第41話:島民から『幻の巨大海老』を振る舞われたが、その殻を砕いて最強の研磨剤を作った件
巨大海藻を掃除し、エメラルドグリーンの輝きを取り戻したサンソル島の浜辺。
夜になると、島民たちは俺たちのために盛大な感謝の宴を開いてくれた。
「ゼクス様、これは我が島の至宝、『太陽の黄金海老』です! 百年に一度しか獲れない幻の味、存分に召し上がれ!」
差し出されたのは、優に一メートルは超える巨大な海老のボイル。殻は宝石のように赤く輝き、身からは芳醇な磯の香りが漂っている。
「……んっ! プリプリを通り越して、口の中で弾けるような弾力……。甘みが強くて、最高に美味しいです!」
「……本当。こんなに美味しい海老、王宮でも食べたことがないわ」
「……お酒が進みますわね。ゼクス様、もっと剥いて差し上げますわ」
アルテミス様やエルナたちと絶品グルメに舌鼓を打っていた俺だったが……ふと、床に積み上げられた『海老の殻』に目が留まった。
「……ん? この殻、……異常に硬いな。それに、この微細な結晶構造は……」
俺は食べかけの海老を置き、殻を一枚手に取って『神眼鑑定』を発動した。
「……やっぱりだ! この殻に含まれる『ソーラ・キチン質』、ダイヤモンドを凌ぐ硬度がありながら、表面に一切の傷をつけずに汚れだけを削ぎ落とす、理想的な『研磨粒子』の性質を持っている!」
「……ゼクス? 嫌な予感がするわ。貴公、今すごく『職人の目』になっているわよ」
アルテミス様の制止も聞かず、俺は島民から山盛りの殻を譲り受けると、その場で『神域の高速粉砕機』を取り出した。
――ガガガガッ! シュォォォォォン!!
「よし、できた! 海老の殻ベースの特製コンパウンド、名付けて『シュリンプ・ブライト・ハイパー』!」
俺は試しに、長年の潮風で錆びついていた島の鐘を、その研磨剤をつけた布でひと拭きしてみた。すると……。
「……ま、眩しいっ!? 鐘が……鏡のように光り輝いて、夜空の星を反射している!?」
島民たちが驚愕して腰を抜かす。
ただの錆びた鐘が、ゼクスの研磨剤によって「伝説の秘宝」のような神々しい光沢を取り戻したのだ。
「これがあれば、魔王さんの角も、守護龍さんの鱗の曇りも、一瞬で新品同様に磨き上げられますよ!」
「……ゼクス。貴公は本当に、贅沢な御馳走を食べている時ですら、掃除のことを考えているのね……」
呆れるアルテミス様だったが、俺にピカピカに磨き上げられた自分の聖剣を見て、「……まあ、これだけ綺麗になるなら、いいかしら」と満足そうに微笑んだ。
こうして、サンソル島の宴は、島中の金属製品を俺が磨き倒すという「深夜の突発お掃除大会」へと変貌していったのだった。
お読みいただきありがとうございます!
美味しい海老を食べて終わらないのがゼクスですね(笑)。
新しく開発した『シュリンプ・ブライト』によって、次なる「磨くべき強敵」が現れる予感……!
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