ヒュース・ボレウス
過激なものが苦手な方は注意してください。
「ヒュース・ボレウス」という男は帝国の伯爵の家に生まれた長男だった。
と言っても他の家と違って当主だった男が早々に亡くなったため兄弟による家督争いというのもなく、流れで伯爵の地位に至った男だった。
貴族としての教育は母や使用人、家庭教師によって行われた。
真っ当な貴族として育ったわけではあるが、帝国内における貴族と言いうのはあくまでも戦争のための有用な駒としての役割が強い。
ヴァンデッタ帝国は1柱の皇帝を唯一神とし、その元に集められた人々が領土侵略を繰り返し大陸中の国を総合合併した国である。
それ故に国中には反抗勢力であるレジスタンスが多く存在しており、基本人を動かす権力と武力を持つ貴族がそのレジスタンスの鎮圧を含む治安維持活動にいそしんでいる。
また一応、貴族ごとにそれぞれの領土が存在はしているのだが、あくまでも皇帝からそれぞれの領土を貸し与えられている彼らは領民から税を取った後に皇帝に税を納めなければならない。
そして貴族としての格は教示やノブレス・オブリージュなどではなく純然たる強さによって決まっていた。
魔法が使える者、体術などの肉体による力に優れる者、武器等の扱いに優れる者、知略や戦略に優れる者など、兎にも角にも戦いで強く在り続けることこそが貴族の義務。いや生き残るための義務と言ってもいいだろう。
唯一神とされている皇帝はまさに見た目は大人頭脳は子供のような人間で、人の気持ちよりも純然な強さに惹かれている人間だ。
そして何より彼は現在のこの世で誰も勝つことが出来ない存在として君臨しているために、そのような状況がまかり通っている。
「ヒュース・ボレアス」は、貴族教育で得た知識を用いた知略と戦略の面で秀でた貴族であり、また体術は不得手ではあるものの、魔法の扱いは少しばかりできる程度の者だった。
しかし彼に転機が訪れた。
皇帝からのご指名で帝国内における亜人奴隷の販売管理の任を授けられた。
貴族として平凡かそれ以下の彼ではあったが、何かの間違いか皇帝からの任と言うことで喜んで受けた。
陛下からの名誉を受けた人間として貴族としての地位を確立したうえで懐を温めていた彼ではあったが、ある日一匹の女性の亜人が逃げ出したと報告があった。
よくある報告ではあったので、その時は軽く捜索させて特に問題はなかった。
その時に完全に殺すか捕まえるかしておけば、彼の人生の歯車が途中で止まるようなことはなかっただろう。
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亜人が逃げ出してから十数年後皇帝陛下から西の最果てへの遠征を命じられた。自身の領地ではなく、土地勘もないと最初は断ったのだが、以前逃げ出した奴隷がその村で生活をしているという話を皇帝は知っており、その分の罪の清算として奴隷を連れ帰り、亜人を擁護する村を一掃にしろと言う話だ。
元々領土を持っていた貴族はちょうど数刻前に処刑されたばかりで、皇帝は噂に聞く信賞必罰と言うのを試してみたかったため罰のつもりで仕事をさせることにした。
それ故に強制的に西の最果てにまで遠征しなければならなくなってしまった。
遠征には自身で結成した親衛隊のみを連れて行った。なにがあってもいいように。
手づから編成した親衛隊は傭兵崩れの荒くれ者ばかりではあったが、金さえ支払えばしっかり仕事はするし、彼らは共通して亜人嫌いということもあって無理やり行かされる遠征とはいえストレス発散になると思った。
実際に村に着き、罪状を告げると村人たちはそんな逃げてきた亜人は居ないと言って譲らなかった。
どうせ焼き払うしさっさと殺して黙らしてしまおうかと考えたものだったが、一つの家から件の女性の亜人が成長した姿で出てきた。
「私の罪なのです。主人には勝手に出て行ってごめんなさいと言ってください。」
そう言って我々の前に身柄を差し出してきた。その時に引き留める村人たち、泣き崩れる村人と亜人の女。そのどちらもがかなりの興奮を呼び起し愉悦に感じた。
その後は女の身柄を拘束したうえで、村人たちにも村人たち自身の罪状を告げ、そして刑罰も告げた。
顔面蒼白になり泣き崩れる者たち。希望に縋ろうとする者達。抵抗を試みようとするが、私の親衛隊を見て諦める者達。哀れさと面白さでどうにかなってしまいそうだったが楽しませてくれた礼として、私は亜人以外の人間に対して村に居る亜人どもを全員差し出して殺せば見逃してやると告げた。
