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魔法の本~全知の魔女~

「よう!今日もよろしくな!」バーレッド

「ああ、こちらこそよろしく。楽しみだ。」兄

「よろしくね!」私

『わふっ』モチは犬バージョンになってもらっている。喋る従魔はまずいないからね。


バーレッドと合流し本屋さんに向かう。


ここだ!と目の前に大きな大きな扉がただ広場のど真ん中に置かれているだけだった。


が、中から莫大な魔力を感じる。


「…おやおや。クックック...あんた達が伯爵が頼んできた人だね。安心して入りなここは犯罪歴とかを見るだけだ。」どこからか、いかにも魔女っぽい話し方をする声が聞こえ、その後すぐに扉が開いた。


「「…ふぁ!ファンタジー!!!」」突然の魔女の登場によって私たちの興奮度が一気に上がった


「…これが!魔女の本屋さん!」バーレッドも興奮気味だ。



ギィぃぃぃ


一歩踏み込むと…

棚、棚、棚、本、本、本。下から上まで本棚で埋め尽くされた巨大なドーム型の建物の中にいる様だ。転移魔法なのだろうか?そんな凄いお店…


そんなことを考えているとスイーッと目の前に水晶が浮かんできた。


「いらっしゃい、子供達。」水晶から声が発せられた。


「「おお、ファンタジー…」」


「なんだ、お前さん達…んまぁ今日は特別だよ。なんたってあいつらの子供だからね。変装は解いておきな。お前さんは伯爵のところの坊やだね、難儀だねぇこんな子達と仲良くなっちゃって…。」


「は、はい!お会いできて光栄です!全知の魔女様!」

水晶の向こう側には魔女がいるらしい...


「「全知??」」


「よろしく頼むよ坊や。お前さんらは私のことも知らないのかい…まぁ、そうだね。あの2人にそう言うことは望んじゃいけないやね。常識なんて無いんだから…まあいい、着いてきな。」


私と兄は変装を解く。

魔女さんは両親と面識があるようだ。いや、かなり親しい仲なのだろうか。


「おや、本当に親そっくりじゃないか。こりゃ過保護になるねぇ。」


『ぼくは?僕は入って良いの?』


「お前さんは…喋る子犬???...って!聖獣様じゃないかい!!!何でまぁペットみたいになっちゃって…めちゃくちゃだよまったく。聖獣様は特別だよ、入っておいで…はぁ」


『ゴウくん!あそこのソファーで寝てくるね!』と寝てしまった。


「じゃあまずは2人共この台座に魔力を流してごらん。お嬢ちゃんは見学だ、好きな本取ってみていていいよ。」

台座はこ大きな円状の形をしている。そして8つほど等間隔に水晶が置かれている。それが何台も建物内に設置してある。

しかし...

「セイだよ!ねぇねぇ魔女さん!私、魔法使えちゃうよ?」


しばらく魔女(水晶)はフリーズしてしまった


「...ハッ!なんだってっっ?!だから貸し切りなのかい!こ、こりゃ教会に知られたらまずいからねぇ。なんだい神託で魔法を使えるんじゃなかったのかい...。」

「俺も行ってないぞ。5才だけどな。」


「...おれは何も聞いてない。オレハナニモキイテナイ」バーレッドは耳を塞いで知らんぷりをするようだ。知らぬが仏だ。やはり母のいう通り、表に出しては行けない内容だったらしい。


「ようやく今日貸し切りにした意味が分かってきたよ。私でも知ら無いことがあったなんてね。長生きもいいね。面白い、気に入った!じゃあセイ、お前も一緒に魔力をここに流しておくれ。はい、3人共はじめておくれ。」



「「「おう(うん)!!」」」


3人共水晶に魔力を流していく。

じわじわじわじわ...魔力が水晶に吸い込まれて行く。


水晶へつぎ込んだ魔力が ギィィィィィィィン と本棚を巡るように本屋さん全体を伝わっている。



しばらくすると、バサッバサッと本がそれぞれに1冊ずつ飛んできた。



「なにぼさっと眺めてる。受け取りな。それはここに始めて訪れた5才以上…魔力を扱える人が全員平等に貰える本だよ。」


なんでも昔賢者が、勇者の等しく平等に誰でも読み書きの勉強が出来る世界の話しを聞き感銘を受けて施したシステムなのだという。...ジャパンを感じるよ。やはり勇者は日本人、時代的には令和平成より前の人であるとは思うが、そう変わらない次代から召喚されたのだろうか...だんだんと興味がわいてきた。


