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『スナッチ・オブ・ザ・ダーク 〜強奪スキルで異世界を支配する〜』  作者: みちお


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洗礼の儀④

こんばんは!

暑くなってきましたね!

小説は方も熱い展開になるよう頑張ります!


ぜひ一度読んで頂けると嬉しいです!

大聖堂の喧騒を抜け、バルトの元へと戻ると、父はいつも通りの優しい笑みを浮かべて待っていた。


「おかえり。そして、おめでとう」


「ありがとうございます、お父様!」


「ここじゃなんだし、とりあえず馬車で話そうか」


 スキルの詳細をこの大勢がいる場所で口にするのは危険だという、バルトなりの配慮だろう。アレンは素直に頷き、父の後に続いた。

 だが、大聖堂の出口に差し掛かったところで、一際大きな声が響き渡った。


「がははは! さすがは我が息子よ! スキルを二つも授かるとは、我がグロスタ家は女神様に愛されておる!」


 声の主は、エリックの父であるグロスタ伯爵だった。周囲の貴族たちに聞こえよがしに大声を出し、エリック本人もまた、鼻高々に胸を張っている。周囲の貴族たちは、引き攣った笑みでお世辞を返していた。

(……さすがは下品な親子だ。周囲の貴族に自慢してマウントを取りたいだけだな、あれは)


 アレンは内心で冷たく毒づきながら、その親子を一瞥いちべつし、バルトと共にロドリス家の馬車へと乗り込んだ。

 御者が馬車を発車させ、静かな車内にひづめの音だけが響く。

 バルトは改めてアレンに向き直ると、柔らかな声音で語りかけた。


「アレン。改めてスキル取得おめでとう!もし言いたくなければ、無理にスキルの内容を私に言う必要はないからな」


「ありがとうございます!お父様に話せない内容なんてありません。……ただ、神官様には信用出来る人にだけと言われているので、ここだけの秘密にしてください」


 アレンはそう前置きをして、言葉を続けた。

「僕が授かったのは【鑑定】と【時空魔法】、そして……文字化けしてよく分からないスキルの、合計三つです」


「な……三つ、だと!?」


「はい、文字化けしたスキルは僕にもどういったスキルなのか今は僕にも分からなくて......。」


 バルトが驚愕に目を見開く。【鑑定】と【時空魔法】というだけで国家最高峰のレアスキルだというのに、さらにもう一つ、正体不明のスキルがあるというのだ。


「文字化けか……。私も聞いた事がないぞ。だが、それほどの力を授かったということは、それだけお前が特別だということだ。ステータスは……いや、それ以上は聞くまい。身体能力などはこれからの努力でどうとでもなる。時空魔法を授かっただけでも、我が家の誇りだ」


 バルトはそれ以上アレンのステータスを詮索せず、ただ息子の無事を祝うようにその頭を撫でた。

(本当のステータスと【スナッチ】に関しては当分の間黙っておくか。この人や家族を巻き込むわけにはいかないしな)

 アレンは父の温もりを感じながら、その信頼に深く感謝した。

 ロドリス邸に到着すると、エントランスでは長年アレンの世話係を務めている専属メイドのミアを筆頭に、大勢の使用人たちが並んで待っていた。


「アレン坊っちゃま、お帰りなさいませ! 洗礼の儀、おめでとうございます!」


「みんな、ありがとう!」


 ミアたちが笑顔でお祝いの言葉をかけてくれる。アレンもいつものように愛想よく応じたが、バルトは息子の僅かな疲労の色を見逃さなかった。


「アレン、慣れない儀式で疲れただろう。夜には王城での晩餐会もある。それまで自室でゆっくり休むといい」


「はい、お父様。そうさせていただきます」


 アレンが自室へと向かうと、当然のようにミアが後ろに続こうとした。アレンは足を止め、振り返って彼女に告げる。


「ミア、少し一人で考えたいことがあるんだ。だから、今はついて来なくて大丈夫だよ」


「え……? あ、はい。かしこまりました。晩餐会の用意の時間になりましたらお声掛けしますね」


 ミアは一瞬、驚いたように目を見開いた。生まれてから今まで、片時も離れず甘えてきたアレンが、一人になりたいなどと言ったのは初めてだったからだ。だが、慣れない儀式と重大なスキル発現で、子供ながらに整理したいことがあるのだろうと、彼女は深く一礼して下がっていった。

 

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