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『スナッチ・オブ・ザ・ダーク 〜強奪スキルで異世界を支配する〜』  作者: みちお


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洗礼の儀③

最初の山場である洗礼の儀が終わりました。

アレンとしての清らかな心と壬生祐介としての冷徹な心が混ざり合いどんな活躍をするのか。

盛り上げていけるように頑張ります!


ぜひ読んで頂けると嬉しいです。

嵐のようなひと時が過ぎ、ようやく訪れた静寂。

周囲の子供たちが自身のステータスボードに夢中になっているのを確認し、アレンもまた、己の内側へと意識を向けた。

(……さて、答え合わせの時間だ)

 心の中で念じると、半透明のボードが浮かび上がる。アレンはまず、自分自身の項目に【鑑定】を重ねた。

【ステータス詳細】

【鑑定 Lv1】周囲の物品・人物の詳細情報を視認できる。

【時空魔法 Lv1】『アイテムボックス(小)』の使用。および、視界内の物品を引き寄せる。

【スナッチ(強奪) Lv1】魔物、および「悪人」と判定された者からスキルを剥奪できる。

※奪ったスキルは一律Lv1となる。

空きスロット:[2]

• 女神の加護:全スキルの取得経験値増加(LvUP促進)。および、状態異常耐性(微)。

「ふむ……」

 納得のいく内容だった。レベル1ゆえに制約はあるが、特に【スナッチ】の「悪人」という条件が、この世界のシステムにおいてどう定義されているのかは興味深い。

(魔物はともかく、人間から奪うには『悪人』の判定基準を検証する必要があるな。……まぁ、これを選んで正解だった。加護も、あの女神にしては気の利いた贈り物をくれたものだ)

 アレンは心の中で女神に感謝を述べると、次に対象を周囲へと向けた。

 まずは南部の三人だ。

• カイル:【剛剣】(剣術の上位スキル、一撃特化)

• ゼノン:【算術】(数値の計算、論理的思考、および それらを実務に応用する技術)

【地形把握】(周囲の地形、高低差、地質、および隠れた通り道などを瞬時に理解し、脳内に地図として展開する能力)

• ミーナ:【盾術】(盾を身体の一部のように操り、攻撃を無効化・受け流す技術。また、盾を用いた打撃シールドバッシュによる攻撃転用を含む)


(鑑定Lv1では名前とスキルが分かる程度か.....まぁスキルが分かればいくらでも対応の仕様があるな)

 アレンは鑑定スキルの概要を把握すると同時に将来、自分の駒になるであろう三人が素晴らしいスキルを授かり優秀な資質を得ていることに満足し、ついでにエリックにも視線を投げた。

(【火魔法】【剣術】……確かに努力し、育てる事が出来れば、あの態度に見合うだけのスキルではあるが、あいつが努力するイメージはつかないな。気にする必要は無さそうだ)

 その時、洗礼の間が再び大きくざわついた。扉が開き、王女シシルが戻ってきたのだ。入室前は緊張に強張っていた彼女の顔は、今や自信と輝きに満ち溢れている。

 この騒ぎだ。間違いなく、彼女も「当たり」を引いたのだろう。アレンは静かに【鑑定】を飛ばした。


シシル・フォン・グランゼリア

【王の威圧】( 周囲をひれ伏させる王族固有の精神干渉)

【 光魔法 】(高位の浄化、および攻撃魔法)

【精神耐性 】(外部からの干渉を遮断する)

(彼女も『三つ』か。しかも……王女としてこれ以上ない完璧な構成だ)

 

 彼女は自分にとって、有益な「駒」になるのか、あるいは排除すべき「邪魔者」となるのか。王女が放つ眩いばかりの光を見つめながら、アレンはかつての祐介が持っていた冷徹な目で、彼女を静かに見定めていた。

「洗礼の儀、これにて終了とする! 各員、保護者の元へ!」

 神官の声が合図となり、子供たちが一斉に動き出す。アレンは瞬時に冷徹な思考を心の奥底へ沈め、父バルトが待つ場所へと、無邪気な少年の足取りで駆け出した。 

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