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銀狼の姫(2)

盗賊との戦いは傷一つ負わず無双状態だ。何せ高レベル帯の奴らは後ろに待機して指示だししてるだけだし、グリンにいたってはニヤニヤとこちらを見ているだけ。


肝心のルーラは感心する様子でこちらを見ている。出来れば参戦をしてほしい気持ちもあるが不用意に動いて人質にされても厄介だ。それに高レベルだが、薄布一枚で防御力が無いような格好をしているので怪我をされても困る。


「良いぞ良いぞ!面白いぞお前!もっと殺って見せろ!!行けお前ら!!」


第2ラウンドの開始。今度は高レベル帯の奴らも混ざってる。てか顔がかなり必死だ。顔を青ざめてる奴もいる。俺との実力差を理解してるようだ。


こんなに必死になるほど日頃の扱いが酷いのか?怖ければ逃げれば良い。だけどグリンとのレベル差を考えれば無理か。

40レベル代と20レベル代ではどう考えてもステータスに開きが大きい。ステータスだけじゃ何も言えないが余程技術が無い相手じゃなきゃステータス差を覆すのは難しい。


剣撃を数回受け流して敵を斬り伏せる。命を奪ってる訳では無いのでレベルの上がりがいまいちな感じだが、レベルが上がりさらに余裕を持てる。


「「■■■■■■■■■【風の刃】」」


後方から風の刃が放たれる。


こんな密集した所に魔法を放つなんて何を考えてやがる。数発味方に当たるも俺まで緑の刃が飛んで来るが、【魔断】スキルを刀に乗せて風の刃を斬り砕く。超便利だ。


【風魔法:Lv1】【風魔法耐性:Lv1】を習得する。スキルは直ぐにONにする。


「おぉやるなぁあんなに綺麗に魔法を切るたぁ【魔断】スキルを使えるのか?見た目によらないな。魔法は意味無い!全員でかかれ!!」


ちっ。狭いんだよ。

全員でかかってきたため動ける場所が無くなってくる。


こうなりゃ上だ。


太い木に向かって跳躍し、木を蹴って密集した場所から離れる。その際槍で突いて来るが、届きそうな刃だけ切り落とした。


【立体駆動:Lv1】【空間把握:Lv1】スキルを習得したので直ぐにONにする。


動きながらメニュー操作も慣れたものだ。初めは転けたり躓いたりしたが、今なら雑魚と戦いながらでも余裕だ。


自分でも信じられないが木々を足場に飛び跳ね、通り過ぎる際に敵を斬り倒す。まるで曲芸だな。

自分でやっておいてなんだが人間離れしてきた。


対峙している敵は後3人。全員が20レベル超えだ。


ルーラの側にも盗賊が4人着いているが呆然とこっちを見てる。そんなに驚く事をした自覚はないが、どうやらこっちの世界でも人間離れしてきたのかな?


「お前ら下がってろ後は俺が殺る」


お、真打ちグリン・ディーム登場だ。赤い鎧に狂気を纏い、両手に戦斧を持っている。人の首なら一振りで切り落とせそうだ。あぁ怖い。


スキル効果でステータスが上昇してるが、今の戦いで俺もまたレベルが上がった。レベルは43。5レベル上がった。だいぶレベルが上がりにくくなったのを感じる。やっぱゲームと一緒でレベルが上がれば上がるほど経験値が必要なようだ。


とりあえず当面の目標はターク・エスバトスの本気と殺り合えるだけの力を着けることだな。あれだけ強けりゃ余程のことが無い限りたぶん安全だろう。

でもドラゴンとか居たら勝てるのだろうか?てかなんレベルなんだろう。高レベルだと見るだけでも危険そうだ。

どうせならドラゴンライダーとかやってみたい。きっと楽しい。


おっと脱線してるうちにグリンが接近している。


「ずいぶん余裕だな小僧!」


斧を受け流す。かなりの力だ。子分達とは雲泥の差だがステータス値は俺がかなり上。驚異にすら感じない。それにコイツ技術がない。これじゃグリンがステータスで上をいっていても余裕だ。

恐らくこれまでスキルとステータスでここまできたのだろう。技術の拙さを感じる。悪い訳では無いが、力任せ過ぎる。せっかくのステータスも台無し。


グリンの両手の戦斧を軽くいなし続ける。ターク・エスバトスと比べたら悪いが、殺気があるだけで児戯同然だ。


【見切り:Lv1】を習得しました。


スキルをONにすると自然とどう斧が振られるかがなんとなくわかる。まるで漫画の不思議眼力だな。それに元々の俺の見切り能力と合わさってグリン程度なら手に取るように動きがわかる。


このスキルはタークとやった時に欲しかった。そうすれば奥義の負担も減っただろうし、効果が上がったろう。このスキルも早めにレベルが上がってほしいものだ。


「おらおらおらおらおらぁぁぁ!!!」


きた!おらおら攻撃!


