レティシア
眠る時間になっても眠れない、静かな夜長い、疲労解けない、体を戻して脳に負担重ねる。
「どうした、顔色がどんどん悪くする」
「もうし…わけございません」
「理由を訪ねている」
「ねむ…ねないでございます」
「疲れても?」
「体のほうが疲れを知らない」
「膝枕してあげるか?」
「それは」
「いいから、隣来い」
ソファーの隣に座って横になる、そうか、膝の上を枕にする。昔誰かここを座ることを見た、ここに特別な魔力があるみたい、頭撫でられて、その感触に気心地いいを認識する。
“後ろに何がいる”
ご主人様。
“の○○”
そうか、そうなんのか、体はここを欲しがる、やがて妄想が始まる、非現実的なシーン、こうして体と頭が一致する、その後曖昧な夢は記憶の隅に残る。
起こる時には深夜、ご主人様はそのままソファにもたれて寝る、部屋まで送れないと。
「起きたか?」
「…はい」
「眠る感覚戻った?」
「もう…大丈夫と…思います」
そうかもしれないがそう欲しくない、膝枕よりしたいことが分かった、体を使って、体がないとできないこと、体が居たことでご主人様と…
醜い、行けない、ご主人様にばれないように気をつかう、だからご主人様のものに執着。
いままで我慢してきた、ご主人様から求めるまで。
だからかな、ご主人様とオブスキアの距離が縮めることで期待した、欲を増幅する魔法を報告しなかった、歌に魔力が宿ることを防ぐもしなかった、あのフェアリーの属性は闇のことも警戒しなかった。
命令されたから阻止しにきた、犯人は精霊使い、まさか一般人を操て自分とするなんて、汚らわしい。
リーズはこの精神魔法の影響を受けていない、だがリンは違う感情が増幅している。
フェアリーと犯人を引き離して魔力提供も切る、犯人の前に立つ。
「お婆さん」
あ?
“聡明な自分なら分かるでしょう、一瞬よぎった記憶、今まで逃げてきた”
違う、あり得ない、わたくしじゃない、わたくしは。
“不潔極まりないのは、体のみならず”
「お婆さん?初めまして、私はレーヤ・インヒューマ、お父さんはアールノ・インヒューマ、お爺さんはクロベルク・インヒューマ」
「は~、は~~、ぁ~~、っは」
“ねえ、わたくし、今回はどうしよう”
記憶、それは目の前にして、理解による拒否不可能なデジャブ。
あのわたくしに導き出す、泥水にはまった過去、どうしようもなく偲ぶ。痛みに蘇る最後の姿、毒と精神魔法に侵され、あの忌々しい人の傀儡に変わった事実を知りました、あの頃の記憶は正常したわたくしを侵す。
否定しても否定しきれない、あの新生児はなによりの証拠。
死ね、死んでしまえ、醜いレティシア・ユグドラシル。
勝った、体に勝ってしまった、望まない肉体なんて死んでしまえばいい。
“それがあの時の選択”
わたくしが殺した、過去を。
“まだ自分を欺き続けるつもり?わたくしは誰も殺していない、汚れているのは”
黙れ!わたくしは違う、わたくしは生まれ変わった、わたくしはご主人様だけの
“わたくしはご主人様に対して何の欲望も抱いておりません、求めない、あんな乱れの姿も、しない”
??
