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異世界召喚されたけど、逃げて好きに生きていきます ~勇者だけど、自由奔放に生活をしたい~  作者: 亀々


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13/22

ギルドマスター、カイゼル・ドラグノス

 

 僕は魔物の大量発生のための情報を入手すべくギルドに戻った。

 そこにいたのは.....................王の命令をかざしてギルド職員から僕のことを聞き出そうとする筋肉質な男と、几帳面そうな男。この人は、召喚されたときに見た王の側近らしき人だな。そして僕に 隷属の腕輪  をはめようとした人でもある。要注意人物だ。

 なんでここにいる?まさかここにいるのが気づかれたのか?


 一瞬そう思ったが、すぐに王家の使者とギルドの職員の会話の内容を思い出して、少し安心した。

 手あたり次第探しているようだ。


 「勘弁してさっさと言えって。知ってるか知ってないかだけでいいんだよ。あんまり逆らうとこの国から冒険者ギルドを追い出すぞ。」


 「そうですよ。場合によっては王家に対する反逆罪として処罰もできますので。そうなりたくなければ、さっさとアオイ........勇者の居場所を吐くのです。」


 「ん?まだこいつらは勇者がいるとかは答えてないだろ?」


 「いなかったらいないと答えればいいだけの話です。答えないということは、既に冒険者登録を済ませているか、心当たりがあるのでしょうよ。」


 「なるほど、それもそうか。おい、というわけでさっさと勇者についての情報を吐け。」


 ....................やばいな。

 このままだと時間の問題だろう。ギルド職員は、バラしてしまうことはないだろうが、他の冒険者とかが言ってしまう可能性がある。

 人の口に戸は立てられぬ。

 けど、よりにもよってこのタイミングで................。せめて魔物の大発生が終わってからでもよかっただろうに。

 いや、逆か?大発生が起こって時間がないから僕を探しているのかも。

 まあ、今はそれはどうでもいいことだ。これからどうするか................。

 選択肢としては、このまま隠れて隠し通す。それか、このまま国外に逃亡する。か、最終手段で王家を倒す。

 僕的には、最終手段は本当に最終でしか使いたくない。人道的な問題ではなく、もしかしたら僕より強い人間がいるかもしれない。それに、仮にも王がいなくなれば、この街、この国は大混乱だろう。そうなれば、やがて戦争が起きてしまうかもしれない。国を助けるためにしたことが、かえって国を苦しめることになってしまうこともあるのだ。


 だから選ぶとすれば、隠れ通すか国外逃亡か...............。

 王家につかまって一生飼い殺しまたは使い捨てにされるのは嫌だが、僕が逃げたせいでこの街の多くの人間が死んでしまうのはもっといやだ。

 

 ...................................隠れ通すか。

 後々、後悔したくない。逃げるとしても、この国がこの後も安心だと確認してからでもいいだろう。

 よし、決めた。



 じゃあ、これからの僕の行動だが............。

 まず、図書館で上級魔法の本まで読んでしまい、一日おきにギルドに来て、最新の魔物の情報を確認する。その間に王家の使いは来るかもしれないので、そうなったら 隠蔽改変 で気配を限りなく薄くし、フードをかぶって極力目立たないようにする。これで大丈夫だろう。


 「チ!さっさと吐いた方が身のためだってのに...............................。おい、そこのお前ら!アオイってやつ知らねえか!答えれば王家から報奨金を..............。」


 「おいおい、流石にうっせえぞ。騒ぐだけなら我慢してたが、冒険者を懐柔してまでってなると看過できねえ。さっさと帰れや。」

 

 筋肉質の男が近くにいた冒険者に尋ねようとすると、カウンターの奥から、燃えるような赤い髪をした男が出てきた。服はよれよれで覇気もないのに、どことなく威圧感がある。


 ピロン!


 「スキル 威圧耐性 を獲得しました」


 威圧感がなくなった。この威圧はスキルか、それともカリスマのなす技か............。後者だったらすごいな。


 「なんだお前は。俺の邪魔をするな!」


 「俺はこの支部のギルドマスター、カイゼル・ドラグノス ってもんだ。さっさと帰れさもなくば...............。」


 「ふ、ふん!今回はおとなしく帰ってやる。だが、次来たときは必ず答えろよ。いつまでもこのような真似ができるとは思わぬことだ。」


 「はいはい、思わないでおく思わないでおく。」


 カイゼル・ドラグノスさん.......ギルドマスターはそうあしあらった。

 乱暴にギルドのドアが閉められる。側近の人もそれに続いてギルドを出る。

 ...............あの人、途中から存在感ゼロだったな。




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