33/92
(32) 守っていたはつ姫
長兄の阿留と長姉の舞緒が、はつ姫と話し合うために、龍の宮に戻ってきたが、彼女は既に人の世界に流されているのを知った。
あの時の七台の式神は、海澪を消すためではなかったのかもしれない。襲うと見せかける必要があったのだろう。その本質は海澪を心配して、なによりも早急に確認するためだったと考えられた。
母親であるつぐ姫がいない龍界の中て、海澪をかばい続けてくれたのが、はつ姫だったのだろう。
阿留は思案した。すぐにはつ姫に相談すればよかったのかも、とも思ったが、そうすれば、はつ姫の罰はもっと重くなっていたかもしれない。
今、龍界に〝人の血脈〟を入れないように、躍起になっているのは、誰なんだろう?
龍の血脈をも合せて持つ海澪の存在は、やはり、禁忌として本気で消しにかかるかもしれない。