周りが見えてもいないのか乱雑に戦斧が振るわれ、木々を斬り倒していく。


自然破壊はお止めください。


「お、お頭の戦斧無法乱撃を躱してやがるぞ」


子分の驚きの声が聞こえる。まさかの乱雑な戦斧の振りは技だったか。


確かにステータス差があればこれは見切れないだろうし、かなりの驚異。先読みが得意な奴でもここまで適当だと先読みも難しくさせるか。考えれば技として見れなくもない。


だが、それはステータス差と技術差が大きい場合だ。


俺相手には愚の骨頂。無策も良いとこだ。


【見切り】スキルのレベルが2へ上がる。さらに動きがわかる。


このまま【見切り】スキルのレベル上げを手伝ってもらうのも手か。


ん?【魔力感知】がグリンの魔力の動きを感知する。


「風刃十字斬りぃぃ!!!」


戦斧の十文字斬りと同時に風魔法【風の刃】を同時に発動させたのか十文字に合わさった風の刃が飛んで来る。

まさかの詠唱無しでの魔法の発動。これには驚きだ。

だが、無詠唱で魔法を同時に2つ発動出来る技術があるなら技名をつけない方が効果的だろうと思うんだが、まぁいいか。


魔法の主な発動方法は詠唱発動、魔法陣発動、唱陣発動の3つ。

そして高等技術である無詠唱発動だ。

下位魔法は無詠唱スキル無しでも発動出来る者も多いって話だ。


速度の早い風の刃の十文字斬りは速度を加速させ、威力が上がる。


【魔断】スキルを使い、刀を振るい、魔力感知で密度が高い箇所を重点的に狙い斬る。


だが、斬りきれず【風の刃】が砕け、少し肌を傷つけられる。


【風魔法耐性:Lv2】のレベルが上がり、【自己治癒能力強化:Lv1】を習得した。直ぐにスキルをONにする。


【自己治癒能力強化】スキルか良いものを手に入れた。早めにスキルレベルを上げたいが、今までのスキルレベルの上がりかたを見ると、そのスキルについての修練を積まないとレベルが上がらない。このスキルレベルを上げるには恐らく傷を作らなきゃならないが、自傷行為はしたくないので戦闘あるのみか。レベルが上がったせいで、傷付くこともあまり無さそうなので傷を作るのも一苦労だ。


「【風の刃】!!!」


なんと驚き、【風の刃】の連続発動だ。詠唱もしないで魔法名だけで発動してくる。斧から飛んで来る風の刃は先程より切れ味が良い。無詠唱じゃない分威力も高めだ。

狙いも正確で全部着弾コースだ。見掛けによらず器用な奴だ。


【風の刃】を全て刀で斬り砕く。だが、無詠唱より魔法の密度が濃いせいか砕いた破片で肌が傷付く。

お陰で鎧以外が傷だらけ。致命傷は一つもない。【自己治癒能力強化】がレベル2に上がったお陰で小さい傷は直ぐに血が止まるし、皮膚が切れたくらいなら直ぐに塞がる。

我ながら化け物感が増したな。


「この化け物がぁぁ!!」


グリンが激昂しながら突っ込んでくる。もう動きがバレバレだ。悪手も良いとこだ。


両手の戦斧を躱して剣先を鎧の隙間に滑り込ませ斬って行く。


だいぶ人を斬ることに慣れた気がする。良いんだか、悪いんだかわからないが、この世界じゃ命が軽い。命を絶てなきゃ生きていけない。


最後の太刀をグリンの首の動脈に滑り込ませる。勢い余って首半分斬ってしまった。

どうやら斬った子分達の中に死んだ者が出てきた様で大量の経験値がきたせいでレベルアップしたようだ。その後遺症でステータスを制御出来ずに切り裂いてしまった。


血を勢いよく吹き出しながらグリンは絶命した。


「まだ殺るか?逃げるなら追わないぞ?」


ルーラを囲っていた子分達が逃げ出す。とりあえずマップで戻ってこないかだけ確かめておこう。


「助けてくれて感謝するぞ」


「いや仕事だから気にするな」


刀の血糊を拭き取り鞘に戻す。


「頼みがあるのだが私を買わないか?」


「は?」


突拍子もない問いについアホ面をさらしてしまった。何を言ってるのかなこの人は?

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