15 村
「ここが村みたいだな」
都から南東にずっと歩くと見えてくる村『ルーテナ』、俺らの目的地はそこだ。
「いかにも村って感じだな」
今回のパーティーはナバルだけ...の筈だったのだが、ついて来た奴が約一名。
「マコト!ナバル!みてみて!リスがいる!」
何故か子供の様にはしゃいでる美少女、アーリエであった。
数時間前、クエストを受ける事をアーリエに伝えに行ったら、勝手について来たのだ。
「あー、リスだね」
「おう、リスだな」
「やけに無反応だなぁ」
まあ可愛いから良いし、一応上級職の賢者らしいから戦力的にも申し分ない。レベルは聞いても教えてくれなかった。
しかし、この世界にもリスはいるんだな、と思った。
「畑を荒らした魔物か、どんな奴なんだろうな」
「E級に指定されてるって事はあんまり強くないモンスターだと思うけどね」
アーリエとナバルは意外にも早く打ち解けた。今では普通に話せるくらいだ。筋肉と美少女は良い絵になる。
「それについては、儂がお話しますかのぉ」
向こうから老人が近寄り、そう言った。
「儂はこの村の村長じゃ、この度はこのクエストを受けてくれて感謝しますのじゃ」
めっちゃ語尾の『じゃ』を強調してくる老人だが、まあいかにも村長だ。長く白い髭に白い髪、この人を村長と呼ばないで誰が呼ぶのだろう。
「ああどうも、俺はマコト、んでこの小さいのがアーリエで、この筋肉がナバルだ」
「こんにちは...小さくて悪かったね」
「どうも...筋肉で悪かったな」
仲間たちが何か言っているが、まあ無視しておこう。
「最近畑がよく荒れているのじゃ、村人達が丹精込めた野菜が動物に食い散らされているのじゃ」
「それで、どんな魔物がいるんだ?」
「よくぞ聞いてくれましたのじゃ、村人達の目撃情報によると、下級魔物のウルフだと思われますのじゃ」
ウルフって、狼だよな?そのまんまな気もするが、突っ込まない方が良いのだろうか。
「別に、爺さん達でも自衛は出来るんじゃねえのか?」
「儂らは戦う力を持ちませんのじゃ、この村には武器というものはありませんのじゃ」
「そうなのか、悪いな」
見た所この村にはあるのは民家だけだ、そんな村に自衛する力があるとは思えない。この村に冒険者を呼んだのは良い方法だと思う。
「魔物達は夜に来ますのじゃ、今日は儂の家に来ると良いのですじゃ」
「あ、ありがとうございます」
ここはまあお言葉に甘えされて貰おう、今日の俺たちは宿を何も準備していなかったのだ。
「ささ、こちらに」
村長がくるりと後ろを向いて歩き出し、俺達はそれについていった。
「どうぞ、お上がりくださいのじゃ」
村長の家は村の中心にあった、木材で作ったログハウスの様な物だ。
「まさかここに来るだけであんなに声を掛けられるなんてね」
俺らは村長の家に行くまでに、かなりの村人に「頑張ってください!」「俺らの命、預けたぜ!」「この村をお救い下さい!」などの様な事を沢山言われた。英雄気分で悪い気はしなかったのだが、何かとプレッシャーがかかるので、良い気もしなかった。
「儂はちょっと出かけて来ますのじゃ、ゆっくりおくつろぎ下さいなのじゃ」
そう言って、村長は出て行った。
「さて、作戦会議をするか」
「ウルフをどうするかって事?」
「まあそうだろうな」
椅子に腰掛け、作戦会議を始める。議題は「ウルフをどうするか」だ。
「倒せれば良いんだがな」
「夜に待ち伏せして私の魔法で殺っちゃえば?」
「それも良いが、冒険感が無いだろ?」
「いや、なんだよそれ」
確かに楽な選択肢に進みたい、だが、それでは物足りない!待ち受ける様々な困難!それがスリルだ!
「だとするとどうするんだよ?」
「うーん...」
冒険感を出せるやり方か...。
「あ!だったらさ...」
アーリエはロリな筈。




