第2話「カーテンのぼうけんロープ」
光るボタンが作った道をたどっていくと、あずきちゃんとだいふくくんは大きなカーテンの前にたどり着きました。
夜風にゆらゆら揺れるカーテンは、まるで空まで続く長いロープのようです。
「わあ……」
あずきちゃんは見上げました。
「こんなに高かったっけ?」
だいふくくんも首をかしげます。
ふたりはいつも下から見上げるだけでした。
でも今夜は違います。
光の道は、カーテンの上へと続いていました。
「登ってみよう!」
あずきちゃんはそう言うと、ひらりとカーテンに飛びつきました。
「待ってよー!」
だいふくくんもあわてて後を追います。
よいしょ、よいしょ。
ふたりは少しずつ登っていきました。
カーテンはふわふわ揺れて、まるでブランコみたい。
途中で夜風が吹くたびに、
ゆらーり。
ゆらーり。
「きゃっ!」
「あはは!」
ふたりは思わず笑いました。
登るのは大変だけれど、なんだかとても楽しいのです。
やがて。
「ついたー!」
あずきちゃんが小さな声をあげました。
カーテンレールの上です。
だいふくくんも隣に並びました。
そしてふたりは思わず息をのみました。
「わあ……」
いつものお部屋が、まるで別の世界に見えたのです。
テーブルは大きな丘。
ソファはふかふかの山。
本棚は高いお城。
月あかりがやさしく照らしていて、お部屋じゅうが銀色に輝いています。
「あんな景色、知らなかったね。」
あずきちゃんが言いました。
「うん。ぼくたちのおうちって、こんなに広かったんだ。」
だいふくくんは目を丸くしました。
そのとき。
ぴかり。
ふたりの足元で、光るボタンがまた光りました。
そして今度は、本棚のほうへ細い光の道が伸びていきます。
「あっ!」
「次はあそこだ!」
あずきちゃんのしっぽがうれしそうに揺れました。
「どんな場所なんだろう?」
「行ってみよう!」
ふたりは胸をわくわくさせながら、次の冒険へ向かうことにしました。




