青筋って実際にできるんだ。
森方面の門に行く途中の人々を走りながら観察していたけど、やっぱり大なり小なり騒ぎになっている。
ギルドに押しかけて説明を求める人。食品を買い溜める人。................................そして、この国に見切りをつけて荷づくりを始める人。魔物がよほどの量でなければ、こんな光景は見られないだろう。D級が数百は覚悟しておいた方がいいかも。それくらいなら、いざとなれば安定して1人でも殲滅できる。
森方面の門に到着。
手前でアイテムボックスを開いてっと。
門の近くに立っていた冒険者に話しかける。
「すみませーん、ギルドからポーションを持ってきました。」
「お、助かる。俺の名前はグレイブだ。 今は一刻を争う状態だからな。物資の運搬の速度は、早ければ早いほどいい。 しかも、一気にポーション100個とは。相当レベルが高いみたいだな。 10代前半くらいにしか見えないのに。」
............................なんだろう、もはやお決まりになっている気がする。
「じゃあ、次のを運びに行ってきますねー。」
「ああ、無理のない範囲で急いでくれー! 」
2往復目で残りのポーション150個
3、4、5往復目で丸太を2本運んだ。
この間、20分程度。
「..................................だ、大丈夫か?こんな短時間で、こんな量の物資を運んで................無理はしないでいいんだぞ?」
グレイブさんがそう声をかけてくる。
いえいえ、大丈夫です。基本、物資は全部アイテムボックスにいれて、レベルは304ですから。それに、ここからギルドまで1.5キロ程度。苦にもならない。
とはいえ、グレイブさんはそれを知らない。無理をしているのではないかと心配するのも当然だろう。
「いえいえ、本当に大丈夫ですから。」
「..................................確かに見た目は大丈夫そうだが......................................君はステータスが 力 に相当割り振られているのか?そうじゃないとここまでにはならないだろう。」
「あはは................................まあ、そんなところです。」
...................嘘は言っていない。実際に 力 の数値は万を超えている。
「まあ、僕のことについてはいいでしょう。魔物がこの国に到着するまであとどれくらいですか?」
「........................えー、報告によると、この砂時計が2.5回流れ落ちるぐらいの時間だそうだ。」
グレイブさんが言う砂時計は、約1時間で1回、すべて流れ落ちる。つまり、2時間半か。
ギルドに在った他の物資は、冒険者たちによってすべて運ばれている。時間は大丈夫だ。問題なのは..................................
「戦える人は何人くらいですか?」
「戦えるのは300人程度だが....................実質的な戦力になるのはその半分、100人程度だ。しかもその6割はD級以下だ。.......................君の意見を聞きたい。 この戦力で何とかなると思うか?」
「実質、というのは?」
戦わない人たちがいる?徴兵とかってことだろうか?
「ああ、それは、この国、アルビオン王国の保有している騎士団だ。 あいつらは、普段は街でデカい顔をしてるくせに、いざというときには逃げまどって冒険者に頼りっきりになる。あいつらも戦えば、数だけはいるからだいぶ戦力になるんだがな.......................。」
この国、上層部だけじゃなくて騎士団までこんな感じなのか。 っていうか、この国ってアルビオン王国っていうんだな。知らなかった。ここまで名前と実態が矛盾している国ってあるんだな。
グレイブさんが話をいったん中断して、集まっている冒険者たちに指示を始める。
「F、E級の奴は、住民たちに家の中へ避難するよう伝えて来い!C、D級の奴は、バリケードを組み立てていけ!B級の奴は「おやおや、野蛮な冒険者どもは、まだ戦いの準備が終わらないのですかな?」」
.....................なんか来た。
「チ........................邪魔しないでもらえるとありがたいんだが? 騎士団長殿?」
今舌打ちしたな。
「そうでした、冒険者は野蛮ですからなあ、いちいち声を張り上げないと統一が取れないのでしたな。失敬、失敬。 私がここに来たのは、作戦が決まったのをお伝えするためでした。」
「...........................作戦が決まった、ですか?」
あ、額に青筋浮かんでる。
「ええ、作戦はいたってシンプル。あなたたちが魔物を撃破、もしくは食い止め、私たち騎士団は、王の警護、逃走のお手伝いをするのです。頭の悪い冒険者にとってもわかりやすいでしょう?」
騎士団長むかつきますよねー(笑)。
続きが読みたい方は、ぜひブックマーク、コメントや、下の星を★★★★★にしてくれると、とっても嬉しいです!