そしたら全くの面白くもないことに即座に断ってきた。何の葛藤も悩む素振りすら見せずにだ。
こいつらは帝国臣民ではない。つまりは人間ではない。そう認識できた。
そこからはストレス発散だ。
人の形をしたものを全員で殺した。嬲り、弄び、抉り、同じ構造でも出ることの想像できない音であそび、形を変えさせた。
家族を庇ったり抵抗する者もいたが、もろともに焼き尽くした。
そんなに一緒に居たいなら一緒に死ねばいいのだ。汚らわしいゴミなのだから。
レア程度に焼いて死にきれず衰弱して死を待つのみの連中が産み出す阿鼻叫喚とうめき声の合唱は素晴らしかった。
本来の奴隷と言うのはこういう風に我々人間を楽しませるためにあるのだから。
そんな中でも一番心地よかったのは件の亜人の女だ。
焼かれ殴られ刺され、死んだり、傷つく者たちが出る度に泣き、その者の名前を叫び、謝罪を口にしながら止めるように懇願した。なんでもするとまで言ったのだから傑作だ。
面白そうだから一度止めるだけ止め撤収するように指示を出した。
かなりの数が死んでいたが中々面白い。殺しても殺しても次々と燃やした家から人が出てきた。どうやら結局終わり切っていなかったらしい。
部下からはもう終わりなのかというようなふてくされた目で見られたものだったが一度制止して来た道を引き返すように指示を出した。件の亜人の女を鉄格子の檻に入れて。馬車でまだ焼ける村が見えるほどの距離に出た。
亜人の女に問いかけた。ほら、まだ生きているというのに止めてやったぞ?どうにか礼を述べたらどうだ?とそしたら泣きながら悔しそうにありがとうございます。と言った。
まあ仕事は仕事なので女に村の方を見るように指示をし、火属性の魔法を村に向けて使って爆発を引き起こした。
女は「なんで!?どうして!?やめてくれるって言ってたじゃない!?」と鉄格子を掴みながら訴えてきたので笑顔でこう答えた。「消毒作業がまだだったよ。忘れてた忘れてた。そう言って女はまた泣き崩れ俯いた。ごめんなさいごめんなさい。殺して。と呟きながら。
そして帝都への帰還中ふと先ほどなんでもすると言われたことに対してなにも要求することをしていなかったのでとりあえず犯しておいた。
謝罪と死への懇願しかして来ずまぐろ状態ではあったので最初はつまらないと感じていたが、たまたま身ごもっていることを確認できたため、腹を殴り続けたら今までよりも大きく泣き叫んでいた。
そんな非常に心地の良い遠征をおくれたことを覚えている。
その後は皇帝に報告して、女の身柄を引き渡したが、その後は知らない。
報償もしっかりもらえ陛下からもお褒めの言葉をもらえなんとも非常に満足した遠征だった。
だが、そこから数年後のことだった。
私は調子に乗りすぎたのだろう。他貴族から陛下に対して私の虚偽の罪を報告されたのだ。
刺激が足りなくなっていた陛下が拷問官であるノーマンに指示を出し、捉えられてあの様だ。
どうやら殺すこともまで許可されているらしい。
いや、よくよく考えれば虚偽の報告を行った者こそノーマンなのでは?
私は他の貴族には交流とその際にわいろも渡している。足元を見られても死なずに程よく生きていけば勝手に出世できると思い。他の貴族連中には頭を下げ、下げた頭の分だけ奴隷を犯し殺してきた。
でももう死んでしまうのだな。最後にもう一匹位やってしまえばよかったのになあ。
♦
自身の死を悟った豚が自分から色々語り始めてくれた。まあいい加減薬も回ってきたのだろう。
薬を打ち始めた時には即座に自白するような効果はない。ブラフだ。遅効性なのでね。
だがそういうものだと認識してしまえば極限状態の人間の思考回路はおかしくなる。
流石に穴と言う穴から汚い液体出し始めた時は引いたものだが。
更には本当に薬が回って話し始めた際には精液まで出し始めた。思い出しで射精しやがった。
でもそれが私の妻のことを思い出しながらしたというのは非常に腹立たしく思うと同時にいくつか嬉しく思う。
やはり人間至上主義者共でも私の妻は魅力的に見えたのだろう。そしてこいつは元から聞いていた通りクズの外道だった。
だから罪悪感なら一切感じない。この仕事に就いて私個人では善人のように感じる人間も拷問の末苦しませて殺してきた。私の手、私の体。私の心、私の言葉。使える者はなんでも使って。
でもやはり善人を殺してしまったという時の罪悪感は図り知れず、覚悟をしていたと思っていた自分の心もそういう時には人間味を取り戻し嫌悪感と吐き気を催した。
