⑸ 逃避前後
海澪と暮らしていた六人は、〝六連星の神子〟と呼ばれている。
六連星は、昴とも呼ばれる。
海澪の世話係、教育係として、共に暮らしていたけど、海澪の母親、つぐ姫の幼い時からの世話係、教育係でもあった。
年長の阿留は、つぐ姫の父の幼馴染だとも言われている。
しっかり者の長女・舞緒、教育係の次男・恵蓮、護身術と体力を鍛える三男・太雅、明るくポジティブな次女・明寿、引っ込み思案の末の妹・星来
海澪にとっては、父親母親であり、兄妹だ。
特に仲が良いのは、明寿。幼い時はお姉さんに見えたのに、身長も追いつくと、見た目も同い年くらいに見える。いつも笑顔で明るい明寿は、憧れでもあった。もっとも、明寿の年齢はおそらく海澪の何十倍。そのくらい離れているに違いないのだけど。
性格が似ているのは、きっと星来だった。
お互い、引っ込み思案で恥ずかしがり屋。二人でいると口数も少ないから、時に気まずい時もある。
海澪自身は、皆に守られて、隠れるように暮らしていることすら、詳しく知らなかった。
海澪が初経を迎え、大人になると、もう六神子の力でも隠す事が難しくなってしまったということらしい。
海澪と星来を唐櫃に込めると同時に、式神が襲ってきた。
本来は、式神とは陰陽師の手先のようなものだけど、ここではとりあえず式神と呼ぶ。人には見えない影のようなものだ。
その時の式神の役割は、今はでいう、偵察ドローン、攻撃ドローンといったものだろう。
全部で七台。相手はこちらの数も把握してるということらしい。
長兄の阿留が、先頭の一台を太刀で斬り捨てると、太雅は得意の棒術で、続く三台を叩き落とす。舞緒は櫃に張り付いた式神を短剣で差し剥がし、遠く逃げる一台は恵蓮の放つ矢が貫いた。
式神が唐櫃に入り込むのは防げたが、残りの一台は、櫃の底に隠れ、張り付いていた。後にボロボロになっているのが見つかる。
おそらく、海澪を行く先は知られたと思われた。
この先、どう海澪達を守るかを、考えなくてはならない。




