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第162章 闇の同盟と絶対なる反撃

第162章 闇の同盟と絶対なる反撃


晩夏。

新形県南部に広がる越後盆地。南大沼の山々に抱かれた、六日町。


時価総額130兆円を突破し、国連法規の更新、専属交響楽団『六日町・フィルハーモニック』の創設、水没都市ジャカルタの浮上再生、メキシコ麻薬カルテルの壊滅と農地再生、認知症根本治療薬『ラビット・リバイビン』の開発、植物ギガファクトリー『アグリ・ドーム』、そして50度の猛暑でも飛べる超高温旅客機『スカイライナー・サーモ』の実用化に至るまで、全地球の命と文明を牽引し続ける「南越急行ホールディングス」。


しかし、南越急行グループが正義と実体経済の勝利を積み重ねるほど、その圧倒的な光の裏で、地獄の底へと叩き落とされた「二つの闇の勢力」が、復讐の怨念によって手を結びつつあった。


以前、資金源と拠点を完全に粉砕されたメキシコ麻薬カルテル『ロス・ソンブラス』の凶悪な残党。

そして、宇宙独禁法訴訟や国連金融規制によって天文学的な富と地位を失い破滅したウォール街・ロンドンの悪徳ハゲタカファンド『シンジケート連合』の亡霊たちである。


彼らは地下シェルターで巨額の闇資金と最新鋭の軍用重火器を出し合い、ひとつの狂気的な最終計画を策定した。


——『南越急行の三頭体制、篠原賢人・古賀・大石の三名を、同日同時刻に完全抹殺する』


ある平日の午後三時。


【第一の標的:六日町・大野川河畔を歩く篠原賢人CEO】

篠原は、市民の暮らしを確かめるため、護衛を最小限にして大野川の親水公園沿いを歩いていた。

その時、対岸のコンクリート構造物の物陰から、消音器付きの対物大口径ライフルが篠原の眉間を捉えた。

——パシュッ!

超音速の徹甲弾が空気を切り裂いた瞬間、篠原の胸元に常時浮遊追尾していた超小型AI警護ドローン『ガーディアン・アイ(NGS製)』が、ミリ秒単位で照準レーザーを感知!

ドローンは自らを盾にして弾道へ割り込み、展開したナノチタンシールドで弾丸を「キンッ!」と弾き落とした。弾丸は逸れて足元の敷石を粉砕し、篠原は間一髪で無傷で防護壁の死角へ滑り込んだ。


【第二の標的:浦佐・南越重工業大学校の実習棟にいた古賀副社長】

古賀は、学生たちと新型エンジンの分解実習を行っていた。

突然、実習棟のガラス窓を突き破り、軍用ドローンから放たれた小型誘導ロケット弾が古賀の背後へ迫った!

「危ねえッ!!」

古賀は持ち前の野生の直感で学生たちを押し倒し、床へダイブ。

直後、背後でロケット弾が炸裂! 爆風と熱波が吹き荒れる中、古賀が着用していた作業着仕立ての超軽量防弾スーツ『ラビット・アーマー』が、超高熱と破片の運動エネルギーを完璧に遮断。古賀は煤まみれになりながらも、かすり傷一つなく立ち上がった。


【第三の標的:大手町・南越フィナンシャル・グループ(NFG)東京ビルを出た大石専務】

大石は、金融庁との協議を終えて専用車へ乗り込もうとしていた。

交差点の死角から、偽装配送トラックが突如急加速し、大石の専用車へ突撃すると同時に、荷台から自動小銃を持った覆面傭兵三名が乱射を開始した!

——ダダダダダダッ!!

しかし、大石が乗っていた本産自動車の『防弾ロイヤル・リムジン』は、宇宙ゴミ再生ナノチタン装甲と防弾ガラスで銃弾を全弾跳ね返した。さらに、随行していたNGSのSP部隊が即座に『サイレント・テイザー(非殺傷ネットランチャー)』を斉射。傭兵三名をわずか三秒で完全昏倒・制圧した。


三拠点でほぼ同時に放たれた凶弾の嵐。

しかし、南越ガーディアン・セキュリティ(NGS)の鉄壁の盾と、三人の研ぎ澄まされた危機回避力によって、三名とも奇蹟的に「完全無傷」で生還したのである!


