表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/30

相席

 その日の夕飯は、俺とネルとジルの三人で食べることになった。リリーは用事があって今回は不在だ。


 俺はいつものように日替わり定食を注文し、席に着く。ネルやジルも日替わり定食にしたみたいだ。何気ない会話をしながら食べ進めていると、知らない男がこちらに近寄ってきた。レオのように制服を着崩しており、いかにも不良といった感じだ。それに、ポケットに手を突っ込んで眠そうな顔をしている。



「誰だお前?」



 俺がそいつに問いかける。



「君がクロード?」


「俺が聞いてるんだが」



 ヒリついた空気が流れ、ネルは食べる手を止めて心配そうにこちらを見ていた。



「僕はシオ。レオ・ファミリーの幹部ってやつ」


「ほう? で、その幹部とやらが俺に何の用だ」


「その前に注文ししてきていい?」


「は?」


「晩ごはんがまだなんだよね」



 シオは淡々とそう説明すると、カウンターまでゆっくりと歩いていった。



 ジルは小声で「喧嘩すんなよ」と言ってきた。俺もその気はなかったので頷いた。しかし、レオ・ファミリーは本当に存在したんだな。ジルですら奴のことを知っている様子だったし。



 しばらくして、日替わり定食を持ってやってきたシオは、当たり前のように俺の隣に座った。



「何勝手に座ってるんだ。しかも隣」


「日替わり定食、今日のは当たりだね。嬉しいね」


「聞いてるのか?」


「聞いてないよ」


「……」



 シオはしばらく定食を食べ進めていた。ネルとジルも、仕方なく残りに手を付けていた。


 やがて、シオがとうとう口を開いた。



「クロード、君はレオさんに決闘で勝ったんでしょ」


「まぁ、一応」


「そのせいでさ、最近レオさんが元気ないんだよね」


「だからなんだよ。あいつが悪いだろ」


「まぁそうなんだけど」



 シオはようやく俺の方を見た。そして、小さく言う。



「レオさんともう一回決闘してくれないかな?」


「何故?」


「もう一度、今度は普通に戦って負ければ、また元気になってくれるんじゃないかなって」


「色々意味がわからない。まず、なんでそれに協力しなきゃいけないんだ? それに、俺がまた勝ったら余計に落ち込むだろ」


「レオさんは潔く負けを認めてくれるはずだよ」



 シオは定食を食べ終わると、皿を持って立ち上がった。



「もちろんタダじゃないよ。協力してくれたら、レオ・ファミリーに入れ────」


「協力しない」


「待って、会員特典も聞いて。なんと、三日にに一度くらいレオさんとお話できるよ」


「アイツとは沢山お話したからそんな権利はいらない」


「そっか、残念だ……」



 そしてシオは去り際に、ネルの方を見て言った。



「ネルさんだっけ? 君にとっては、関係ない話とは言えないんじゃないかな? レオさんの過去を知れば……」



 ネルは少しだけ、心当たりがあるようだった。



「それって、あの……?」


「これ以上は会員限定だ。レオ・ファミリーに入りたかったら旧・薬草学棟までどうぞ」



 そう言ってシオは去っていった。


 しんと静まり返って、不思議な空気が流れた。シオの言う、ネルとレオの関係とは何なのだろうか……。



 しばらくしてからジルが口を開いた。



「アイツ食べるの早いな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