16朝食からの
別に起きる時間を決めているワケではないのだが、いつも決まった時間に鳴く鳥の鳴き声のせいで強制的に目が覚まされる。
背伸びをしようと腕を動かすと、ふにゃっと柔らかい物が当たった。
「ぅん……」
右隣で心地よさそうに眠っているのは剣の勇者アリエスだ。
勇者が魔王の傍らで安眠するのはどうなのか?と疑問に憶えるかもしれないが、アリエスは俺の女なので問題は無い。
一週間前、何を思ったのかアリエスともう一人の少女が俺に想いを伝え、それを俺は受け入れて、両方とも俺の女にしたワケだ。
毎日の様に一緒に眠っているので、今では彼女達がいないと夜も眠れないほどだ。
まあ、アリエスは柔らかいし、もう一人は小さいので抱き枕としても優秀だからな。
そのもう一人の少女も昨日は俺の隣で眠っていたはずだが、目が覚めるとすでにいなかった。
いつもの通り、朝食の支度を済ませているのだろう。
たまには一緒にゴロゴロしたいものなんだがな。
そんなことを考えていると寝室の扉が開いた。
「おはようございます、イサミ様」
そこから現れたのは褐色のエルフ、我が家のメイドのルナだった。
パジャマから着替えて、ぴっしりとしたメイド服に着替えている。
微かに味噌の香りがするのは朝食の準備を済ませて来たから俺達を起こしに来たのだろう。
「朝食が出来ました」
「ん。今行く」
その言葉を聞くとペコリと頭を下げて出て行った。
俺も起きる準備をするために、まずは俺の腕に絡まっているアリエスを起こすとしよう。
「起きろ、アリエス。朝だぞ」
「んぅ」
「おい」
「むにゃ」
「……おい」
「にゃはあ」
全然起きないな、こいつ。
さて、どう起こしてやろうか。
いつもなら冷たい風を背中に流し込んだり、ベッドから叩き落したりするんだが……。
ふむ。今日はこれで行ってみよう。
「んんっ!?」
――――濃厚なキスをお見舞いしてやった。
一瞬にして目を覚ましたアリエスだったが、この程度では終わらせない。
舌を無理矢理、口内にねじ込んで蹂躙する。
それを数分ほど続けて、ようやく放してやった。
「目は覚めたか?」
「ひゃい……」
呂律が回っておらず、顔は真っ赤だが意識は覚醒している。
どうやら完全に目が覚めた様なので、放っておいても一人で降りてくるだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一階に降りるとルナが食卓に朝をいる最中だった。
白米と豆腐の味噌汁、目玉焼きにウインナーっぽいやつなど、異世界とは思えないほど日本食だった。
「んっ」
ご褒美と言っては何だが、ルナにキスをする。
アリエスの時と同じ、濃厚なやつだ。
まあ単純に俺がしたかっただけなんだが。
それからたっぷりとアリエスが降りてくるまで、キスを交わした。
その後、一緒に朝食を食べて、それぞれの今日の予定を話す。
共同生活をするなら、
いつもなら。
「っ、伏せろ!」
次の瞬間、我が家は爆撃された。
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