だが悪人は違う。その時の私は彼らの罪を清算する者として、正しく『裏の裁判官』としての職務を全うできる。
皇帝に気に入られ、無理を言って昔の帝国にあった名誉職を復活させたかいはがあったというものだ。
「さて、君は明確な悪人だ。皇帝陛下からの権限を受けた私が貴様を裁こう。
判定を下す。被告ヒュース・ボレアス伯爵。死刑だ。執行する閨閥の内容は火あぶりによる衰弱死だ。妻の分の恨みをぶつけるのはお前では役不足だ。だからせいぜい村人の分をお前に充てるさ。」
判決を聞いた「ボレアス」は先ほどとはまた打って変わって泣きながら懇願してきた。
「ごめんなさい。許してください。なんでもしますから。」と
「その言葉を聞けて非常に満足だ。まあこの後貴様には、死にかけの声でうめき声の合唱をしてもらうんだから楽しみにしてなよ。さっき聞いた限りじゃ興奮したんだろう?私も先ほど少し気になってね。ほら早く聞かせておくれよ。」
私はそう言いながら彼を拘束していた寝台を機械で縦にした。
足は両足揃えて固定し、手はTに固定した。
そしてそのまま機会を作動させた。
やることは単純明快。
天井から出てくるアーム状の火炎放射器で一度燃やす。そして水をぶっかけて鎮火する。その後微弱な回復魔法をかけて皮膚だけ固定させる。そして30分程度放置。肉体は少し回復しても微弱な痛みは引きはしない。そして繰り返すことによって痛みはますます増えていくはずだ。
そしてせっかくだから他にも二つ設備を用意しておいた。
一つは録音機器だ。彼は他人の悲鳴や死にかけている声に興奮していたのだろう。そんな彼が自身のそういった声にどういう反応を示すのか観察する。
もう一つが、部屋全体を鏡の部屋に移したことだ。
貴族として生まれ太りながらも気品を身に着けてきた彼が服も含めて自身の肉体がボロボロになっていく様を自分自身で体感してもらう。私も観察できるようにマジックミラーで部屋の外から焼かれている様子を見ることとする。
早速一回目を試してみた。
「うあああああああぁあああぁぁぁぁぁぁ!熱い!熱い!イタイイタイ痛いいいいぃぃぃぃいい!?」
「今日一番の声が出たなあ」
などとくだらない感想をつぶやいた上で、一度火を止め、鎮火した。
最初の一発目で服も焼かれ生まれたままの姿になってしまった。しかしその姿もところどころ皮膚が一度焼かれ、水膨れで焼きただれた痕が大量に残っていた。
「痛い、痛い。いやだ。何故帝国臣民であり、貴族である私が奴隷である亜人どものせいでこんな目にい!?」
なんかずっと痛いか、ヤリたいとかそんなことしか言わないので、イライラして二回目の火炎放射までの合間を15分に短縮した。
ついでに心を折るために火炎放射器の一部の射程を股間に定めておいた。
「おい、まさか、なあ?冗談であろう?そうであろう?ま、待て!早まるな、謝る謝るからやめろ!いややめてください!嘘だ!イやだぁぁぁぁぁ!」
二回目の火炎放射で伯爵の伯爵がフランクフルトになってしまった。豚にはお似合いだろう。
先ほどよりも多く焼かれてしまって、辛うじてまだ体の皮膚がそれぞれの部位の主張をしている。
「ああ、なんてことだ。。これではもう。ダメではないか、どうやってここから先を生きていけば…。」
どれだけそこに比重を置いてるのか分からないが生=性になって成立しきれている精神性は引くが強いな。
だがそれでも、放置すればするほど肌にあたる空気が痛みをより強くする。
火炎放射器を使うと周りが熱くなるし、寒気もしないといけないため最近ダンジョンで見つかったエアコンという道具を使って空気の入れ替えと温度調整をしているのだが、どうやらぶっかけた水に反応してものすごく寒くなっている上でさらに風によって空気が染みやすいのだろう。
処理のためにやっていただけだが思わぬ追加効果だ。今後の参考としよう。
フランクフルトはもう使い物にならないことを理解した伯爵はもう心が折れてしまったのか、謝罪と後悔
、そして助けへの懇願を述べるだけになってしまった。つまらない。
そして三回目。少々日の勢いが強すぎたのかもしれないと考慮して先ほどまでと違い少々あぶる方向にしてみた。
「熱い。焼ける。いや、焼いてくれ!早く焼き殺せ!もういやだいやだ!」
まさしく焼き豚だ。十字にするのではなく丸焼きの方式で焼けばよかったのかもしれない。