事件発生からわずか一時間後。


六日町メガロポリスの本社タワー地下深くに位置する『南越危機管理・統合オペレーションセンター』に、篠原賢人CEO、古賀副社長、そして東京から緊急超音速機で戻った大石専務の三人が集結した。


堂島最高警備顧問(元警察庁SP)をはじめ、南越重工業、新行電気工業、本産自動車、武沢製薬、南越フィナンシャル・グループのトップ幹部が顔を揃えていた。


古賀副社長が、煤を払った作業着の袖をまくり上げ、鬼の形相でデスクを叩き割らんばかりに殴りつけた。


「ふざけやがって!! 俺たちだけならまだしも、大学校の学生や街の市民まで巻き込もうとしやがったな! カルテルのクズどもと守銭奴ファンドの亡霊どもめ、絶対に許さねえぞ!!」


古賀の怒りの咆哮が司令室を揺るがす。


ポーカーフェイスの大石専務は、静かにメガネのブリッジを押し上げ、冷徹な氷のような声で口を開いた。


「……東京で拘束した傭兵の生体認証、および通信ログの量子暗号解析が完了いたしました。背後にいるのは、メキシコ・カルテルの残党首領『エル・カゲ』、および元ウォール街大手ヘッジファンド代表のブラッドリー・ストーン。彼らは現在、南米コロンビアとカリブ海にまたがる治外法権のプライベート要塞島『フォートレス・イスラ』に潜伏し、残存する全資産三兆円と重武装私設軍隊千五百名を結集させております」


大石のメガネの奥の目が、鋭利な刃物のように光った。


「彼らはすでに後がなく、追い詰められた狂犬です。中途半端な法的措置や防御では、第二、第三の無差別テロを仕掛けてくることは確実。……我が南越急行グループの総力を結集し、敵の資金、武装、拠点、そして逃亡ルートのすべてを『完全不可逆的に解体・殲滅』する徹底反撃オペレーションを提案いたします」


篠原賢人CEOが、静かに立ち上がった。

篠原の瞳には、一切の怒りの乱れはなく、ただ世界平和と人々の命を守り抜くための「絶対の正義」が湛えられていた。


「人を傷つけ、暴力を金で買い、未来を脅かす闇の同盟に、これ以上の猶予は与えない。……我々の持つテクノロジー、金融、インフラ、そして国際法規のすべてを連動させ、悪の根を完全に断ち切る」


篠原は力強く号令を下した。


「プロジェクト・『オペレーション・シャイニング・ラビット』、発動!!」


大石専務の設計、古賀副社長の現場統括、そして堂島最高顧問の警備指揮のもと、世界の軍事・金融の歴史上類を見ない『五重の同時包囲反撃スキーム』が発動された。


【第一の反撃:『NFG・全世界闇資金ルート完全遮断&強制破産』】

大石専務率いるNFGの量子金融ハッカー部隊が、新行電気工業の量子AIを用いて、要塞島に送金されていたオフショア銀行口座、スイスのペーパーカンパニー、暗号資産ミキシングサービスを完全特定。

以前、国連採択された『国際金融投機規制協定』および国際金融司法機構(IFTO)の超法規的権限を発動し、敵の全資産三兆円を「コンマ一秒」で完全凍結。敵陣営の傭兵への給与支払い、武器弾薬の追加調達網を瞬時に干し上げた。


【第二の反撃:『宇宙インフラ・リアルタイム量子スキャン網』】

軌道造船都市『メガロ・ドック』に配備された超高分解能ナノ光学衛星『ラビット・アイ・サテライト』群が、カリブ海の要塞島『フォートレス・イスラ』を宇宙からミリ単位で常時監視。

要塞の地下トンネル網、対空ミサイル発射台、発電施設、武器庫の位置、さらには幹部たちの生体バイタルサインまでをリアルタイムで3Dデジタルツイン化し、作戦部隊へ共有した。


【第三の反撃:『南越重工・完全自律型AIステルス制圧部隊』】

完全無人工場『新形第0プラント』で製造された、最新鋭の全自動無人潜水艇『ラビット・サブマリン』十隻と、完全無音ステルスAI航空機『シャドウ・ラビット』三十機が出撃。

