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13魔桜流

『お前達は剣だ。お前達を振るう主を見つけよ。剣士は主を持ってこそ、その真価を発揮するのだ。さすれば、お前達は剣となり、主は鞘となるであろう』


 何故か、アリエスはこの剣撃の嵐を受けながらも、かつて師匠が語った剣士道を思い出していた。


 アレックスはやはり、強い。


 猛虎流と名付けたアレックスの剣技は、まさしく猛攻の剣だ。


 一瞬でも油断すれば身体をズタズタに引き裂かれ、命を奪われてしまうだろう。


 だが、アリエスにはもう怖い物なんて無い。


「チィ! しつけェなァ!」


 アレックスが豪快に剣撃を繰り出すが、アリエスは数歩飛び退いて距離を取った。


 これは新たな居合の型だ。


 アリエスは剣を鞘に納めた。

 闘気を全身に巡らせ、気を溜める。


 全身に迸るのは殺気。


 脳裏に過るのは修行の日々。

 そして、イサミとルナの顔だ。




魔桜(まおう)流 一の型 一刀桜花」




 次の瞬間にアリエスはアレックスの背後に立っていた。


 当然の様にすでに剣は鞘に納めていた。

 

 斬撃の残滓が桜の花弁の様に散る。故に“桜花”。


「…………ッ!」


 ピキンッと音を立ててアレックスの剣が折れた。


 いや、アリエスが斬ったのだ。


「……テメェの主が、その魔王かァ?」

「そうだ」

「ハッ!」


 折れた剣を投げ捨て、


「そいつが今までの様な魔王だった時はどうする!? お前や、俺達の家族を殺した魔王と同じ担った時はどうする気だァ!?」


 もっともだ。

 アリエスもアレックスも同様に魔王に対しては途方もない怒りを感じていた。


 両親を殺され、兄弟を殺され、幼馴染を殺され、恋人を殺され――――。


 そうした者達の多くが泗水流の門弟にいる。


 けれども――――。


「その時は、私が斬る」


 アリエスの覚悟に驚いた様にアレックスが目を見開いた。


「私は魔王の金剛の剣だ。そしてパートナーであり、魔王の鞘でもありたい」


 いつか、イサミが辛くて折れてしまいそうになった時にはアリエスが肩を貸せばいい。


 鞘として、剣として、そしてパートナーとして。


 必ず隣にいて、イサミをあの魔王にはさせない。絶対に。


「傲慢な上に、強欲だなァ……」

「ふっ。剣は主に似ると言うだろう?」

「ハッ! そりゃあ、確か、に――――」


 アレックスが獰猛に笑って見せると次の瞬間にブシャッと右肩から腹にかけて血が噴き出て、倒れた。


 急所は避けたので、死にはしないだろう。


 かつてのトラウマを克服して、アリエスが勝利した。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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