こういうタイプって大体どこにもいるけど、対処法が思いつかないのは僕だけ?
ちょっと何言ってるのかわからない。
つまり、騎士団は護衛という名目で戦わないから、冒険者が死力を尽くして魔物を戦えと。理不尽すぎる。 なんでこの国の上層部ってみんなこんな感じなのかな?
「チ.................騎士団長殿。それは冒険者ギルドに対する侮辱ととらえてよろしいですかな。」
あ、グレイブさんがめっちゃ怒ってる。青筋プラス舌打ちプラス目を細めてる。 滅茶苦茶怒ってる。 怖。
「いやいや、何もそちらを侮っているわけではないのですよ。 現に、国を魔物から守るという栄誉を与えているではないですか。感謝してほしいですな。 それくらい、国王陛下から信用されているということなのですから。」
しれっと論点すり替えたな。 口が上手い。 流石はこの国の上層部の人間。
というかグレイブさんって何者なんだろう。さっきまでC級冒険者に命令を出してたし、今だって騎士団長に抗議してるし。 相当偉い人なんだろうな。 別にどうでもいいけど。
「.......................そうですか。しかし、王の警護に200人はいささか多すぎではないでしょうか。 半分くらいは魔物の迎撃に回してもらいたいのですが。」
額ピクピクしてるなー。
「な.........................!魔物と戦うのは貴殿たち冒険者の仕事だと何度も言っているだろう!頭が空っぽの冒険者はそんなこともわからんのか! いいからさっさと肯定の返事をしろ! 」
丁寧な口調は銀河の彼方に消えてった。そして息をするように言われる侮辱。
「........................はいはい、わかりましたよ。こっちはおとなしく魔物を倒しときます。そのかわり............................買った暁には報奨金をたっぷりといただきましょう。」
「冒険者に報奨金を払うのは冒険者ギルドの仕事だろう!なぜ国が払わなければいけないのか!」
「その冒険者がこの国を守るんですよ。冒険者はいつでもこの国から撤退できる。 それに、冒険者ギルドがこの国のために、無償で支援をしなければいけない理由はありません。 文句があるなら騎士団だけで魔物をすべて討伐してくださいね。そうすれば報奨金はいりませんよ?」
「...........................................少し頭が働くだけのサルどもが......................。 ああいいだろう、そこまで言うなら、魔物に勝った時には金を出してやろう。だが、それは魔物の素材と交換だ。多少高く買い取ってやる。それでいいだろう?」
「ええわかりました。契約成立ですね。くれぐれも、 忘れたり しませんよう。」
「ふん、覚えておけよ。いつか必ずお前の顔をゆがませてやる。」
「ええ、きれいさっぱり忘れてしまいますので、忘れないうちにお願いしまーす。」
グレイブさん...............................。名前がお墓なのにすっごくかっこいい。
2時間後。
「グレイブさん!防壁すべて作り終えました!」
「わかった! もうそろそろ時間だ! 自分の得物をもって襲撃に備えろ!」
「わかりました!」
冒険者たちが、丸太のバリケードの内側に並んでいく。丁度100人くらいだ。
その様子を眺めていると、グレイブさんが近づいてきた。
「君はどのくらい戦える?」
「アオイです。 えーっと、DとかCくらいなら問題なく戦える............................と思います。」
「そうか.........................わかった。他の奴らにはもう伝えたが、まず俺が魔物の統率個体を始末する。そして、統率が乱れたら次の統率個体が現れる前に一斉に攻勢に出る。 アオイ、君にはそこそこ強そうな個体を倒していってほしい。」
「わかりました。」
シンプルだが、なかなかいい作戦だと思う。グレイブさんが統率個体を倒すことができれば.....................だけど。
「グレイブさんってどのくらい強いんですか?」
「............................はは、まさか知られていないとは思わなかった。 おれはA級だ。詠唱いらずのグレイブ って通り名で有名なはずなんだがな。」
A級!?
............................................たしかに、B級冒険者にも指示を出していたな。 詠唱いらずということは、無詠唱が得意なのかな?正直誰にもできそうだけど。
「無詠唱って難しいんですか?」
「初級魔法はそこまでなんだが、中級や上級になってくると途端に難しくなる。俺は、上級魔法を無詠唱で5連続も放てることからこの通り名がついたんだ。」
5発ってことは相当な魔力量だな。流石A級。 .........................................通り名って、自分で名乗るの恥ずかしくないの.................................ん?
聞き耳スキルが発動した。なんか、遠くから音が聞こえる........................。
「来たな。」
グレイブさんが言う。
「来たって..........................。」
「決まってるだろ。 .................................魔獣の大群だよ。」
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