サロナエアコンの熱源ゼロ冷却技術により、敵の赤外線レーダーに一切映ることなく要塞島周辺海域および上空を完全封鎖した。


【第四の反撃:『非殺傷・瞬間無力化「サイレント・ストーム」』】

武沢製薬が開発した「超広域・安全瞬間睡眠エアロゾル」と、南越重工業の超高圧音波パルス砲を搭載したドローン大艦隊が要塞島上空へ展開。

島全体へ向けて特殊睡眠ガスと低周波音波を同時放射し、千五百名の武装傭兵を、一滴の血も流さず、死者を一人も出さずにわずか「三分間」で全員完全昏倒・無力化する。


【第五の反撃:『国際司法・国連治安維持部隊との完全連動』】

国際刑事裁判所(ICC)、インターポール(ICPO)、および国連安保理の緊急特別決議に基づき、堂島最高顧問率いるNGS特殊制圧隊が先陣を切り、各国の法執行機関とともに要塞島へ突入。幹部全員を現行犯逮捕する。


古賀副社長が拳を握りしめて叫んだ。

「完璧だ! 相手が一発の引き金を引く暇もなく、金も武器も身体も全部縛り上げて、法の裁きを受けさせてやるぞ!!」


晩夏の深夜。

カリブ海に浮かぶ絶海の孤島、要塞島『フォートレス・イスラ』。


要塞の司令室では、カルテル首領のエル・カゲと、元ヘッジファンド代表のブラッドリー・ストーンが、焦燥と混乱に狂乱していた。


「おい! どういうことだ!? スイスの口座もケイマンの口座もすべてアクセス不能だ! 傭兵どもへの支払いができん!」

「通信が……全衛星回線が遮断された! レーダーもGPSもすべてダウンしている!」


その時、暗黒の夜空から、音もなく無数の光の点が降下してきた。


サロナエアコンのステルス極冷技術によって熱源を消した三十機の『シャドウ・ラビット』と、数千機の小型AIドローン群である。


「て、敵襲だーーッ!! 撃て! 対空ミサイルを発射しろ!!」


エル・カゲが絶叫したが、要塞の全電子制御システムは、新行電気工業の量子AIによってすでにハッキングされ、完全ロックされていた。


次の瞬間——島全体を、青白い光と目に見えない超音波の嵐が包み込んだ。


ドォォォォン……(無音の低周波パルス)


武沢製薬の安全睡眠エアロゾルが要塞の通気口と屋外へ瞬時に充満し、低周波音波が脳の覚醒中枢を優しくシャットダウンした。


重機関銃を構えていた傭兵たちが、次々と「ふわり」とその場に倒れ伏し、深い眠りへと落ちていく。

警備塔の見張りも、地下の通信兵も、装甲車のドライバーも、誰一人引き金を引くことすらできず、眠りに沈んでいった。


作戦開始から、わずか「二分四十五秒」。


要塞島の防衛網は完全に沈黙した。


静寂の中、海面から浮上した『ラビット・サブマリン』から、漆黒の『ラビット・アーマー』を着た堂島最高警備顧問率いるNGS部隊と、インターポールの特別捜査官部隊が堂々と上陸。


司令室の防爆扉を南越重工のプラズマカッターで一瞬で焼き切って突入した。


床にへたり込んで震えていたブラッドリー・ストーンとエル・カゲの前に、堂島が静かに手錠を突きつけた。


「エル・カゲ、ならびにブラッドリー・ストーン。国際テロリズム、殺人未遂、資金洗浄、および国連法規違反の容疑で逮捕する。……ゲームは終わりだ」


首謀者二名は、一言の言葉も発せぬまま、その場で完全に拘束されたのである。


味方の負傷者ゼロ。

敵の死亡者ゼロ。

市民の巻き添えゼロ。


南越急行グループの圧倒的なテクノロジーと知恵がもたらした、完全無欠の「無血反撃オペレーション」の終結であった!


