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『海澪 -千年の縁-』  作者: 木峰圭介


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(67) 事故

 愛美(あいみ)と修にとって、何の変わりもない普通の休日だった。

 車で三十分ほどのショッピングモールで買い物をし、食事をしてからゆっくり帰る。そんなありふれているけど、ささやかな幸せな一日になる予定。

 高速道路ではないけれど、見慣れたバイパスを走っていた。助手席には、結婚二年目の妻の愛美(あいみ)が笑っている。

 事故は突然起きた。右前を走るトラックがいきなり横に向いて修の車の前に飛び出した。雨でも雪でもないのにスピン?と思ったが間に合わなかった。道をふさぐトラックは避けきれず、それほどスピードは出てなかったものの、ぶつかりエアバッグが開いた。火薬の臭い、白い煙、耳の痛み、顔に当たる固い衝撃……それが覚えている記憶だった。

 後で修が聞いた話では、トラックの前のバイクが無理に車線変更したらしい。ハンドルを切ったトラックがバランスを崩した。で、修の車が避けきれず衝突した。問題はそのあとだった。修の後を走る大型トレーラーがそのままのスピードで、やや横になった修の車に突っ込んできた。横からつぶされた車の写真を見て、後に思った。

「これで、自分はよく生きていた」

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