を見つけ、レイが駆けだしていく。


「やったー・・・また乗り物券だー・・・。

 それともう一つは・・・100コイン券だよ・・・。」

 宝箱は2つあったようで、昨日と同様遊園地の乗り物券とカジノの金券が入っていた。


 ううむ・・・ここでの報酬はカジノの金券という事なのだろうか?・・・カジノで稼いで自分でアイテムをとれと言っているようだな・・・。


「じゃあ帰るとするか・・・ちょっと危なかった面もあるのだが・・・終わってみればあっけなかったな・・・。」

 最終的にはレイの奥義が発動して、ほんの十分ほどでケリがついた・・・まあ、レイの奥義がそれだけ強烈であったという事ではあるのだが・・・。


「そうですね・・・流木集めは肉体的には体力を消費しましたけど・・・魔物は結局出てきませんでしたね・・・。

 いやいやそうか・・・あのキノコ・・・胞子を撒いて幻覚を見せるキノコが・・・このクエストの魔物という事だったのでしょうね。


 それでも何とか防毒マスクで対処できた・・・というか、リーダーとツバサさんはどうして幻覚にかからなかったのですか?

 キノコの胞子をすぐに見抜いて、防毒マスクをすかさず装着したのでしょうか?」

 源五郎が一人納得するも、俺とツバサがいち早く正気に戻ったことに首をかしげる。


「あっああ・・・あれは・・・だな・・・ツバサは2人合体しているから、どうやら幻覚への耐久性も人一倍あったという事のようだな・・・何とか俺一人だけは海岸線から運び出してくれて・・・そうして介抱してくれたんだ。

 それでようやく正気に戻った・・・。」

 そうだ・・・やはり今回もツバサに助けられたといえるのだろうな・・・。


「へえ・・・そうですか・・・幻覚に対処するような薬は手に入れていないのですが・・・何かよほどうまく治療したのでしょうね・・・僕もツバサさんもリーダーやレイちゃんのように回復系の魔法は使えませんからね。

 今度やり方を聞いておかないといけないですね・・・。」

 源五郎が大きくうなずく。


「あっああ・・・そうだな・・・俺の場合・・・もしかすると兜があったから・・・胞子を吸い込む量が少なかったんじゃあないのかな・・・だから少しは早く正気に戻ったのかもしれない。

 何か治療してもらったという訳ではないのだが、俺もツバサも自然と正気に戻った。


 もちろん、源五郎たちを目覚めさせるために全体回復の魔法をかけたら、より頭がすっきりとしたがね。」

 源五郎の鋭い推理に危うく心臓が止まりそうになるが、ツバサに治療してもらったという事ではないと、治療薬などないことにしておく。


 いや・・・介抱してくれたのは事実だが・・・まさか胸をまさぐっていたことで、意識がはっきりとしたなんて言えるはずもない。


「そっそうですよ・・・、海岸から道路まで運んできて少し横になっていただけで、サグルさんは目を覚ましましたよ。」

 ツバサも顔を真っ赤に染めて、何もなかったと強調する。

 今日の冒険映像を検閲して、あの場面は絶対に削除しておかねばならないな・・・。



「じゃあ・・・レイたちはカジノにはいかないというのだね?」

 なんだかんだあったが、それでも今日も昼には帰ってきて時間が余ったので、また遊園地へやってきた。

 まずはカジノで運試し・・・と思っていたのだが、レイとツバサはカジノへは行かないと言い出した。


「だってぇー・・・遊園地で遊ぶ時間がなくなっちゃうものー・・・。

 それよりも・・・乗り物券とカジノのコインを交換すればいいでしょ?


 そうすれば、あたしたちは遊園地の乗り物で1日中遊べるし、パパたちだってカジノで長く楽しめるでしょ?