“どうあがいても抜け出せない、レティシア・ユグドラシルはもう汚れている”
「いやあああああああ」
「え?どうしたの、お婆さん」
「あ~あ~、素晴らしい、この匂い、たまらない。王よ、我らを統べる尊き君、どうか、王の願いを叶えさせていただきたい」
「サユリさん、お婆さんに何をした、お婆さんの服が」
“そうかも、しかし望みがある、こうなったわたくしを受け入れてほしい”
「殺せ」
「はい~」
「サユリさん?」
妖精に力を与え、黒い魔力弾はその少女へ放つ、出来ないはずの出来事。
しかし初めての出来事で、一発目は動いていない相手にも当たらない、死の脅威を感じるレーヤは逃げ回る、追いつめられる。
「いやだ、なぜだ、おばああああ」
「今度は当たる」
だが弾は弾き飛ばされた。
「お前、速く逃げろ」
「ぁ、はい」
どうしよう、こんな姿になってどう思われるか。
「ご主人様」
「え?」
妖精から驚きな表情。
「祭りは終わった、帰ろ」
「うん」
しかし、今教えてほしい、して欲しい。
“愛してください”
なぜ下がる?わたくし、あなただけのわたくし。
「ご主人様」
「どうした?」
「抱いてくれませんか」
“してくれませんか”
「正気を戻れ」
正気?
“わたくしは”
わたくしです。
「わたくし正気です!愛してください、めちゃくちゃしてください、そして共に落ちましょう、何でもする、望みすべて叶えて上げる。だからさ、お願いします、一生の代価でも構わない、あなたの、心の一角をください」
「お断りします」
わたくしは汚れたわたくしを認めた、肉体も、頭も、全部わたくし。本物のわたくし、あなたに晒しだしたわたくし、それでも、真のわたくしはダメでした。
「へへ、やはりね、わたくしが醜いから」
「違う」
「違わない!わたくしは穢れた、あいつに、憎らしい人間に、拒否した感情はいま自身に降りかかる、欲が身を包まれる、あなたが嫌うものに」
分かる、五年間ずっと見てきました、あなたは他人のものが嫌い、一般人の欲を断り続け、自らは誰にも穢されない、故にわたくしの気持ちは忌み嫌われる。
何を話しても無駄かもしれない、死にたい、死にたい、死にたい。
すべて真白に変えたい、例え何も持たなかったとしたら、きっと愛してくれる、あの奴隷たちみたいに真白から、あなたが好きのように導いて、わたくしを。
その前に、新に強く残した汚点を消す、浮かばないように。
下へ潜る、繋がりを作る、島全体へ存在を示す。
すべての精霊に告げ、我に従え、顕現せよ、我の望みを叶え。いま、レーヤ・インヒューマを殺せ!
再び地上に戻り、塔の中にいる。
「お待ちしております、レティシアさま」
「ランドゼ、我を止めに来たか?」
「可能ならそうやりたい、罪のない学生をお守りする務めがあります」
「下がれ、精霊を使えないいま、あんたは何もできない」
外へ出る、我を待っている精霊たちへ向かう。
「上位精霊、ヴェンディ、尊き王よ、お待ちしておりました」
「上位精霊、シルフィ、参上いたしました」
「上位精霊、ハーラク、ご報告に参りました。先ほどレーヤ・インヒューマはドロシーに保護され、恐らく黒の塔へ避難したと考えられる」
「ならば塔の攻略へ当たれ」
「申し訳ございません、賢い判断ではございません」
「貴様、王の命令を逆らう?」
「やっぱりキモイやつは脱退させるべき」
「どう考えてる」
「まず新参者にはあのお方を引き止める、そして私たち上位精霊三名はかの魔人を封じる、レティシアさまはここで精霊たちに命令を渡す、どうか戦場に出ないように」
「出来るか?」
「ええ、あの方が来る前に必ず」
「任せる」
「お待ちください、あの魔人は原始の精霊にも敵わない、わざと敵対するより避けるべき」
「そうだ、全戦力で素早く命令を果たす後逃げる」
無理、リンを無視して、犠牲の上に何も成せない。
「ヴェンディ、シルフィ、ハーラクの指示に従え」
「心得た」
「承知いたしました」
