新たな日課③
皆さんこんばんは!
今回はこの世界でのスキルのあり方を説明するお話になっています。
ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
この日、アレンは一番楽しみにしていた内容について学ぶ日だ。
今日学ぶのは、この世界の住人にとって最も重要であり、神秘に満ちた「スキルの体系」についてだ。アレンは身を乗り出し、セバスの言葉を一つも漏らさぬよう耳を傾けている。
「アレン様、いよいよ『洗礼の儀』について、より深くお話しいたしましょう。この世界のすべての子供は、八歳になると教会を訪れ、女神様より『スキル』という名の祝福を授かるのです」
セバスは机の上に、美しく装飾された古い羊皮紙を広げた。そこにはスキルの統計図と、女神を象った紋章が記されている。
「アレン様含め、貴族の子弟は、王都にある大聖堂にて儀式を執り行います。通常、授かるスキルは一つ。ですが、稀に二つのスキルを持つ者が現れます。魔力の血筋が濃い貴族には比較的多く見られますが、三つとなれば……。これはもう、歴史に名を残す英雄のみが許された、奇跡の領域でございますな」
「三つも……! 女神様は、そんなにたくさんの力をくれることがあるんだね。なんだかドキドキするよ、セバス。僕にはどんな力が授けられるんだろう」
アレンは自分の小さな手を見つめ、まだ見ぬ女神の慈愛に想いを馳せた。
「ホッホッホ、アレン様ならきっと素晴らしい力を授かるでしょう。洗礼の儀を終えますと、ご自身のスキルやステータスは『スキルボード』により確認する事ができます。これは他人には見えない様になっております。ですが、特別な魔道具を使えば他者がスキルのみにはなりますが確認することも可能ですが、一般的には洗礼の儀の際に使用する、スキルを表示する水晶の事で教会が管理しておりますな。」
「セバス、貴族以外の子供達はどうやってスキルを授かるの?」
「貴族以外の平民の子供は各々が暮らす一番近くの街の教会に集い洗礼の儀を受ける事になります。あまり大きな声では言えませぬが、平民や貴族も有用なスキルを授かった者は成人した際に様々な所から勧誘がくるのですが、教会がスキルの情報を管理し相応の見返りと共に有力者に渡しているからと言われておりますな。スキル水晶の魔道具を教会が外に出さない理由でしょう。おっと、話が逸れましたな。」
セバスは羽ペンを動かし、スキルの成長についても図解を始めた。
「スキルは授かって終わりではございません。使えば使うほどレベルが上がり、例えば【剣術】がLv.2になれば、剣圧を飛ばす『エアスラッシュ』のような汎用スキルを覚えることがあります。そして、そのレベルが最大(MAX)に達した時、教会で祝福を受けることにより、上の階位へと進化させる『二次転職』が可能となるスキルがあります。それ相応の教会へのお布施が必要にはなりますがな。ガイアス団長の【剣豪】も、そうやって辿り着いた境地で、元は【剣術】だったものが修練を経て【剣豪】へと二次転職したと記憶しております。その先に【剣聖】、さらには神の域である【剣神】が存在すると言われておりますぞ」
「剣神……かっこいいなぁ! 僕も一生懸命練習して、いつかお父さんやセバス、領民のみんなが驚くようなスキルを育ててみせるよ!」
窓から差し込む午後の陽光を浴びて、アレンは満開の笑顔を浮かべた。その姿は、周囲を照らす希望そのものだった。
自分が洗礼の儀で授かるのが「慈しみ育てる力」ではなく、他者の積み上げた努力すら根こそぎ奪い取る「略奪の権能」であること。
そんな未来を、今の純粋なアレンは知る由もなかった。
今後の話を進めていく上で、かなり重要な回だと考えています。
多少のブラッシュアップはあると思いますが、現状イメージしているスキルについては書けたと思います!