飛んできた本には基本的に、無限に書き込める機能があり許可した人以外にはまず見られることは無いという。兄と私はエコだなぁと感心したがバーレッド曰く紙は値が張り平民は軽く購入できるものではないと話していた。このシステムが導入して 以降、世界の識字率が上がったという。もっともいまだ戦争などで本屋さん自体に来れない人もいるそうで、この本屋「通称:全治の魔女の本屋さん」の扉は神出鬼没かつ沢山各国に設置しているらしい。

ちなみに、この活動や資金は各国から出されているという。秘匿で勇者が沢山寄付していて助かっていると魔女がこそっと話していた。


そして本はそれぞれ特性があり、適応する魔力を持つ人に応じて飛んでくるという。


私の本は、淡い紫色だ。金と水色で刺繍が施されている。模様がなんだかよくわからないが。そして背表紙には金の魔石がついた。モチの額の魔石と似ている。ちなみに、本の外側は布地で頑丈なつくりをしている。一生使えるようにとかなり丁寧に作られているらしい。


兄のも同じく紫色だが深く黒みがかった色をしている。金と青色で刺繍されていてとても綺麗だ。兄の本には漆黒の魔石がついていた。魔女はその本を見て、はぁと溜息をついている。


バーレッドの本は深い赤色で、植物の絵で縁どられていてクリスマス仕様だった。背表紙にはルビーの様な魔石が小さくちりばめて装飾してある。


「私の本かっわいい!ドストライク!」そう、見た目が好みのドンピシャなのだ。可愛すぎる。

「俺のもいかすな。黒の魔石なんて始めて見たわ。」兄のは重厚感があり見た目もかっこいい。

「俺の兄貴達の本とほぼ同じだ!」バーレッドはお兄さん達と同じような本を手にして嬉しそうだ。


なんで全員魔石付きなんだか...と魔女様(水晶)がぼやいていた。


「なぁこの魔石って何なんだ?これ見て溜息ついてたよな」


「この魔石の意味はね___


どうやらこの魔石は本人の魔力を表し、性質も表すという。兄の黒の魔石は勇者の証であることを示し、ベースの紫色は全属性を扱えることを表すという。バーレッドの魔石は小さくちりばめてあったがそれはまだ魔力が成長していないからだという。私たちの魔石は大粒なものが1つついている。この魔石は魔力の量を表しているみたいだった。

指標としては大きな魔石1つは魔導士と呼ばれるレベルであるという。小さな魔石たちが1つになり大きな魔石になるという。


しかしそもそもこの年齢で魔石をつけていることが珍しいと言う。


「個人情報ダダ漏れじゃねえか。」


そんなに狙われる要素を持ってる子供は基本的に居ないから、普通は見られても大丈夫なんだと溜息混じりに言われた。そしてここからが魔女の仕事だと言う。なんでも私たちの様に力を持って生まれてくる子を守るために、魔女が本の特徴を隠す特殊な魔法をかけてくれるのだと言う。


「じゃあ行くよ」


とフワッと魔法がそれぞれの本に振りかけられた。私と兄の本の色は変装時の髪色と同じ茶色になった。魔石も刺繍は無くなり地味な見た目に。

バーレッドは魔石だけが消えていた。



「「…」」兄も私も元の見た目を気に入っていたのでとても残念だ。バーレッドも家族に自慢したかったのかとても残念そうにシュンとしてしまった。


「はぁ。仕方ないだろう。面倒ごとに巻き込まれたくなきゃそのままにして起きな。この魔法はね、あんた達が学生の高学年になった頃自動的に解ける様になっておるからね。それまでに力をつけておきな」


それよりも…


「何でこの本って主人を選ぶの?」そう、そもそもなんでそんな仕組みがあるのだろうか。

1人1人本の特性が、変わっているのだろうか。


「そりゃあお楽しみだよ。1ページ目、開いてみな」


1ページ目…開いてみると日本語?で何か書かれている。


【特典スキル】

・偽装

・変身

・鑑定 

・全言語読解


“私の主は秘密が多いの♡守ってあげる!”


