(28) 縁があるのかもしれない
「こっちにいるうちに、その〝跡〟でも探してみる?」
優美が、海澪の髪を洗いながら言う。
「もとの世界に戻るヒントが、あるかもしれないじゃない」
「星来二人だけじゃ、、こっちのこと…何もわからない…」
「〝見える〟オジさんがいるじゃない。絶対、手伝うって、言ってくれるよ」
海澪は、不安そうにしている。そして、優美を見ずに呟く。
「なんで、こんなにしてくれるんですか?」
そして、優美を見て言う。
「こっちの人は、優しい人が多かったけど、優しいふりした怖い人もいるのも知リました」
「やっぱり、そんな人もいたんだ」と優美。
「優美さんも、修さんも…何の縁もゆかりもないのに、最初から優しくしてくれて…お店に連れて来てくれたあのお姉さんも、なんかみんな分かってるみたいに優しいし、あんなにお金使ってくれたり、おウチ入れてくれたり…なんでなのかなって…」
「もしかしたら、なんかの縁もゆかりも、あるのかもしれない……かもね」
優美は微笑んで続ける。
修が今までにないほどの強い予感みたいのを感じて、店で話していた事。客が帰った後も、二人が来ることを知っていて、ずっと待っていた事。そして、
「海澪ちゃんが、修ちゃんの奥さんの子供の頃に、そっくりだったんですよ」
「その奥さんは?」
「……事故て死んじゃった」
「そうだったんですね。優美さんも知ってる方だったんですね」
「愛美は、私の妹なの」




