第8話「ほんだなの星空てんぼうだい」
ふわふわクッションのくもじまから戻ったあずきちゃんとだいふくくん。
光るボタンが照らした先には、本棚の上にある小さな木箱がありました。
「どうやって行こうか?」
だいふくくんが見上げます。
本棚はとても高くて、まるでお城の塔のようです。
「あそこまで登るんだね。」
あずきちゃんはわくわくした顔で言いました。
ふたりは本棚の一番下の段に飛び乗りました。
よいしょ。
よいしょ。
並んだ本は、まるで石の階段みたいです。
赤い本。
青い本。
厚い本。
薄い本。
一段ずつ登るたびに、お部屋が少しずつ小さく見えてきました。
「高いねぇ。」
だいふくくんは後ろを振り返ります。
「でも、もう少しだよ!」
あずきちゃんが励ましました。
そしてついに――
「着いた!」
本棚のてっぺんです。
ふたりは思わず息をのみました。
「わあ……」
そこから見える景色は、今まで見たことがないほど広くて美しかったのです。
ソファ山。
クッションのくもじま。
おもちゃの国。
くつしたトンネルのある洗濯かご。
夜のキッチン。
月あかりに照らされたおうちじゅうが、静かに眠っています。
「ぼくたち、あんなにたくさん冒険したんだね。」
だいふくくんがうれしそうに言いました。
「うん。」
あずきちゃんもにっこり。
そのとき。
ぴかり。
光るボタンが木箱を照らしました。
「あっ!」
ふたりは木箱へ近づきます。
ふたは少しだけ開いていました。
そっと開けてみると――
中には小さな星の形のランタンが入っていました。
「きれい……」
ランタンはやさしい光を放っています。
すると突然、
きらきらきら。
ランタンの光が天井へ広がりました。
そして――
そこには小さな星空が現れたのです。
「星空だ!」
本物の夜空みたいに、たくさんの星が輝いています。
ふたりは並んで座り、その光を見上げました。
「おうちの中なのに、お空みたい。」
だいふくくんがつぶやきます。
「きっと、おうちにもたくさんのひみつがあるんだね。」
あずきちゃんはうれしそうに言いました。
すると、王さまにもらった銀色の星、ビー玉の妖精にもらったガラスの星、くもっこにもらった雲のしずくが、一緒に光り始めました。
きらり。
きらり。
まるで仲良しになったみたいです。
その光は本棚の向こうへ伸びていきました。
「あっ!」
「次の道だ!」
光の先には、閉まったままの小さな引き出しが見えます。
ふたりは顔を見合わせました。
「あの中に何があるんだろう?」
「見に行こう!」
新しい冒険の予感に胸を弾ませながら、ふたりは本棚を降り始めました。




