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『海澪 -千年の縁-』  作者: 木峰圭介


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(32) 守っていたはつ姫

 長兄の阿留(ある)と長姉の舞緒(まいお)が、はつ姫(き)と話し合うために、龍の宮に戻ってきたが、彼女は既に人の世界に流されているのを知った。

 あの時の七台の式神は、海澪(みお)を消すためではなかったのかもしれない。襲うと見せかける必要があったのだろう。その本質は海澪(みお)を心配して、なによりも早急に確認するためだったと考えられた。

 母親であるつぐ姫(ひ)がいない龍界の中て、海澪(みお)をかばい続けてくれたのが、はつ姫(き)だったのだろう。

 阿留(ある)は思案した。すぐにはつ姫(き)に相談すればよかったのかも、とも思ったが、そうすれば、はつ姫(き)の罰はもっと重くなっていたかもしれない。


 今、龍界に〝人の血脈〟を入れないように、躍起になっているのは、誰なんだろう?

 龍の血脈をも合せて持つ海澪(みお)の存在は、やはり、禁忌として本気で消しにかかるかもしれない。

 

 

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