 うまく大当たりしたら、あたしたちのアイテムも景品交換よろしくー・・・。」


 レイの奴が驚くことを提案する・・・確かにレイたちとカジノの金券と乗り物券を交換すれば、俺と源五郎は金券300コイン分と、レイとツバサは乗り物券30枚という事になる。

 これだけあれば、それぞれ1日は十分に遊べる・・・カジノの場合は儲かることもあるはずなので、なんだか悲観的な観測にみえるのだが・・・・まあほとんど当たらなくても、それでも半日以上は遊べるだろうと言える。


「どうする?」

 源五郎へ振り返る。


「いいんじゃあないでしょうか・・・上手くコインが増えれば、みんなの分のアイテムをもらってきて分ければいいわけですよ。

 それに・・・カジノのあの状況では・・・僕たちだけの方が・・・。」


 最後の方は、源五郎が小声で付け足す。

 自由時間だからとカメラもインカムも付けていないのだが・・・レイたちに聞こえないようにするためだな・・・。


「よし分かった・・・今日も2組に分かれるとしよう。

 門限は昨日と同じだ・・・今日は乗り物券もコインも豊富だから、遊び惚けて門限を忘れることのないよう気を付けてくれ・・・いいね?」


『はーい』

 ツバサも、カジノはあまり気のりしていなかったのか、レイと一緒に遊園地を選択した。


 まあ地球人向けの娯楽と言えるものだからな・・・この星の人たちはもともと願いがかなう環境にいるから、かけ事という運任せの娯楽というものには興味がないのだろう。

 何でも欲しいと思えば願いがかなうわけだからな・・・まあ今は関係者が同時に願うという条件はあるにしても・・・。



「あらん・・・また来てくださったのねぇ・・・いらっしゃいませー・・・。ちゅっ」

 カジノに入ったとたん、昨日ついてくれたバニーガールたちが駆け寄ってきて歓迎してくれた。

 なんと頬にキスまで・・・ううむ・・・レイとツバサとは別行動でよかったー・・・。


「今日は僕もパチスロをやってみますよ・・・忙しくて実際のパチンコ店に入ったことはないのですが、ネット上にある仮想ゲームの店で深夜に何度か打ったことはあります。

 スペックや設定判別が分かっている台があるといいのですが・・・。」


 源五郎はそういいながら俺と一緒に中央の島へと進み、さらに奥のパチスロコーナーへとお姉さんたちとともに消えて行った。


 俺も本日の台を選択せねば・・・ううむ・・・羽物だと・・・結構当たるのだが、昨日のように2ラウンドに偏ると苦戦する・・・その為デジタル物がいいと考えるが・・・ううむ・・・やはり確率はちょっと高めでも確変機がいいか・・・、甘デジでは何度も当てる必要性があるから、資金は豊富だし普通の確変機を選択しよう。


