↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『海澪 -千年の縁-』  作者: 木峰圭介


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
89/92

(84) 海賊に襲われた近隣の村

 わた助、わたじの村の歌垣の夜、近くの村は海賊に襲われていた。

 歌垣で若衆が出払っていて、抵抗する者がいない所を狙ったようだ。殺められた犠牲者はいなかったが、まだ歩けない幼児を除く子供達五人と、乳呑み児を抱えた女だけ二人がさらわれ、網等の仕事道具、塩、布等が盗まれた。

 大きな津倉《つくら》と違い、貧しい網屋《あみや》を襲ってもたいした実入りにはならないだろうが、若衆がいなくなった村を襲うなら、赤子の腕を捻るようなものだ。

 後に襲われた村の人に聞くと、手慣れて手際が良かったらしい。女、子供のいる家も、倉庫にしている網屋《あみや》も、あらかじめ知っているようだという。老人ひとりしかいない家は、上がることもなかったらしい。

「誰かが手引きしたに違いない。怪しいのは、最近出入りしていた問(とい)の連中だ」という。

 ありえないことではない。問(とい)の輩(やから)自体が、裏では略奪行為をすることもあると聞く。

 「よその村では、さらわれた人以外は皆殺され、家や小屋に火をつけられたととの噂もある。歌垣で若衆がいなかったのは、幸いだったのかもしれない」

『こんな乱れきった世の中では、皆が集まる歌垣は、もう難しいのかもしれないな。祭らに加わっている村の若衆の頭(かしら)達で話合う必要がある』

 わた助は、独(ひと)りごちた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。