顕現した精霊たちは本来の力を発揮できる、地脈からのマーナを提供することで制限を外す。過去において既に数十名の精霊の繋がりを作って、霊体化を成功した、野良の精霊は獣に、人となじみある精霊は人の姿に。
その出来事は今、至って簡単だ。
「おやおや、やっと一人になっちゃったね」
ヒツキ、とソウツキ、もめる気力ない、その必要性もない、だが潜れない。
「そうそう、あいつらがここで待っているうちに結界を張った、さすがいきなり消えるなんて困るね、私たちは話に来たのに。誠意を込めて、結界は緑の塔の周りで終わる、出てばすぐ転移出来ますよ、精霊さま」
「なぜ話す」
「べつに構わないさ、私たちは止める手段がない、本気で逃げる君なら」
つまり結界と言ってもただ転移阻止、とある空間の中に閉ざさない。
調べた資料によると、ヒツキはちびけどプライド高い自信家、ソウツキは無口の臆病者けど恥知らずのナルシスト、。
一時安堵した、賢い二人ならご主人様に執着せぬだろう。
「レーヤ・インヒューマ、あいつを殺す命令を出したのは君か?」
「その情報どこからもらった?」
「質問に質問で答えなんて、まあ、さっきのやり取りを聞いた…信じてくれないでしょう。精霊でさ、自然に生まれるものと人に作れるものは区別がない、より好きなやつに従うけれど話くらい教えてくれる」
嘘じゃない、嘘を見分ける出来るを知ったのはご主人様と一緒に王城へ行った頃、久しぶりご主人様以外の人と話すことで違和感を生む、体によって意図を区別する。その能力のおかげて役に立った、信頼された、ご主人様に害するやつ、その行いを実行する前に排除。ヒツキの言葉にすべて本物、他に何も感じない、だが何の目的で。
「手伝ってやろか?」
「…いいえ、何もしないでくれ」
迷う、だが他人の手を借りたくない、隠す気もない、彼の前に勘違いさせたくない、すべてわたくしの意志、わたくしのまま終わりたい。
「勝手なことが、自分に関することだから自分の意志は一番、私たちは関与する立場はない、失礼しました、傍観席に帰る」
腑に落ちない、利益、効率を大事にするあの二人がここに足を運ぶ理由、単純にわたくしを笑え来たならまだ納得する、しかしあっさに帰るなんて。
警戒が解けない、その後ろ姿を消えるまで見つめる、突然ソウツキの前に瓶が落ちる、身の前に見なかったもの、恐らく谷の間に隠した、ヒツキは慌てて拾う。突然強烈な不安、嫌悪、怒りが湧く、魔法の痕跡はない、なぜ、どうして。
「待って、あれは何?」
わたくしから近づいて質問する。
「いやぁぁ、ごめんごめん、妹には大事なものを胸に隠す悪い癖あって、服が緩んで落ちたみたい」
嘘じゃない、だが答えは避けられた。
「瓶の中はなに?」
「ただの薬の原料、帝国に買えて薬を作る予定」
「答えになってない」
感情が大きくなる、隠す必要性あるもの、ここに買えない帝国しかないもの。
「すまんすまん、めんどくさい女ね。これは惚れ薬に必要な紅花」
どうどうと嘘を付いた、否定したい予感が的中したような気分。
「貴様ら!貴様ら!嘘を言った、なぜ嘘を、なぜ言えない、一体何の目的、中にはなんだ、吐け」
「こわー、何が勘違いしたかな、別に君に使う薬じゃないし、怒るな」
予感が抑えない、すぐ衝動に変える、違うものを口に出せ、あんなものを、彼に、彼を壊すなんて、許さない。
「も~~、まだ分からないの?君のせいでフェリドムに禁じられた薬、君がいっぱいいっぱい吸ったもの、可笑しいな、鎮静剤になる物を禁止なんて」
「は…は…、そう、鎮静剤、いざという時にか、ご主人様は怪我や病気に侵されたら使う、治るための薬、そのものですね、ね、答えて」
あれで分かる途端、怖気づく、やっとあの薬から解放したのに、戻りたくない、そして言い訳を話す、きっとそうだ、死んでも使えたくないわたくしと違う、彼を救える時のためならわたくしは何もしない。
「うんうん、その薬」
微笑んて望む答えを出す、望んでいたものは嘘のとき、これ以上の会話は要らなん。
彼を害するもの、消す、居なくなる前に必ず。




