第6話「れいぞうこのまえの大ピンチ」
大きな時計のそばを通り過ぎたあずきちゃんとだいふくくんは、光るボタンに導かれてキッチンへやってきました。
夜のキッチンはとても静かです。
窓から差し込む月あかりが、床を銀色に照らしています。
「昼間とはぜんぜん違うね。」
だいふくくんが小さな声で言いました。
「あのお皿も、なんだかお月さまみたい。」
あずきちゃんも楽しそうです。
すると――
ぐぅぅぅ。
だいふくくんのおなかが鳴りました。
「あっ。」
「ふふっ。」
あずきちゃんは思わず笑ってしまいました。
「冒険するとおなかがすくんだもん。」
だいふくくんは少し照れくさそうです。
そのとき。
ぴかり。
光るボタンが冷蔵庫のほうを照らしました。
「次はれいぞうこ?」
ふたりはそっと近づきます。
大きな冷蔵庫は、まるで白いお城のようでした。
すると突然――
コロン。
どこからか小さな音が聞こえました。
「ん?」
ふたりが振り向くと、床の上を何かが転がっています。
コロコロ。
コロコロ。
「あれは何だろう?」
近づいてみると、小さな氷のかけらでした。
どうやら製氷機から落ちてしまったようです。
ところが、その氷は床の少し傾いたところへ向かって転がり始めました。
コロコロコロ!
「あっ!」
氷はそのまま棚の下のすき間へ。
その先には――
ぽつんと置かれていたガラスの星。
ビー玉の妖精にもらった大切な星です。
「たいへん!」
だいふくくんが叫びました。
氷がぶつかったら、どこかへ転がってしまうかもしれません。
「あの星を守らなくちゃ!」
あずきちゃんは急いで走り出しました。
コロコロコロ!
氷はどんどん近づいてきます。
「だいふくくん、そっち!」
「うん!」
ふたりは力を合わせて、星の前に立ちました。
でも氷は止まりません。
「どうしよう!」
そのとき――
きらり。
王さまにもらった銀色の星が光りました。
ふわっとやさしい光が広がり、転がってきた氷を包み込みます。
すると氷はゆっくりと止まりました。
「止まった!」
「ああ、よかったぁ。」
ふたりはほっと胸をなでおろしました。
ガラスの星も無事です。
その瞬間、銀色の星とガラスの星が一緒に光りました。
きらきら。
きらきら。
そして床に新しい光の道が現れます。
「見て!」
光の道は冷蔵庫の横を通り、キッチンの奥へと続いていました。
「あっちに何かあるんだ。」
だいふくくんが目を輝かせます。
「あずきちゃん、行こう!」
「うん!」
ふたりは大切な星を持ち直しました。




