表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22歳の別れ  作者: yukko
PR
17/24

二度目の恋の終焉

茜は新しく住む家を決めたワンルームマンション。

前に住んでいたのもワンルームマンションだった。

大和と別れたことを友人にメッセージを送って伝えた。

友人達は思った。

⦅なんで茜ばっかクズ男としか出逢わないんだろう。⦆と………。

誰もが茜の幸せを祈った。

茜は大和と会社で偶然会うのが怖かった。

それから、新年明けて直ぐに別の部署へ茜は異動が決まった。

異動先は全く初めての部署・総合研究所だった。

茜は理解出来なかった。

研究とはほど遠い部署しか経験が無かったことと、理工系の大学を卒業して居なかったからだ。

引っ越して3ヶ月が経った頃、大和が茜の新居にやって来た。


「茜………茜、直ぐに帰るから少しだけ……頼む。」

「玄関でお願いします。」

「このまま、ここで?」

「はい、そうです。」

「はぁ…………入れては……貰えない。」

「はい。」

「これ、受け取って。俺には………償いは……これしか出来なかった。」


大和が封筒を差し出した。

一万円札で膨らんだ封筒だった。


「これは、どういう意味?」

「慰謝料…………。」

「そっか………悪いことしたって思ってるんだ。」

「茜………こんなこと言う資格はないけど……元気で居てくれ。

 どうか………幸せになって………。」

「………貴方も……あ……もう幸せよね。ふっ………。」

「茜………。」

「さようなら。」


茜は玄関ドアを閉めた。

大和は玄関ドアの前で立ち尽くした。


⦅総研へ送り込んだのは貴方よね。細川大和さん………。

 そんなにしてまで私を遠ざけたかったのね。ふっふふ……お笑いだわ。⦆


玄関先で封筒を受け取って突き返さなかったのは、茜の新しい住居での変な噂を防ぐためだった。

これが、どこかの店で出されていたら、茜は突き返していた。

受け取りたくなかった。

たった300万円で心の傷は癒えない。

この傷は茜が思っていたよりも深かった。

涙が流れ落ちない日がやって来なかった。

誰にも心を曝け出せずに、一人で苦しい時間を過ごした。

あの時の言葉を自らに言い聞かせて過ごした。


「仕事は裏切らない。」


総合研究所での茜の仕事は人事だった。

その中の総務課が茜の新しい職場。

茜は総務課の課長になった。


そして、3年半過ぎたある日。

茜は大和がアメリカへ赴任したことを知った。

二度目の恋の本当の終焉をその時迎えたように茜は思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