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(60) 龍の鱗
つぐ姫は恵蓮との再会を喜んだ。最初に尋ねたのは海澪の様子だ。
恵蓮は、分かっている限りの事を説明をする。
つぐ姫はおそらく……と言って教えてくれた、
唐櫃も玉櫛櫃も、龍力を込めるために、螺鈿の代わりに自分の龍鱗を何枚もひそませていたという。効果のなくなった龍鱗だったのかもしれない。
「この世界で龍の姿になることは出来ないから、これしか出来ないけど」
そう言うと、左腕に三枚の鱗を現した。わたじから預かった小刀を使って、自分の五色に輝く鱗を三枚、剥がし取った。
「私はもう、わたじとは逢えないけど…海澪の父親であるわたじを知る木猫になるかもしれない。これも海澪に渡してあげて…」
そう言って、その小刀を、三枚の鱗と共に恵蓮に託した。
「あと少しで、帰れる。そうしたら海澪にも会いたい。もう十四歳になるのね」
つぐ姫がわたじに出会ったのも十四歳だった。




