テイル伯爵VSパパン(勇者)
「あらあらあら、綺麗ね。クリスマスが頭から離れなかったのかしら。」
「まあ、赤と緑だからな。おいゴウ、その花綺麗だけどここは訓練場だぞ。更地にしておけ。」
「あいあいさー」と兄が植物をなくし土魔法で地面を一気に押し固める。
伯爵が騎士団一同を集め手合わせの事を伝えた。
話しを聞いた一同が、なぜか遠い目をしたことに伯爵は苦笑いをして一言「あきらめろ」といっている。何があったのだろう。
今回は不可視の結界を訓練所を覆う様に掛けて変装していない姿を観られないようにしていた。
家族みんな変装を解き動きやすい恰好へ変ッッ身!!
「え~集まって頂いきありごとうございます。今回は手合わせという事で、嫁がケガをてい全てカバーしてくれるのでご安心を。ハイヒールはこの子たちも使えるようになったので、うちの子も使ってください。では本日はよろしくおねがいします。」
「自らご挨拶ありがとうございます。
奥様の治癒を受けられるとは安心して手合わせができますな。...では始め、私から手合わせしてもらっても?」
「伯爵からですか。わかりました。」
「...ノウキnフグッ」「セイちゃん」母に口を塞がれた。
今回の手合わせは剣での戦いだという。魔法の行使は身体強化のみだという。父の戦闘は私も始めて見る。楽しみだ。
「では...始め!」
キィィィィィィィィィン
両者一気に詰め寄った。剣の刃と刃がぶつかる。
父は後ろにバックステップで飛び距離を取った。
そして、剣を振りかざし...ブンッっと一振り。
ゾクゾクゾク!!!
本能で危険だわかる。避けなければ死ぬ、と。
伯爵は身体魔法で軌道から離れる。が間に合わないようで、剣で受け止めた。
ギィィィィン
よく見ると伯爵の剣が赤黒く光っている。
何故か両者口角が上がり楽しそうだ。
父も対抗してアイテムボックスから違う剣を取り出した。途端に、騎士達がおお!と驚いている。もちろんテイル兄弟達もだ。
「え?なにあれ。みんな知ってるの?」と兄
「色んな魔力を感じるね。鈍いというか重厚感のある魔力を感じる。」と私
「あら、2人共あれは勇者代々が引き継ぐ剣よ。聖剣って呼ばれているけど...セイちゃんも分かるのね。ま、このことは今度話すわ。」と母
「ふーん?まあ聖剣は知られていて当然か。俺からしたら、なかなか達の悪い剣としか感じられないな」「私も」
「なに、お前らあの剣知らなかったのか!?」
とバーレッド。なんでも、勇者が描かれている絵本、書物に必ず載っている程の代物だという。そしてそれを扱えるのは、勇者の血を引く者だけだという。私も使えるんだろうけど...あんまりかっこよくないからな。趣味じゃない。どうやら兄も同じようで、形変形できないのかな、とつぶやいている。なぜなら、剣に魔石がジャラジャラついているからだ。
ああいうのは一点集中がかっこいいのにな。
そんな中父と伯爵は剣を交わしている。
伯爵の剣の魔力がどんどん聖剣に吸われている。
…動きが速い。
しかし伯爵って何者?そこらの冒険者を凌駕する強さじゃないか。
彼も父も地面を蹴るたび爆音、爆風が起きる。そして両者荒々しい動きだ。伯爵も獣っぽい動きをしている。
しばらくして
「降参だ。私の魔力が無くなってしまう。」
「了解です。いい剣を持っていますね。して、あなた本当は領主より冒険者のが向いてるのでは?荒々しい動き。騎士団出身ではないでしょう。自己流ですか?」
「ふははは!そこまで見抜きますか!そうですそうです、この領を治めることになる10年前、終戦までは冒険者をやっていました。いや~楽しかったです。なにかアドバイスはありますかな?一応私がこの領の戦力ではトップなんですよ。まだまだ息子たちには負けたくなくてね。」
「剣術はこのままでいいと思いますが、もっと広範囲の技が出来るように...」と父は丁寧に答えている。両者楽しそうだ。しかし父よ、底知れないな。汗かいてないじゃん。
騎士一同、伯爵のすごさを改めて実感したのかキラキラした目で見ている。バーレッドも自分の親がこんなに強かったことを知らなかったのだろう。
「勇者様もすごすぎたけど父上!なんでこんな強かったんですか!俺、知らなかったですよ!」と怒っているが、どこかうれしそうだ。伯爵もまんざらではなさそうだ。
一方、私と兄は「その剣かっこわるい」と父に苦言。父は「え?かっこよかったよパパ!っていうシーンじゃないの?」とうちの子が酷い!辛辣!と叫んでいる。
その後も父はバーレッド兄弟と手合わせし、そのあと副団長とも手合わせを行っていた。
そしてその後、私たちとの訓練をぜひ見せてくれという話しになったので、兄は父と、私は母と訓練を行った。兄は雷魔法の練習という名の死闘(主に兄が死にそうになっている)、
私は母と恐怖の戦い(母ゴーレム再び参上)を披露した。
「くそぉぉぉぉぉぉ」と血だらけの兄
「ぎゃあああああ来ないで~」と涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになりながら戦う私
「「「「「...」」」」」
「これ、誰かマネできるやついる?」
「「「「...」」」」テイル伯爵含め一同、桁外れ、常識外れすぎる勇者一家に遠い目をしてしまった。
その後は、ようやく晩餐だ。そう、晩餐なのだ。時刻は16時。手合わせが白熱してしまい、時間が掛かってしまった。くそう、お腹すきすぎた。朝もう少し食べていれば...