夜が明けたカリブ海。


要塞島『フォートレス・イスラ』の埠頭から、新形テレビ20のベテラン記者・高橋とカメラマン・井上が、全世界へ向けて歴史的生中継を行っていた。

井上の担ぐ最新鋭8Kカメラの側面には、あのガムテープの切れ端が、朝日に照らされて誇らしく輝いている。


「こちら新形テレビ20です!」

高橋記者が熱狂と感動の声を全世界へ響かせる。

「昨日、篠原CEOら首脳陣を狙ったテロリスト集団に対し、南越急行グループ、NGS、そして国際司法機関の合同部隊による電光石火の反撃作戦が完了いたしました! ごらんください、カルテルの残党首領と悪徳ファンドの首謀者が、完全制圧され、いま国際法廷へと連行されていきます! 血を流すことなく、暴力を完璧に無力化させたこの奇蹟の制圧劇に、世界中から拍手喝采が送られています!」


中継を見ていた世界中の市民、各国元首、そして国連総会から、篠原賢人CEO、古賀副社長、大石専務へ、最大級の賛辞と感謝のメッセージが殺到した。


国際刑事裁判所(ICC)所長および国連事務総長は緊急声明を発表。

「南越急行グループは、自らの正当防衛に留まらず、地球規模のテロと金融犯罪の脅威を完全に消滅させ、国際法秩序の絶対的な優位を証明した」と宣言した。


没収された敵の全資産三兆円は、国連を通じて「世界平和・被害者救済基金」および「メキシコ・中南米の持続可能農業インフラ基金」へと全額寄付されることが決定したのである。


事件が完全解決した夜。


六日町メガロポリスの本社タワー最上階、特別大広間。

そこに設置された最高級寿司処『佐渡武蔵・六日町本店』において、篠原賢人CEO、古賀副社長、大石専務、そして無事に帰還した堂島最高警備顧問が集まり、至高の祝勝の宴が開かれていた。


付け場に立つ武藤大将と吉村大将の手元には、佐渡沖の荒波で揉まれた天然本マグロ、南大沼の清流で育った極上の鮎、そして南越アグリの奇蹟の新米『新形黄金』がずらりと並んでいた。


「大石専務、篠原CEO、古賀副社長、堂島さん……! 本当に、無事でよかった……!」


武藤大将が、美しい包丁さばきで魚を切り出しながら、熱い涙を浮かべて言った。


「命を狙われてもビビらず、誰も殺さずに悪党の親玉を捕まえちまったんだ。こんなにカッコいい男たちを、俺は他に知らねえよ。今夜は、命のありがたみと平和の味を噛み締める、世界で一番美味い寿司を握るぜ」


吉村大将が握り、大石専務の前の黒漆のつけ台に静かに置いたのは、佐渡沖で揚がった極上天然本マグロの「天身(極上赤身)」を特製醤油漬けにし、新形黄金の温かい酢飯に乗せ、本わさびを添えた特製『不滅の赤身握り』であった。


大石専務は静かにメガネのブリッジを押し上げ、指先でその透き通るような紅の一貫を持ち上げた。


「……いただきます」


大石はその一貫を口の中へ運んだ。


その瞬間——大石専務の口内で、荒海を生き抜いたマグロの力強い赤身の酸味と芳醇な鉄分、そして新形黄金の温かいシャリの甘みが完璧に溶け合う「究極の味覚ビッグバン」が巻き起こった!


(ん……ッ!!!? な、なんという澄み切った力強さ……! なんという生命の脈動……!!)


