第12話:自分のステータスを改めて確認したら、世界樹の加護が『完熟』してカンストしていた件
王女と聖女がジャムの取り合いで騒がしい中、俺は自室で静かに自分の手を見つめていた。
(……そういえば、俺の家系は代々、辺境で『枯れ木の見守り役』を押し付けられてきた一族だったな)
「不遇職の家系」と蔑まれ、貴族たちからは見放されていた。だが、父さんは死に際にこう言っていた。
『ゼクス、木の声を聞け。草の呼吸に合わせろ。俺たちの仕事は、世界を癒やすことなんだ』と。
あの時、俺が勇者パーティを追い出されて絶望の中で掴んだ『雑草』。
あれは、俺の一族が何代にもわたって守り、魔力を注ぎ続けてきた「世界樹の苗」が、俺の危機に呼応して進化したものだったのかもしれない。
「……よし、今の俺がどれくらいやれるのか、久しぶりに確認してみるか」
俺は精神を集中し、自分だけにしか見えないシステムを起動した。
かつて勇者パーティにいた頃は、見るのも嫌だった貧相な数値。それが今では――。
【ステータス確認】
名前: ゼクス
職業: 神域の調香師(旧:不遇職・調香師)
レベル: 測定不能(世界樹の加護により上限突破)
【固有スキル】
神眼鑑定(極): 万物の真理と隠れた価値を完全に見抜く。
世界樹の加護(完熟): 周囲の植物を瞬時に神の素材へと進化させる。
全自動錬成(無意識): 混ぜるだけで、神話級の薬を生成する。
【現在の保有称号】
『追放された最強』: 理不尽な扱いを受けるほど能力が上昇する。
『王女の恩人』: 国の全施設を自由に使用可能。
『聖女の救済者』: 神聖魔法への完全耐性と、祈りによる魔力回復。
【制作済みアイテム(一部)】
万能浄化液: ただの虫除け(実は死者蘇生寸前の治癒薬)。
神域のジャム: 庭の雑草(実は不老長寿の霊薬)。
除菌スプレー: 掃除用(実は魔王軍幹部を消滅させる神聖兵器)。
「……なんだこれ。攻撃力が『ERROR』になってる。……あ、そうか。俺の調合ナイフ、この前ミスリルを削るのに使ったからかな?」
かつては「無能」と笑われたスキルたちが、今や世界を書き換えるほどの「神の権能」へと昇華している。
勇者カイルたちは言っていた。「お前の代わりなんていくらでもいる」と。
「……ふふ、俺の代わり、今から探しても見つからないだろうな」
自嘲気味に笑いながら、俺は窓の外を見た。
王都の空は青く澄んでいるが、その遥か先、魔王領から巨大な「黒い影」がこちらに向かってくるのが見えた。
どうやら、お掃除の時間(無双)は、まだ終わらないらしい。
お読みいただきありがとうございます!
ゼクスの驚愕のステータス、いかがでしたでしょうか?
不遇だった過去が、今の強さに繋がっている……という設定を少し出してみました。
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