 原作はわからないが、アニメの戦隊もののような台に座る。


「がんばってぇー・・・。」

「きゃあっ・・・回った回った・・・。」

「あーん・・・惜しい・・・」

 黄色い声援が飛ぶ中、本日もバニーガールたちとドリンクとつまみ片手に、パチンコ三昧。



<最終決戦リーチ・・・>

 赤文字のタイトルが登場し、画面には悪の親玉とそれを退治するべくヒーローたちが集結する。


『ガーンガッガァーン』ど派手な効果音とともに画面が暗転し、『押せ』の文字が出現。

『シュッパァーン・・・ピンポンパンポンー』盤下のボタンを押すと液晶がきらめき大当たりの文字が・・・。


「やったぁー・・・」

『パチパチパチ』「大当たりー・・・」

 後ろで見守っていた、バニーガールたちがこぞって祝福してくれる。


 そのまま確変に突入し3杯ほどゲットするも全て飲まれ、以降は当たっても2連どまりか単発で終了し、持ち玉を増やすどころではなかった。


「どうですか?」

 しばらくすると、後ろから声をかけられる。


「おお・・・源五郎か・・・うーん、難しいな・・・。」

 源五郎に残りの100コイン金券1枚と、残り玉がいくつもないことを見せる。


「僕も200コイン打ち切ってしまいました。

 千枚ほど貯めたのがマックスで、ARTをゲットしてもビッグが絡まなかったり、ビッグや化けを当ててもARTへ繋げられなかったりと、散々でした。


 それで・・・時間を聞いたらもう7時近いので、これ以上遊戯すると門限を越えてしまうと思い、あきらめました。」

 源五郎が元気なく肩を落とす。


 ううむ・・・もうそんな時間か・・・仕方がない・・・コインはまだあるのだが、これ以上やったところですぐには出せそうもないから帰るか・・・。


「えー・・・もう帰っちゃうのー・・・?」

「まだいいじゃない・・・夜はこ・れ・か・ら・よ・・・」

「だめだめ・・・帰っちゃだめぇー・・・。」

 バニーガールたちの黄色い悲鳴に後ろ髪を引かれる思いの中、泣く泣く帰路に就く。



「おっそーい・・・10分遅刻・・・。


 あたしたちなんて6時半になったら、まだチケットが残っていたのにあきらめて、ツバサお姉さんと一緒に急いで帰って来たんだよ。

 なのにどうしてパパたちはこんなに遅くなったの?」


 ダッシュで宿まで戻ってきたのだが、レイの冷たい視線と小言が待っていた・・・。

 ううむ・・・お姉ちゃんたちがあまりに引き留めるものだから、とりあえず持ち玉は全部打ち切ってしまったのがまずかったな・・・まだ当分いるわけだから、玉を残したままでもよかったわけだ・・・。


「申し訳ない・・・以後気を付けます・・・。」

 源五郎と一緒に深く深く頭を下げて謝る。


 何とか今回だけは許していただき、食事後に今日の冒険放送を見てから、奥義のための特訓をする。

 レイの奴に先を越されてしまったので、俺も源五郎も力が入る・・・と言っても瞑想なので、力んだところでどうしようもないのだが・・・。



『パンパカパーンッ』「おめでとうございます、ツバサ様はXNにレベルアップされました。」

『パンパカパーン』「おめでとうございます、レイ様は奥義 究極火炎・・・バーストを取得されました。

 魔法効果は特AAとなります。」


 翌朝ギルドへ向かうと、ツバサのレベルアップのほかに、レイの奥義魔法の取得を告げられる。


 おおそうか・・・奥義を取得したとギルドで認定されたわけだな・・・ツバサはいくつもの奥義をすでに使えるが、あれは別次元の本体の技であり、ゲームの世界のツバサ自体はまだ取得できていないから、認定されないという事だろうか・・・。


 しかも自分で命名した通りの奥義となるのだから・・・ううむ・・・技を完成させるとともに、かっこいい名前も検討しなければならないな・・・俺のセンスで大丈夫かな・・・?レイにも相談した方がいいだろうか・・・。


「これなんかどうでしょうかね・・・アレヘス南西のアンヘス湖に眠る、タコ真珠貝の採取・・・恐らくここへ来る途中で見た、小さな湖のことだと思います。

 クエストレベルが、AZですね。」

 源五郎が1枚のプラチナクエスト票を手に戻ってきた。


 これでもう、アレヘス南側のクエストは終了だ・・・それでもまだあと4日はこの地に残らなければ、防具の修復が終わらないのだ・・・まあ、北方面のクエストをこなしていちいち戻ってきてもいいわけだ・・・先へ進むときにそこを飛ばしていければ、早く進めるわけだからな・・・。


「よし・・・じゃあ、このクエストにしよう。」

 源五郎からクエスト票を受け取り、受け付けにもっていく。


「アンヘス湖に眠るタコ真珠貝の採取ですね・・・リーダーの変更はございませんか?

 頑張ってきてください。」

 受付嬢の笑顔に見送られ、ギルドを後にする。


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