三回目にもなると水膨れでひどいという話で終わらず、ところどころが炭化していた。
また、どうやら内臓や筋肉の損傷も酷いようで暴れるような力も出せず、口からは血を吐いていた。
先ほどまでと違い虫の息で、肉愛の損傷具合に比べては少し早いと思っていたがかすっかすの声で水を求めている声が聞こえてきたので、ぶっかける水を少し使い水分補給も行った。別に良心の呵責ではなく脱水でそのまま死ぬのはもったいないと感じたからだ。
そのまま4、5,6,と回数を重ねていきようやく私が聞きたかった言葉が聞けた。それまでにまた下らん戯言とか情報がありはしたが望んだものではなかったものだが。
私が聞きたかった、先ほど彼が自語りをしていた時に呟いていた言葉。
「お願いします。もうやめてください。なんでもしますから。」
その時になってやっと私は焼き爛れた豚に声をかけた。
「そうか、いい加減君も苦しみを味わったな。君個人の罪としてはもう済んだだろう。解放してやろう。」
私は直前まで作動しかけていた火炎放射器を止めてそう言った。
「ありがとうございます。あ、ありがとうございます。」
叫ぶのと焼かれていたのとどちらのせいもあって擦れた弱弱しい声で豚はそうつぶやく。
もはやまともな体の感覚さえ感じていないにも関わらず、とりあえずは命をつないだことに安堵しているようだ。別に生き残っても既に富も権力も地位も既に何もかも失っているというのに。
彼は生き残れる喜びで、涙も出せないほど焼けただれ機能しない眼球をゆがませながらわずかながらに口と認識できる機構の端を上げ、喜びに打ちひしがれているように見えた。
それをしっかり確認したうえでもう一度火炎放射器のスイッチを入れた。
会話ができるように足元から、先ほどまでは純粋に火であぶって苦しめるために行われていたものだが、これは違う。明確に殺すためのものだ。
先ほどよりも強い火力で足から骨だけを残して焼き尽くしていく、徐々に上に火口が近づきながら。
「なぜだ!?さっき解放してくれるって言っていたではないか!?」
「消毒作業がまだだったよ。忘れてた忘れてた。その台は今後とも使うんだ。噂に聞いたところ他大陸には火葬と言う埋葬文化があるらしい。それをしているだけ感謝したまえ。それに解放ってことに関しては間違えではないとも。」
まあ土葬が中心であるこの世の中での火あぶりは最大の侮辱ではあるのだがね。
「さて、では告げよう。ヒュース・ボレアス伯爵。君を裁く私から君に提示する罪は私の村を焼き払ったこと、殺している連中を黙認し、共に楽しんだこと、私の妻を犯し、私の子供たちを、家族を殺したことにある。これにて罪は清算される。終わりよければすべて良し、だ。」
そう言って私は彼に微笑みかけた。彼からは見えないが声色的に笑っていると認識できたのだろう。悔しがっていそうだった。
「ちくしょおおおおぉぉぉぉ……」
喉に火が差し掛かってくるまでは勢いよく出していた恨み事も喉が焼き切れたことで喋れていなさそうだった。
憎い奴が自分の手で、なおかつ自分の前で無様に、自身のやったことの意趣返しで死んでいく様を見るのはとても心がすっきりした。一瞬だけ。
たとえ一瞬治ったように感じても厳密には傷は塞がらない。たとえ如何様にして傷口を基に戻したとしても傷ができた事実を覆すことの出来ないように私の心もまた同様だった。むしろ失ったものが大きすぎたが故の巨大な空洞が自身のやるせなさを木霊させていた。
「終わりよければすべて良し、か。合っている気もするが、合っていない気もするな。みんなも、家族も戻って来はしない以上は私の終わりがよくなることはないのだから。」
私は部下に骨と灰の処理を命じて同じ地下施設内にある、自室で酒をあおりながら先ほど録音しておいた「ヒュース・ボレアス」と書かれている音声データを聞き始めた。
あの豚の阿鼻叫喚から命乞いまで録音されている一品物だ。
「はあ、どんな趣味をしていたら人間の悲鳴や泣き声で興奮できるのか理解に苦しむものだ。」
そういってノーマンは最後まで聞き終えたのち、酒を飲み干し、身支度を整えて帝国内にある屋敷に帰っていった。
拷問系を書いているときが近年稀に見るくらいには生き生きしていたかもしれない。
読んでくれた方ありがとうございます!作者の白いシロです!
この作品はこんな感じでだいたい2話構成で前戯的な拷問と本番拷問の構成でやっていきますので、気になる方は付き合ってくだされば嬉しいです!
それではまた次の拷問で。