こうなったら沢山食べてやる!と兄も私も息巻いている。
食事の会場は騎士と伯爵一家と私たち、正体を知る者のみだが、今回を機会に伯爵の執事とメイド何人かには紹介をしたいとのこと。こちらとしてもありがたい。変装ばかりしているとなにか精神的に疲れる。
晩餐が始まった。
『セイちゃん!こっちお肉!』一番テンション高いのはモチだ。よだれをダラダラと垂らしている。私もお肉が食べたい。野菜は子供の舌であまり美味しいとは思えないため味が分かりやすいモノばかり求めてしまう。
今、目の前にはローストビーフならぬローストモーモー肉だ。
では実食...フンッ!口の中に入れた瞬間赤みの風味が広がる。なんといってもソースが上手い!なんだこれは!甘めにに付けられ優しい味わいだ。苦手な野菜で巻いても美味しそう。モチはソース無しでバクバク食べている。
会場を見渡してみると、父は伯爵と騎士団たちと特訓の方法などについて熱く語っている。
騎士団長は必死にメモをとっている。母は、伯爵の奥様と談笑?いやこちらをチラチラみては絵を描いて夫人に見せて2人で微笑みあっている。怪しい。伯爵夫人もその質なのだろうか。兄とバーレッドはとりあえず食べることに必死みたいだ。私と同じだ。
「そういえばお前たち、学園には通うのか?ゴウは今何歳だっけか?」
「俺は5才だぞ。」
「んげ、お前俺と同じ5才なのか。俺より強い5才なんてお前くらいだぞ。とんだライバルをもっちまったな。」
「おお、同い年か。嬉しいな。頼りにしてるぜ。んで、学園って?」
「たっ、頼りにしてる!!あっああ、学園は10才から通えるんだが、俺はこの国の学園ではなく魔法に精通している魔法大国ムーンの学園にいくんだ!」
「「おおお!」」
「それで俺は目標を定めて、あと5年間魔法も剣も勉強も頑張っていくんだ。お前らは何か目標はあるのか?」
「うーーん俺は考えてなかったな。強くなろうとしか。そうだな、学生もやってみたいな。冒険者にもなりたい。」
「私は学園があるなら行ってみたいな。勉強したい。」
話しを聞いた父母も加わってきた。
「おお。お前らも通う事になるだろうな。ムーン魔法大国学院...。俺と母さんの母校でもあるんだ。」「そうねぇ。でもそこに通うには正体をばらさないといけないのよねぇ。」
「うーーん考えること、準備する事は沢山あるが、通う事は問題ないぞ。お前ら常識ないから勉強しないとな。その点、バーレッド君がしっかり者だから安心できるが。」
「そそそそんな!しっかり者だなんて!こいつらがアレなだけですって!」
「「ヲイ」」とんでもなく遠慮がなくなってきたぞこいつ。
晩餐会ではいろいろな話をした。
最後、バーレットが話していた学園についても興味が有る。もし通う事になり正体がばれることになったら、もちろん狙われてしまうだろう。それまでに圧倒的な力を付けなければいけない。兄もどうやら同じ考えの様だ。
今夜は伯爵邸で泊まる事になった。
私と兄は明日一日中バーレッドと遊ぶ約束をした。父は伯爵と長男、次男へ訓練強化の指導をすると言う。今後、バーレッド領が呪いや黒龍に関わったとして情報を得ようと狙われる可能性が高く戦力を強めるためだという。
母は伯爵夫人と医療班への指導を行う予定らしい。医療面での強化も戦力になるためだ。
各自予定を決め明日に備えた。




