第12話「おもちくんからのおてがみ」
星あかりパーティーのあと。
みんなが帰り、おうちは再び静かな夜に包まれていました。
窓辺には、あずきちゃんとだいふくくんだけが残っています。
目の前には、星の形の鍵穴がついた古い木箱。
「あの中に何が入っているんだろうね。」
だいふくくんが小さな声で言いました。
「きっと大切なものだよ。」
あずきちゃんもどきどきしています。
そのとき――
ひらり。
どこからか一枚の紙が舞い降りてきました。
「えっ?」
ふたりは顔を見合わせます。
紙はくるくる回りながら、木箱の上にふわりと着地しました。
それは、小さな封筒でした。
封筒には、丸くてかわいい字でこう書かれています。
『あずきちゃんと だいふくくんへ』
「ぼくたち宛てだ!」
だいふくくんがびっくり。
封筒のすみに描かれたマークを見て、あずきちゃんは目を丸くしました。
「このマーク……!」
そこには、小さなひまわりの種とハムスターの足あとが描かれていたのです。
「あっ!」
「おもちくんだ!」
ふたりはうれしそうに封筒を開きました。
中には、やさしい色の手紙が入っています。
あずきちゃんと だいふくくんへ
こんばんは。
ぼくはおもちくんです。
いま、とおくのおうちで冒険をしています。
月あかりのトンネルをぬけたり、
クッション山にのぼったり、
本棚のおしろを探検したりしています。
でもね。
最近、とてもふしぎなことが起こっているんだ。
夜になると、空に小さな星の道が見えるんだよ。
その道は、どこかのおうちへ続いているみたい。
ぼくは思うんだ。
その先には、きっとぼくと同じように冒険している仲間がいるんじゃないかなって。
もし、この手紙が届いたら、
星の道を探してみてね。
いつかどこかで会える日を楽しみにしています。
おもちくんより
読み終わると、ふたりはしばらく顔を見合わせました。
「おもちくんも冒険してるんだね。」
だいふくくんがうれしそうに言います。
「あたしたちと同じだ。」
あずきちゃんもにっこり。
すると――
ぴかり。
木箱のそばに置いてあった銀色の星が光りました。
続いて、ガラスの星。
雲のしずく。
そして星のベルも。
みんな一緒に輝き始めます。
きらきら。
きらきら。
その光は天井へ伸びていき、やがて夜空のような星の道を描きました。
「わあ……」
ふたりは思わず見上げます。
まるでおもちくんの手紙に書かれていた星の道です。
その道は窓の外ではなく――
古い木箱の鍵穴へと続いていました。
「あっ!」
だいふくくんが声を上げました。
「もしかして、この木箱を開けるための道なのかな?」
あずきちゃんは木箱を見つめます。
中には、まだ誰も知らない秘密が眠っているはずです。
そして、その秘密はおもちくんの冒険ともつながっているのかもしれません。
ふたりの胸は、わくわくでいっぱいになりました。




