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第25話:魔都を浄化したら魔族たちに囲まれたが、豪華ホテルでヒロインたちが独占欲を爆発させた件

魔都パンデモニウムが、俺のミスト一つで「地上最高の癒やしスポット」に変貌した直後。

 街中の魔族たちが、武器を捨てて俺の馬車の周りに集まってきた。


「ゼクス様! この空気、一生吸っていたいです! どうか俺たちの街の『終身名誉・空気清浄総督』になってください!」

「いや、ゼクス様はこの街の王だ! サタン様、今日からゼクス様を新魔王にしましょう!」


「おい、勝手に余を退位させるな! ……まあ、気持ちは分かるがな」


魔王が苦笑いする中、詰め寄る群衆から俺を救い出したのは、三人のヒロインたちだった。


「下がれ、魔族共! ゼクスは我が王国の……いや、私の専属騎士よ! 気安く触れるんじゃないわ!」

「そうですわ! ゼクス様の『聖なる香気』を独占して良いのは、私たちだけです!」

「……みんな、どいて。ゼクス様は、今夜は私と『角磨き』の続きをする約束なの……」


アルテミス様、エルナ、リリスが鋭い視線で魔族たちを牽制する。

 あまりの迫力に道が開け、俺たちは魔都で一番豪華な迎賓館『冥府の休息亭(現在はゼクスのミストで「極楽の休息亭」に改名)』へと逃げ込んだ。


その夜。最高級のスイートルームで、魔王が用意させた豪華な食事が並ぶ。


「いやぁ、ゼクス殿。貴公のおかげで、我が国の離職率がゼロになりそうだ。礼として、今夜はこのホテルを貸し切りにしたぞ」


「ありがとうございます。……でも、皆さんの視線がさっきから痛いんですけど」


テーブルを囲むヒロイン三人は、食事もそこそこに、俺の両隣と正面をガッチリとキープしていた。

 さらに、魔界の高級酒(ゼクスが浄化して『最高級のノンアルコール・スパークリング』に変化したもの)が入ったことで、彼女たちの独占欲に火がついてしまったらしい。


「ゼクス、あーんしなさい。……王女の私が、直々に食べさせてあげるわ。……ほら、恥ずかしがらずに」

「いいえ、ゼクス様の健康管理は聖女の私が! ……はい、この『魔界アスパラの神域マヨネーズ和え』をどうぞ。……あ、お口の横にソースが。ペロッとしてあげましょうか?」

「……ゼクス様。……お酒のせいで、体が熱いの。……ちょっと、角を触って冷やして……?」


右からスプーンが伸び、左から指先が伸び、下からはリリスの尻尾が俺の足首に絡みつく。


「あ、あの、魔王さん……助けてください」


「カカカ! 余は娘の幸せを願う親バカだからな。……ゼクス殿、観念して三人の愛に溺れるが良い!」


魔王は「これが平和か……」と涙を流しながら一人でジャムパンを食べている。

 魔界の夜は長い。

 俺は、外の瘴気をお掃除するよりも、この部屋の「熱すぎる愛」をどうにかする方が、よっぽど難易度が高いことに気づくのだった。

お読みいただきありがとうございます!

ヒロインたちの独占欲が止まらない、賑やかな魔都の夜でした。

次回、いよいよ魔界の最深部――『世界の汚れ』の根源へと迫ります!

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