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22歳の別れ  作者: yukko
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10/24

想いの残り方

茜の友人達は愛する人と結ばれた。

結婚して今は子育て中だ。

3人の友人達の結婚式に参列した。

美しい花嫁になった友人達は皆輝いていた。

茜は今も独りだ。

誰からも交際を求められずに……仕事だけの日々を送っている。

「寂しいか?」と聞かれたら素直に「寂しい。」と答えられる。

事実だからだ。

ただ、仕事は順調だ。

総合職になり、今は営業本部で働いている。

総合職になった時の統括本部長の言葉が茜の心の支えになっている。


「辛い想いの経験は人を成長させると私は思っています。

 今まで貴女達にも色々な経験を経ていることとと思います。

 その経験はこれから先の人生でプラスになることはあってもマイナスにはなりま

 せん。断言出来ます。

 胸を張って下さいね。

 頑張っている自分を褒めて下さい。

 頑張った先に得た総合職です。

 皆さんのこれからに期待しています。

 ………ここで、仕事以外の話を少し………。

 良く言われている言葉があります。

 【男は保存、女は上書き】何か分かりますね。

 そう、この言葉は恋についての男女差です。

 でも、これって本当だと思いますか?

 私は思いません。

 男女差ではなく、個人差だと思います。

 個人差、それも別れ方によって想いの残り方は違うでしょう。

 同じ人でもAさんのことは保存で、Bさんのことは上書きとか……。

 どうですか?

 それと………これって、恋だけでしょうか?

 他のことにも同じように男女差を理由にしていることありませんか?

 個人的なことですが、私は間もなく退職します。

 母の介護での退職です。

 本当は退職したくなかったのですけどね。

 今のBESTは退職だと思いました。

 ただ、会社は辞めますが、仕事は続けます。

 知人の会社への転職で、リモートで仕事を続けます。

 何時でも何処でも自分を保てるのが私にとっては仕事です。

 これには男女差は無いと思います。

 今年度末の退職まで、皆さん、よろしくお願いします。」


⦅何時でも何処でも自分を保てる――そんなものを私も欲しい。

 そして、いつか統括本部長のように退職しなければならなくなった時、

 その時に次の仕事を得られるように経験を積みたい。 自分の為に!⦆


◇◇◇◇

その頃、翔也は3人の子どもに恵まれていた。

妻は子育てに忙しい。

翔也は双子の女児と三人目に産まれた男児が可愛くて仕方がない。

幸せな結婚だと翔也は思っている。

思っているのだが……心に残っている女性が居る。

多くの女性は心に残らず消えていったのに、妻以外でただ一人今も残っている。

別れ話をしなければいけないと思いつつも出来なかったあの日々。

そんな中、別れ話はスマホに届いた。

⦅茜……。⦆時々、翔也は心の中でその女性の名を呼ぶ。

スマホの中にあるその女性のアカウントだけは消していない。

何故消さなかったのか翔也にも分からないまま、今もメッセージは残っている。

その女性の名は、中森茜。


妻を愛している。

それは絶対に違っていない。

妻を愛しているのに、中森茜のことは忘れられなくなっていた。

あのメッセージが……最後の「さようなら」が……あの時、翔也の心を刺した。

心に刺さったまま時が過ぎた。


⦅茜……今はどうしているのかな?

 幸せだろうか………済まなかった………本当にごめん。⦆


何度も心の中で繰り返し謝罪している。

妻に知られぬように………。

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