エピソード ネコさんは、世界を救う⁉
『妹のユウキです。おっおっお姉ちゃん・・・!あっぁぁぁぁ!!!思い出した事があるんです。そうなんです。こんなお姉ちゃんを見たのはこれで三回だったんです。最初はここでネコに襲われそうになった時。もう一回は学校で男子にちょっかいを出された時・・・。つまりお姉ちゃんが負けたのはその時の親猫のみってわけです。・・・だからネコが嫌いになったんだ』
ミズキはユウキやなこおばさんに何となくではあるが急かして動物病院へと向かった。
「どうされましたか?」
「先程お電話でも説明しましたが、野良犬に噛まれて、そのまま振り飛ばされたんです」
ミズキが説明を終えると、ぐったりしているジョン子をユウキの手元から看護師に渡し、処置室へと入っていった。
「あっ皆さんは待合室でお待ちください」
「お姉ちゃん」
「ん?あっユウキ大丈夫?ホントに怪我なかった?なこおばさんも大丈夫?」
「私たちはホントに大丈夫だから。ねぇ」
ユウキとなこおばさんはミズキの猫嫌いがどこかにいった様な立ち振る舞いに驚いていた。
『妹のユウキです。宇美袮古神社って御利益あるかも・・・ただジョン子ちゃんの怪我がなかったらもっと素敵なんだけどなぁ。ジョン子ちゃん大丈夫かなぁ』
『姉のミズキです。まさか本当に野良犬がいるなんでびっくりですよね。奴の怪我が大した事なければいいんだけど・・・』
『おばさんでございます。あっちなみにわたくし・・猫垣と書いてなこがきと申します・・・ふふふ。まぁミズキちゃんの勇ましさは昔のままだったわ!ジョン子ちゃんなんともなければいいんだけど・・・』
「なこがきさん診察室にどうぞ」
「だいぶ落ち着いて来ましたよ。それにしても勇敢な猫さんですね。宇美袮古神社の野良犬達に戦いを挑むだなんて!どの猫も野良犬を恐れてあそこには猫が一匹も寄り付かなくなってましたからね」
「うちのみーのすけなんかいまだに部屋に閉じこもったままですから」
「うちの患者さん結構いらっしゃいますよ」
「やっぱりそうなんですかぁ。みーのすけ一人じゃなかったんだ」
「まぁジョン子ちゃんもしばらく安静に過ごせば大丈夫ですよ。あとは、噛まれたところの傷をジョン子ちゃんが舐めないようにカラーをしときますので!それとお薬出しときますので飲ませてあげてください」
「よかったぁ!入院とかじゃなくて」
「いえいえ。もし同じことを人間だったら即入院ですよ。ただジョン子ちゃんは噛まれる場所を一番体に影響がないところを噛ませてたみたいですね」
「えぇっ?あの瞬間に?そんなことしてたんだ」
「すごいわね。ありがと!!」
ユウキとなこおばさんはジョン子を優しい眼差しで眺めていた。
「たぶんなんですが、投げ飛ばされる瞬間一発猫パンチも繰り出しているみたいですよ」
「えっ!あんたやるじゃない。どおりで野良犬の噛みが甘かった気がしたんだ」
「あなた野良犬に噛まれたんですか!それこそ早く病院に行ってください!」
「大丈夫です。ほら」
ミズキは野良犬に噛まれた方の腕の袖をまくって獣医に見せた。そこにはしっかりとテーピングをしてそのうえからサポーターをはめ、その上から更にアスリートが身を守る為に使うプラスチック製のサポーターを着けていた。
「すっ凄いですねぇ!そこまで野良犬対策をしていらっしゃったとは!」
「いえ!ネコ対策です」
「?」
「あっお姉ちゃんは猫さんが大の苦手なんです」
「えっ?・・・・どこをどうすると苦手って言うのですか?先程からずっと。え〜っとジョン子ちゃんへの対応を見ていますと、とても猫ちゃんが嫌いだなんて思えないんですけど・・・」
「はぁ・・・・わたし達も今それを不思議に思っているんです。ジョン子ちゃんが野良犬に投げどばされてからのお姉ちゃんの態度が・・・・」
「・・・・キャャャャャ!!!!」
「どっどっどうしたの?」
「ねっネコが・・・!!!!」
「ミズキちゃん?ジョン子ちゃん大丈夫だから!」
「いっいえ!やばい!ねっネコがいっいる!」
一同皆ミズキの急変に驚きと共に呆れてしまった。




