11 職業
結論から話すと、俺は初級職から始めるのが一番良いらしい。下級職から始めると、力が上手く使いこなせない様だ。
初級職...マジかよ。
「はい、そこです。そこをタップして下さい」
「...はい」
俺は泣く泣く初級職から始める事にした。まあ仕方が無いとは思うが、なんか嫌だ。才能が無いとか言われたし。
ってか何だこの『ろーでぃんぐなう』って奴は、なんでロードが必要なんだ。
「まあ...あれです。これから始めていけば良いんです。どん底から這い上がる人の話は良く聞きますし!」
「ははは、そうですね」
青年が慰めてくれるが、俺には全くの無意味だ。
そんなことを話している内に、俺の職業登録が終わった様だ。
「はい、では『レンジャー』登録完了しました!レンジャーの長所短所を纏めた用紙がありますので、それをお渡しします」
そう言って青年は紙の束を取り出し。それを俺に渡してきた。
「ありがとうございます...」
「はい、では次の方をお呼びするので、あちらの扉からお帰り下さい。あと、その、頑張って下さい!」
青年が最後の慰めをしてくれた。やばい、なんかちょっと頑張れるかもしれない。
そんなことはさておき、俺は言われた扉を開けた。そこはさっきの集会所で、活気が身を包む。
「これからどうするか...」
このままアーリエの家に帰っても良いのだが、それでは味気はない。クエストにも...、うーん、それか...。
「って、今は何時だろう」
俺は近くの時計を探す。一番近くにあった時計は、午後四時を差していた。どうやら『翻訳指輪』は時計も読めるらしい。
「四時...微妙だな」
そんなこんなで俺が色々考えていると、後ろのドアが開いた音がした。
「お前、こんな所に突っ立って何してんだ?」
「なんだ、ナバルか」
ナバルが扉から出て来た。どうやら終わったみたいだが、ナバルは何やら変な顔をしていた。
「なんか変な顔してるな、なんかあったのか?」
「...俺の職業、なんだと思う?」
ナバルの職業か、順当に考えて剣士とかか?
「いやよ、職業適性を教えて貰ったんだよ。そしたらよ、一番適性なのが下級職『魔法使い』だって言われてよ...」
「...その筋肉で?」
「ああ」
その筋肉で魔法使いって...。
「あ、俺もう帰るわ。なんか...疲れた」
「あ、うん、お疲れ」
トボトボと歩き出すナバルの背中は、少し小さく見えた。やっぱり剣士とかになりたかったのだろう。
「俺も帰るか」
帰り出したナバルを見て、俺もやる事が無くなってしまった。もう帰るしかない。
「まあ、なんだかんだ言って、俺も『動物愛好家』なんだけどなあ」
...まあ、魔法使いの方が使えるか、HAHAHA。
僕も異世界転生したら魔法使いになりたいです。透視とかしたいです。