【特典機能】

・転移扉

・錬金セット

・空飛ぶ絨毯


“私の主人は旅行が大好きなのよ!沢山旅しましょうね♡”


コメントが気になる。意思があるのか。しかし自分にピッタリじゃないか。


「なんか俺に必要そうなものだな…これはこの本を使えばできるようになる魔法なのか?」兄も同じような得点なのだろうか。


「3人はお互いの能力について話していい相手だと思っているかい?そうであれば見せあってみな。なかなか面白いからねぇ。」


「「「いいぞ(よ)」」」


兄はもちろんバーレッドも信じられる。

互いに目を合わせ、せーので見せあってみた。


「お前らのニホンゴじゃないか!俺はまだ読めないぞ!」

「「???」」」


「さすが勇者の一族さね。あんたらはバーレッドのが読めるだろう。私がニホンゴ訳すからそこまで気負わなくていいよ。こいつらがちょっとアレなだけなんだよ。」

「そ...そうだよな。で、でも!俺!もっと勉強する!」バーレッドは私たちの能力を妬みもせず励むと宣言してくれた。その態度に私と兄は


「「バーレッド!!友よ!!」」抱き着き更に友情を深めた。彼が妬みもなく、悔しさをばねにしている姿勢に感銘を受けた。尊いよバーレッド。


魔女が書き写したものを見てみた。


~バーレッド~


【特典スキル】

・消火

・咆哮

・ジェット飛翔


“俺の主は勇者の友達なんだ!人間やめないとついていけないからな!”


【特典機能】

・空間冷房

・ひんやりスライムベット


“主の記憶の中で一番気持ちいいと感じたベットを用意したぜ!身体を冷まさないといけないからな!”


バーレッド...人間やめるのか、咆哮なんてドラゴンじゃないか。ジェット飛翔ってなんだか滅茶苦茶かっこよさそうな...某アメコミ映画に出てくる鉄男じゃないか。

スライムのベッドについては、完全に私たちに毒されている気がする。


「こ...これは気持ちよかったんだ!お前らも寝てたじゃないか!しかもヒンヤリとしてて...」うんうん分かるよバーレッド。こちら側においでぇ。兄と私ニタニタしながらバーレッドを見ていた。


~ゴウ~


【特典スキル】

・偽装

・変身

・鑑定

・全言語読解


“我の主人は勇者。守る故!任せてくれ!”


【特典機能】

・転移扉

・錬金セット

・キャンプセット


“主は男の中の男!寡黙に一人で空を見ながらキャンプすることに憧れているお年頃なのだ!”


「ブフォッ」と私。

「お年頃だってよ」とプルプル笑いをこらえるバーレッド


「やめろ!男のロマンだろ!本もお前!ばらすなよ!」兄は顔を真っ赤にしてぎゃーぎゃ―している。



まあ、何にせよ無限に書き込める本を手に入れられたことは嬉しい。スキルも申し分ない。早く変身をしてみたい。


「魔女さん!なにか本を探してもいい?」

「ん?いいよ。すきに探しな。さてと...やることが増えたね。」と水晶魔女さんはすいーっと建物のどこかへ消えてしまった。


しばらく各自で本を探し、私は昔話、植物図鑑、魔道具図鑑、魔石図鑑を購入。兄は魔法図鑑、魔獣図鑑、世界地図、初級錬金本を購入。2人でシェアすることにした。

バーレッドは火魔法図鑑(応用編)、不得意な水魔法、冒険録を購入。


この時はじめてお金を使った。早見表のおかげで難なく購入できた。


~お金早見表~


白金貨 → 10億円

大金貨 → 1億円

金貨  → 100万円

小金貨 → 10万円

大銀貨 → 1万円

銀貨  → 1000円

小銀貨 → 100円

銅貨  → 10円


お金の価値は感覚が前世と似ていて助かるが、パパん金貨って100万円...ぱっと手渡された袋の中を見ても20枚以上...金額を考えたくないのは仕方がないことだ。

なにより本1冊1冊が物凄く高い。例えば初級錬金本なんて小金貨5枚!50万円!くぅ!金貨渡されていて助かった。遠慮しないで買ってしまった兄と私は先行投資先行投資という呪文を唱えながら購入したよ。金貨を渡す右手とそれを抑えて支払いを阻止しようとする左手との戦いでした。「何やってるんだい。」と水晶からため息が聞こえた事は無視だ無視。

なににせよ今日の収穫は大きい。これで基本的な事を学べるようになった。


「魔女さん、ありがとう。もらった本、大切に使うね!これでいっぱいお勉強ができるよ!」と私


「魔女さん、ありがとう。俺も勉強したいな」兄


「俺からも、有難うございました!」バーレッド


「…そうかい。大事に使うんだよ」魔女がフワッと笑った気がした。


バーレッドとはお互い学園に行くまで、ちょくちょく転移扉で合う事にを約束し今日のお出かけは終了。


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