第21話:魔界の大掃除に行く前に、伝説の『神域キャンピングカー』を作った件
魔王サタンと和解(というかジャムで餌付け)し、俺たちは魔界の深淵にある『汚染の根源』をお掃除することになった。
だが、魔界への道は険しく、瘴気も濃い。
「ゼクス殿、魔界の奥地は歩くだけで魂が削れる場所だ。余の城ですら、最深部の汚染には耐えられん……」
魔王がパンの耳を齧りながら、深刻そうな顔で相談してくる。
すると、アルテミス様とエルナ、リリスが俺の周りに集まってきた。
「ゼクス、遠征には快適な拠点が必要よ。……もちろん、私たちが一緒に寝泊まりできるような、ね?」
「ええ、聖域のような清浄さと、……できれば広いお風呂も欲しいですわ」
「……ゼクス様、私はあなたの側ならどこでもいいけれど。……ふかふかのベッドは譲れないわ」
三人の視線に押され、俺は腰を上げた。
「分かりました。……じゃあ、王宮に余っていた『古代の大型馬車』をベースに、少し改造してみましょう」
俺が取り出したのは、庭のジャングルで収穫した『世界樹の硬化木材』と、魔王が差し出してきた『魔界の超合金』。
これらを『全自動錬成』で融合させ、仕上げに『神域の消臭・抗菌ワックス』を塗り込む。
――数時間後。
そこには、馬車という概念を置き去りにした、白銀に輝く**『神域の移動要塞(キャンピングカー型)』**が完成していた。
【名称:世界樹の揺り籠号】
外装: 魔王の攻撃すら無効化する『絶対障壁・光沢仕上げ』。
内装: * 拡張空間魔法により、外見の10倍の広さ(リビング、キッチン完備)。
『三美神の寝室』: 王女、聖女、姫が快適に過ごせるキングサイズベッド。
『神域の大浴場』: 24時間、ゼクス特製の薬湯が湧き出る露天風呂付き。
動力: 走るだけで周囲の瘴気を浄化し、燃料に変える『エコ浄化エンジン』。
「……な、なんだこのデタラメな乗り物は!? 余の玉座より豪華ではないか!」
魔王が目を剥いて驚く中、ヒロインたちはさっそく車内へ駆け込んでいった。
「見て、エルナ! キッチンにゼクス特製のジャムが常備されているわ!」
「まあ! お風呂のシャンプーも、ゼクス様の調合した『髪が天使の輪になる石鹸』ですわね!」
「……ゼクス様。……このベッド、四人で寝るには十分な広さだわ。……合格」
リリスが尻尾を振って俺を手招きする。
魔王が「……おい、俺の席はあるのか?」と寂しそうに尋ねてきたので、屋根の上に『魔王専用・見晴らし特等席』を作ってあげた。
「よし、準備は整いましたね。……それじゃあ、魔界の大掃除に出発しましょう!」
俺が御者台に座ると、馬車は一歩踏み出すごとに周囲の地面を花畑に変えながら、軽快に魔界へと走り出した。
後ろでは、ヒロインたちが早くも「今夜のゼクスの隣」を巡って、快適な車内でキャットファイトを始めている。
……魔界の深淵に潜む悪も、まさか自分たちの元へ「お風呂付きの豪華キャンピングカー」が向かってきているとは、夢にも思わないだろう。
お読みいただきありがとうございます!
ついに最強の移動拠点が完成しました。
次回からは、この馬車で魔界を爆走し、行く先々で魔族を浄化(餌付け)していく新章が始まります!
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