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第48話:島を綺麗にしすぎたら、絶滅したはずの精霊が大量発生して屋敷がパニックになった件

天界の床の滑り止め工事から戻り、ようやく一息つけるかと思ったサンソル島の朝。

 俺が屋敷の窓を開けると、そこには見たこともない光景が広がっていた。


「……ゼ、ゼクス様。庭に……透き通るような羽を持つ小人が、数千人単位で飛んでいますわ……」


エルナが震える指で指した先には、キラキラと輝く小さな人影――『大気の精霊・エアリアル』たちが、まるでお祭り騒ぎのように舞い踊っていた。


「主よ、それだけではない。あっちの噴水を見てみろ。水が喋っておるぞ」


守護龍シルヴァニールの言う通り、庭の噴水には『純水の精霊・ウンディーネ』がこれでもかと詰め込まれ、「……あぁ、この水、塩素がなくて最高だわ……」「ゼクス様のワックス、お肌に馴染む……」と女子会を開いている。


「これ、全部精霊ですよね? 確か、環境汚染のせいで数百年前に絶滅したんじゃ……」


「……原因は明らかよ、ゼクス。貴公がこの島を『天界より清潔』にしてしまったから、世界中の精霊たちが『ここなら住める!』って移住してきたのよ」


アルテミス様が呆れたように、自分の肩に勝手に止まって羽繕いをしている『火の精霊・サラマンダー』を眺める。


「……でも、この子たち、お掃除の邪魔なんです。……どいて、今から掃き掃除するから」


リリスが箒を振るうが、精霊たちは「わーい! ゼクス様の箒に触った!」とはしゃぎ回り、全く作業が進まない。それどころか、精霊たちが通った後には『聖なる鱗粉』が撒き散らされ、家の中が掃除しても掃除してもキラキラしてしまう。


「……ダメだ。これじゃ、お掃除が終わらない……!」


俺が頭を抱えていると、精霊たちの長らしき、一際大きな精霊が俺の鼻の頭に降り立った。


『お掃除の神様、ゼクス様! 私たちを滅亡から救ってくれてありがとう! お礼に、私たちがこの屋敷の「全自動・精霊清掃システム」になります!』


「……え、掃除してくれるんですか?」


その直後。精霊たちが一斉に歌い出すと、床の埃は風の精霊が運び去り、窓の汚れは水の精霊が洗い流し、お風呂の湯沸かしは火の精霊が担当し始めた。


「……あら。私たちが何もしなくても、屋敷が勝手に磨き上がっていくわ……」

「……お掃除公爵の家が、ついに『自律型・精霊ハウス』に進化したんですのね……」


ヒロインたちが感心する中、俺は嬉しい反面、少しだけ寂しくなった。

 自分の手で掃除する場所がなくなってしまう……それは掃除屋にとって、ある意味最大の危機かもしれない。


「……よし、みんな! 精霊たちが家を掃除してくれるなら、俺たちは『海を丸ごと洗濯』しにいきましょう!」


「「「「……まだやるの(ですわ)!?」」」」


ゼクスの「お掃除への情熱」は、精霊の加護を得て、さらなる次元へと突入していくのだった。

お読みいただきありがとうございます!

精霊すらも移住してくる「究極の清浄地」となったサンソル島。

家事が自動化されたことで、ヒロインたちとの「遊ぶ時間」が増えるかと思いきや、ゼクスの視線はすでに「地球規模の汚れ」へと向けられていました(笑)。

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