↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『海澪 -千年の縁-』  作者: 木峰圭介


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/91

(29) こいし

 わたじの一人だけの出港を見守る〝こいし〟は、幼さが残る十歳の少女だった。

 親戚筋ではないが、親同士が気が合い、ゆくゆくは二人を夫婦(めおと)にと、こいしが生まれてから常々話していた。正式な許婚ではないが、二人は、幼い時からよく一緒に行動していた。子供でも出来る手伝いで、燃料になる柴刈りや流木を拾ったり、海藻、キノコを採ったりしていた。

 特にこいしの方はわたじを慕い、お互いの家を行き来して、遊び疲れては一緒に昼寝をしたり、残りの握り飯飯をつまみ食いするのも常だった。

 肌を寄せ合って、兄妹同士のように、暖を取りながら一緒に眠るだけではなく、次第に夜這いの真似事をして、大人の兆しや湿(しと)りをまさぐったり合って、褥(しとね)で睦み合う事も、親達は知って微笑ましく見守っていた。

 わたじが褌祝(はかまいわ)いを無事済ませ、若衆組に入り、こいしの初経が始まれば、夜這いが先か祝言が先かという事になるに違いない。


 東の空すらまだ暗いまま、港でわたじの舟を見送り、こいしは近くの小山に一人登って行った。港と海が見渡せるこの場所で、今日はわたじの無事を祈るつもりだった。

 わたじの帰る舟を一番に見つける。そして、港まで駆け降りて、迎えに行くのだ。


 挿絵(By みてみん)

(AIによるイメージです。時代設定、キャラクター設定を汲んでない場合があります。これから登場するエピソード、登場人物のネタバレがある場合があります)

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。