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22歳の別れ  作者: yukko
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大和①

大和と茜は一緒に住むようになった。

籍は入れていない。

籍を入れるよりも前に大和が一緒に住みたいと言ったからだった。

何度も、「再婚しないで欲しい。」と花奈から電話が架かって来る。

大和は必ず電話に出る。

一緒に暮らすようになって1年後、大和はどこでもスマホを離さないようになった。

一緒に暮らし始めた頃と違い、花奈からの電話を受けたら茜と同じ部屋から出て話すようになった。

茜の心に悲しい想い出が蘇る。

⦅また……なの……。⦆と……22歳の時の翔也との別離が蘇る。


◇◇◇◇

それから半年経った冬の寒い日。

外は雨が降っていた。

休日に出勤したはずの大和が帰って来た。

顔色は青白かった。

「茜………話がある。」と大和に言われて、茜の胸が苦しくなった。


「何?」

「……今日………実は、仕事じゃなかったんだ。」

⦅………やっぱり………。⦆「そう………最近、ずっとだよね。」

「!…………ごめん。」

「気付いてないと思った?」

「!…………ごめん。」

「もう………終わりってこと?」

「茜!………俺が悪いんだ。ごめん。」

「どうして………何が悪かったの?」

「茜は何も悪くない。

 悪いのは俺なんだ。」

「花奈さんと再婚するの?」

「!…………うん………ごめん。」


茜の瞼は赤く染まり、大粒の涙が止めど無く流れ落ちた。

大和はその姿を見ていられなかった。


「………茜………俺は………子どもの為に戻ると決めたんだ。

 花奈の夫が子どもを置いて居なくなった。

 二人の子を花奈は育てなければならない。

 花奈の両親とは俺との離婚で疎遠になって助けて貰えない。

 済まない………俺は……守りたいんだ。」

「……………子ども?」

「うん。」

「違うでしょう。花奈さんの為よね。」

「ち、違う! 俺は」

「花奈さんを愛してるからよね!」

「茜…………俺は」

「愛してないから私とは終わるのよね。」

「茜……………。」

「………出て行くわ。直ぐに。」

「待って! 俺が出て行くから!

 茜はこのまま、ここに住んで……頼む。」

「なんで? 私にこの家に残れって言えるのよ!

 出たいわ。想い出に壊されないように……出て行くわ。」

「…………茜………。」


茜は急いで取り敢えず出ていく為の用意をした。

衣服を3日分ほどと化粧品などをキャリーケースに入れた。

そして、洗面所の自分の物も入れた。

浴室の自分のシャンプーなども入れた。

台所の自分の食器類を袋に入れた。

自分のスマホから二人の写真を削除した。

そして、大和との連絡を全て削除した。

大和の目の前で………泣きながら………茜はすべて終えた。


「残った服は、トランクルームにでも入れておいて………。」

「………茜………お前が望んでいた転職!

 俺が叶えるから!」

「なに? 今頃……もう秘書は決まったんでしょう。

 何言ってるのよ。」

「俺が頼み込むから!」

「何のために?

 ……あ……そっか、会社に私が居たら嫌だから……出すんだ。」

「違う! 出したいとか思っていない。」

「それしか無いじゃないの? もう、止めて!

 これ以上、惨めにさせないで……。」

「茜!……違う、そんなこと俺は思ってないんだ。信じてくれ!

 茜!…………茜………茜…………あかね…………。」


バタンと大きな音がした。

玄関ドアが閉まる音が部屋中に響き渡った。

茜は泣きながら、この休日を過ごせる場所を探した。

やっと見つかった場所はネットカフェだった。

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