第5話「まいごのビー玉をさがせ!」
おもちゃの国をあとにした、あずきちゃんとだいふくくん。
王さまにもらった小さな銀色の星を大事に持ちながら、月あかりのまどべへ向かっていました。
すると――
どこからか、しくしくと泣く声が聞こえてきました。
「え?」
あずきちゃんは耳をぴくりと動かしました。
「だれか泣いてる。」
だいふくくんも立ち止まります。
ふたりは声のするほうへ歩いていきました。
声は、ソファの下から聞こえてきます。
そっとのぞいてみると、小さな光の粒が丸くなって泣いていました。
「どうしたの?」
あずきちゃんがやさしく声をかけると、その子は顔を上げました。
透きとおる青い光の羽を持った、小さな妖精です。
「ぼく……ビー玉の妖精なんだ。」
「妖精さん!」
だいふくくんはびっくりしました。
妖精は目をこすりながら言いました。
「たいせつなビー玉をなくしちゃったの。」
「どんなビー玉なの?」
「月の光みたいに、きらきら光るビー玉なんだよ。」
妖精はしょんぼりうつむきました。
「あれがないと、お空へ帰れないんだ。」
あずきちゃんとだいふくくんは顔を見合わせました。
「いっしょに探そう!」
「うん!きっと見つかるよ!」
妖精の顔が少しだけ明るくなりました。
「ほんとう?」
「もちろん!」
こうして、ふたりの新しい探検が始まりました。
まず向かったのは、クッション山です。
ふわふわの谷をのぞいてみましたが、ビー玉はありません。
次に、くつしたトンネル。
しましまのくつしたの間も探しました。
でも見つかりません。
「どこに行っちゃったんだろう。」
だいふくくんが首をかしげたそのとき。
ぴかり。
光るボタンが輝きました。
そして床の向こうを照らします。
「あっ!」
その先には、大きな観葉植物の鉢がありました。
ふたりは急いで向かいます。
葉っぱの影をのぞくと――
ころん。
小さな光が見えました。
「見つけた!」
あずきちゃんがうれしそうに叫びます。
そこには、月のしずくのように輝くビー玉がありました。
「これだよ!」
妖精は大喜びです。
両手で大切そうにビー玉を抱きしめました。
すると、ビー玉はやさしく光り始めます。
きらきら。
きらきら。
お部屋いっぱいに、小さな星の光が舞いました。
「ありがとう。」
妖精はにっこり笑いました。
「お礼に、これをあげる。」
そう言って渡してくれたのは、小さなガラスの星でした。
王さまにもらった銀色の星と並べると、ふたつとも同じように光っています。
「わあ、きれい!」
だいふくくんは目を輝かせました。
そのとき。
ぴかり。
光るボタンがまた光ります。
今度は、部屋のすみに置かれた大きな時計のほうへ道を照らしました。
「次はあそこかな?」
あずきちゃんがわくわくした声で言います。
「きっと新しい冒険だ!」
だいふくくんもうれしそうです。
妖精はふたりに手を振りました。
「よい旅を!」
あずきちゃんとだいふくくんは、光るボタンの道を追いかけて歩き出します。




