第3話「くつしたトンネルのひみつ」
本棚のおしろへ向かっていたあずきちゃんとだいふくくん。
その途中で、光るボタンがふいに進むのをやめました。
ぴかっ。
ぴかっ。
小さな光は、洗濯かごのほうを照らしています。
「あれ?」
あずきちゃんが首をかしげました。
「本棚じゃないのかな?」
だいふくくんも不思議そうです。
ふたりはそっと洗濯かごへ近づきました。
かごの中には、ふわふわのタオルや、丸められたくつしたがたくさん入っています。
すると――
ぴかり。
光るボタンが、一番奥の大きなくつしたを照らしました。
「あっ!」
くつしたの中が、うっすら光っています。
「なにかあるみたい!」
あずきちゃんはそっと中をのぞきました。
くつしたの先には、細くて長い道が続いています。
まるでトンネルです。
「入ってみる?」
「うん!」
ふたりは顔を見合わせてうなずきました。
くつしたトンネルの中は、思ったより広くてふかふかです。
歩くたびに、
ぽふっ。
ぽふっ。
とやさしい音がしました。
「なんだか雲の中みたい。」
あずきちゃんは楽しそうです。
だいふくくんも、ふわふわの壁をなでました。
「気持ちいいね。」
しばらく進むと、前のほうに小さな光が見えてきました。
「出口かな?」
ふたりが急いで進むと――
そこには、くつしたでできた小さな広場がありました。
しましまのくつした。
みずたま模様のくつした。
ふわふわの冬くつした。
いろんなくつしたが輪になって並んでいます。
「わあ!」
あずきちゃんは目を輝かせました。
「こんな場所があったなんて!」
その真ん中には、小さなボタンがひとつ置かれていました。
星の形をした銀色のボタンです。
すると、光るボタンが近づいていきます。
ぴかり。
ぴかり。
まるでお話ししているみたい。
そして星のボタンは、やさしく光ると、ふわりと空へ小さな光を放ちました。
その光は窓のほうへ飛んでいきます。
「あっ!」
「また次の場所を教えてくれてる!」
光は月あかりの差し込む窓辺へと続いていました。
「あずきちゃん、行ってみよう!」
「うん!」
ふたりは広場に「ありがとう」と手を振ると、くつしたトンネルを抜けて走り出しました。




