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さようなら
ベッドに横になって居ても眠れずに茜は夜を過ごした。
空が白み始めている。
朝を迎えた。
何もする気が起きない。
「終わりにするんだ。
私から言うんだ。」
茜は自分を奮い立たせようとした。
その位時間が経ったのだろう。
スマホを手にして、ずっと指は動いていない。
翔也との日々が走馬灯のように思い出される。
デートで行ったコンサート、映画。
誕生日を二人で祝った。
初めてのクリスマス。
初めてのバレンタインデー。
初めての口付け………そして初めて二人きりで迎えた朝。
涙が出て来た。
もう泣いてばかりだから、出るとは思わなかった。
泣いて、泣いて、泣き尽くして………それでも最後の言葉を………出来ない。
言葉が出て来ない。
翔也のアカウント……ぼんやり眺めている。
どのくらい時間が経ったのだろうか、やっと茜の指が動いた。
【翔ちゃん、終わりにしよう。
今まで楽しい想い出をいっぱいくれて本当にありがとう。
幸せになって下さい。
さようなら。】
そして、翔也をブロックした。
着信も拒否した。
そして、スマホを顔に当てて茜は泣いた。
声を出して泣いた。




