エピソード ネコさんは、世界を救う⁉
『姉のミズキです。今日の予定は午前は部屋の片付け。午後 基本フリーとしていました。そのフリーを利用して近くの書店で猫の追い払い方についての本を探して、あの猫が私に近づかないようにします』
ミズキはジョン子に出会わない様に家の外に抜け出し家にある車に乗り込み出かけて行った。
「猫を寄せ付けないための本をっと!」
ミズキは書店に行くとペットコーナーに向かい、猫対策について書かれている本を探した。
「えーっと『ネコのための家』、『猫と快適な暮らし』、『ネコ様ランチ』・・全部猫好きの本じゃない・・・」
『姉のミズキです。世の中猫好きばかりじゃないことに気づいて欲しいです。私みたいに猫と遭遇しただけで、貧血を起こしてしまいそうな人は、一体どうすれば良いのですか』
「あのーすみません。猫を遠ざける方法が書いてある本って無いですか?」
「少々お待ちください・・・・」
店員がタブレットに向かってキーワードを打ち込んでいった。
「お客様・・大変申し訳ございませんが、その手の書籍は・・ございませんが・・」
「ないなら注文したらどれくらいでこちらにきますか?」
「いえ!書籍として存在してない様なんです・・・。猫関連はどれも猫を受け入れるための書籍ですね」
「はぁー!そうなんですかぁ〜。ありがとうございました」
「こちらこそお役に立てず申し訳ございませんでした。何かございましたら・・・」
ミズキはショックを隠すこともせず、項垂れて書店を出て行った。
トゥルルル
「あっお姉ちゃん!どう上手くやってる?」
「ユウキ・・・もうショックだよ〜」
「な何かあったの?」
ミズキは、今までの事を妹に話して、早く帰って来て猫をなんとかする様懇願した。
「まぁ仕事が終わったらなるべく早く帰るから・・・」
『妹のユウキです。初日から猫騒動が起きるとは思っても見ませんでした。ふふふ!だってあのお姉ちゃんが猫でこんなに慌てふためくなんて!小さい頃のお姉ちゃんは、わたしにちょっかいをかけて来る男の子を学校の昇降口で待ち構えて二度とわたしに近づかない様に蹴りを入れてボコボコにした事があったんです。その後学校中で問題になったんですけど、お姉ちゃんは全く意に介さず、『わたしたちは、悪くない!』って言い張って先生たちも諦めたんです・・・。そんなお姉ちゃんがネコが・・・あははは。もう笑っちゃいますね』