第18話 高効率低コスト
「しっかし、上手く行くもんだねえ」
ハカセMr−Ⅱが見つめるモニター。
タケルの協力を得て、境界内の情報がある程度把握出来るレベルで調整されたそれには、調律者達の問題作が圧倒的なスピードでデブリを駆逐する様子が映し出されていた。
「んふふ〜、すごいでしょー!」
「名前、何にしようか?」
「コア、コア…」
「ココア?」
「ずいぶんかわいらしい名前に決まったな…」
問題作あらためココアは、範囲内のデブリをあらかた食べ終わると、こちら側に戻って来る動きを見せる。
「アレを流石に軍の連中に見つかったら面倒くさいねえ」
「なら、俺が格納場所を用意しよう」
境界が何やら手元の端末を操作すると、モニターに映っていたココアの反応が消える。
「へえ、どういう仕組みだい?」
「なに、境界とそちら側の間に緩衝地帯をつくってそこに入れといただけさ。座標はこれ」
するとモニターに光点が浮かびあがる。
だが、
「移動してる?」
「座標は固定されないんだ。そうすると緩衝地帯がそちら側の世界に現出してしまうからな」
「なるほど」
「整備用の設備何かも入れて置けるが、どうする?」
「それは俺が用意しよう。調律者に任せるとまた変なやつ作りそうだし…」
「えへへ〜、それ程でも〜」
「いや、褒めてないんだが…さて」
ハルが見つめるその先にはコアの山。
ココアに消費した分を除いてもまだまだ在庫は潤沢にある。
「それ、使うの?」
「まあな。境界内で使うわけだし、並の素材使うよりこっちの方がいいだろ。元々向こう側からきたモノでもあるしな」
テキパキと整備工場を組み立てるハル。
アイルの手助けもあり、あっというまに組み上がったそれも緩衝地帯に放り込んでおく。
「そういや、アイルは何か欲しい武装とかあるか?この機会に作ることも出来るけど」
「私はこれが気に入ってるから大丈夫!」
そういって腰に提げているハカセMr−Ⅱからもらった銃剣を指さすアイル。
「これはうれしいことを言ってくれるね。じゃ、ワタシはせっかくだから、その銃剣用のカスタムマガジンでもつくっとくかね」
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
こうして和気あいあいと?境界内の掃除も進んで行く、順調な滑り出しであった。




