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22歳の別れ  作者: yukko
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中小企業

茜が入社した会社は製造業の中小企業だった。

退職日に挨拶に向かう時、茜は⦅日本を支えているのは中小企業だと大和さんは言ってた。これから私が微力でも、日本を支えている企業で働けるのは良かった。これが最後の職場になると思うから……頑張らないと!⦆と心密かに自らを鼓舞していた。

会社に着くと、社長自らが出迎えてくれた。


「中森課長!」

「社長、私は【ただの中森茜】でございます。」

「あ……………そうでした。

 でも………どうしても中森課長なんですよね。」

「社長、他の方々が聞いておられます。

 中森とお呼び下さい。」

「ええ―――っ! 嫌……です……けど………。」

「どうか、中森とお呼び下さい。」

「はぁ…………では、中森さん………。」

「はい、社長。」

「これからよろしくお願いします。」

「それは私の言葉でございます。

 今日から、何卒よろしくお願い致します。

 何も分からない年だけ取った新入社員と御思い下さい。」

「そんなことないです!」

「社長………そのお言葉はプレッシャーが増大致します。」

「あ………課長でもプレッシャーとかあるんですね。」

「社長………中森と………。」

「あ………つい………。」

「社長、どうか皆さんを紹介して下さい。」

「あ………では、紹介しますね。

 私の隣に居るのが私の父で会長です。」


次々に紹介して貰い、翌日からは研修が始まった。

社長・中谷(あや)は「研修ですか?」と言った。

茜は会社の業務を全て理解するために時間が欲しいと頼み込んだ。


「顧問として招聘させて頂きました。」

「それは、どうでしょう?」

「どう、とは?」

「会社のことを全く知らないのに、顧問として働けますでしょうか?

 先ずは皆さんと共に働かせて頂いて、その立場に相応しいと皆さんが思って下さ

 った場合ではないでしょうか?」

「…………実力は存じております。」

「それは、あの会社での私でございまして、これからの会社にとっての私は未知数

 でございます。

 中途採用の社員としてお考え下さい。

 給与も賞与も全て、そのようにお考え下さい。」

「それでは収入が激減に………。」

「それで良いのです。

 その積りで参りましたから………。」

「社長、中森さんの言うようにさせて貰うのが良いと思います。」

「会長………。」

「そのようにして頂ければ私も気持ちよく働かせて頂けます。

 どうかよろしくお願い致します。」

「では、中森さん、役職も無い平社員で宜しいのですね。」

「はい!」

「………中森さん、よろしくお願いします。」

「はい、私こそ、よろしくお願いいたします。」


建築資材の製造業で茜は働き始めた。

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