噛み締めるごとに、赤身の奥から純粋な旨味がジュワリと広がり、漬け醤油のコクが魚の香りを極限まで引き立てる。喉の奥へと心地よい感動の熱波が駆け抜けていった。


大石専務は思わず両手をカウンターにつき、静かに目を閉じた。


ポーカーフェイスで知られるあの「財務の鬼」の頬を、またしても一すじの、そして誰よりも熱い感動の涙がとめどなく溢れ出し、顎を伝ってスーツの胸元へとこぼれ落ちた。


「……素晴らしい。暴力に屈せず、法と誠実さを守り抜いたからこそ……この命の味を、生きて再び味わうことができる。……完璧な、あまりにも完璧な勝利でした……!」


隣で同じ一貫を豪快に口に放り込んだ古賀副社長も、目を丸くして机を叩いた。


「う、うめぇぇぇ!! 大石、最高だ! 生きてるってのは本当に素晴らしいことだな! 悪い奴らを全部片付けて食う寿司は、宇宙一の味だぜ!」


堂島最高警備顧問も、深く一礼して目頭を押さえた。

「篠原CEO、古賀副社長、大石専務。……お三方の命をお守りできたこと、そして誰も死なさずに悪を根絶できたこと、警護官としてこれ以上の誇りはありません」


篠原賢人CEOも穏やかに微笑み、温かいジャスミン茶のグラスを掲げた。

「堂島さん、大石、古賀。我々が守り抜いたのは、自分たちの命だけではない。世界中の人々が安心して明日を信じられる『平和のレール』だよ」


大石専務が手元のタブレットを滑らかに操作し、ポーカーフェイスのまま数字を提示した。


「……篠原CEO、古賀副社長。今回の『反撃・治安防衛オペレーション』」


大石の口元に、極めて晴れやかで温かい財務の笑みが浮かぶ。


「敵対ファンドの解体に伴う市場正常化益、国際機関からの治安システム運用受託益、ならびにNGSのグローバル警備・防犯ライセンスの爆発的拡大を含め、向こう十年間で我がグループにもたらされる当期純利益は『九兆二千億円』を記録する見込みです。作戦費用一千五百億円は、即日で全額回収完了です」


「ガハハハ!」古賀副社長が豪快に大石の背中を叩いた。「見たか篠原! 命を狙ってきた連中を無傷で返り討ちにして、世界を平和にして、美味しい寿司を食って、なおかつ9兆2000億円の儲けだ! 大石の財務とNGSの鉄壁の盾に敵う奴はこの地球上に一人もいねえな!」


「はい。今回はグループ要人の絶対安全確保、地球規模の犯罪インフラ完全消滅、そして不滅のストック利益を完璧に両立させた、歴史上最高峰のオペレーションです」


深夜の六日町メガロポリス。


本社タワーの屋上展望デッキに、篠原賢人、古賀副社長、大石専務、そして堂島最高警備顧問の四人が佇んでいた。


初秋の澄み切った爽やかな夜風が、四人の髪を優しく撫でていく。


眼下に広がる街並みを見下ろすと、六日町の街は平和な光の海に包まれ、遠くの幹線鉄道からは、AI特急『新・なんたか』が、澄み渡る誇り高き長笛を夜空へ響かせながら、平和な大地をどこまでも滑らかに駆け抜けていく姿が見えた。


空を見上げると、八海山の稜線の上に、満天の星々と銀河が神々しいまでに輝いていた。


古賀副社長が、感無量といった面持ちで夜空を見上げた。


「なあ篠原。どんなに汚い悪党が闇から狙ってこようと、俺たちが正しいレールを敷き続ける限り、絶対に脱線しねえんだな」


大石専務も静かに頷いた。

「はい。暴力や不正はいずれ自壊いたします。誠実な労働と知恵、そして人を想う心こそが、永遠に崩れぬ最強の防壁です」


堂島最高顧問も穏やかに微笑んだ。

「私はこれからも、お三方が敷く未来のレールを、命を懸けて守り続けます」


篠原賢人は温かいジャスミン茶を一口含み、三人の肩に優しく手を置いた。


「堂島さん、大石、古賀。我々が敷いてきたレールは、決して悪意や闇に遮られることはない」

篠原の静かな言葉に、全員が深く耳を傾ける。


「恐れず、怯まず、正義を貫き、すべての人々の命と笑顔を未来へ運ぶ『不滅の希望のレール』だ。世界がどれほど揺らごうと、我々が現場への愛と誠実さを失わない限り、南越急行グループの走らせるレールは、世界中へ、そして宇宙の果てへ向かって、どこまでも、どこまでも光り輝きながら伸び続けていく」


渡辺前社長が遺した不滅の言葉——「会社は人より長く生き続けるべきもの。稼いだ金は未来を信じる魂だ」。


大沼の澄み切った夜空に、新しい時代の完全なる平和を告げる汽笛の音が、どこまでも温かく、力強く響き渡っていった。

全人類の命と平和、そして不滅の尊厳を足元から完璧に支えながら、南越急行ホールディングスの走らせる無限のレールは、地上を、地底を、海を、空を、そして宇宙の彼方へと、どこまでも、どこまでも力強く伸ばされ続けていくのだった。

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