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(76) 白い神の化身
幻䗲の口八丁な法話や弁舌において、真白の神秘的な佇まいは絶大な効果を発揮した。海沿いの村では海の守り神である市杵島姫命や弁才天の、蛇信仰の残る山村では白蛇の化身として、その場に応じた口寄せの体を装うため、真白自身は何も語る必要がない。
ただ、その人ならざる美しく神々しい、髪と肌を披露するだけでよかった。そこに幻䗲の巧みな話術が加われば、人々は容易にそれを信じ込み、一心に手を合わせるのだった。
かつて、とある豪族の主の病平癒を祈祷した折、その娘の白い着物を譲り受けてからは、真白のその姿は文字通り、生き神と疑う者がないほどに完成されていた。
それだけ、庶民も貴族も、乱れた状況、末法の世に不安を感じていたのだろう。
二人の旅が半年ほど経った頃だった。




