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新生ゲーマー アカリ  作者: ゴーレム
22/43

第二十二話 廃棄の山

「これはまた…すごい所ね」


目の前の景色を前世の地球で例えるならば…世界のゴミ捨て場、先進国が途上国に送ってできたプラスチックや電化製品などで構成されたゴミの山。


私達が外に出た理由は簡単。

私の外に出るという話に二人が賛成したからだ。


そう、ノイマンが魔導具で行った翻訳作業のおかげで私の言葉が二人にも分かるようになったし、話せるようになったらしい。


とても凄い事だと思うけど、いかんせん、実感が湧かない。

最初から二人の言葉が日本語に聞こえていたからだろうか。

あの時、ディーダが私と言葉が通じるのが嬉しいのか、笑顔で怒涛の勢いで話しかけてくるのは…うん、可愛いかったです。


さて、目の前の光景は私がディーダとノイマンに出会った、箱が保管されていた部屋から出て変身能力を駆使して這い出た穴から見えた光景だ。

穴が空いていた部分は周囲よりも高い、丘になっているようで余計に広くゴミ山の景色が目に入る。


地平線の彼方にまでゴミ山が広がっているし、穴の周囲にもゴミが散乱している。

穴自体の広さは大人がギリギリ通れるかどうかだが、子供二人にとっては十分の広さだ。

かくいう私も余裕で通れそうなのだけれども、それは気にしてはいけない。


途中、二人だけでは無理そうなルートがあったのだが…

二人はどうやって帰るつもりだったのか不安に思いながら穴から顔を出すと、目の前のゴミ風景が広がっていたのだ。

いや、異世界でゴミ山の景色が存在するとは思わなかったし、穴から出ると広がってるなんて想像もしてなかった。


…いや、確かにこの穴を登る前に大量のガラクタを見かけはしたけどさ。


前世の違いはゴミの種類だろうか。

異世界でプラスチックや電化製品なんて見なかったし、存在はしてないだろう。

近い物はあるのだから目の前の山が築かれているのだが。


地面なんて見えず、一面は薄汚れたカラフルさに満ちている。

日光に照らされてキラキラ輝くゴミは、いっそ綺麗に思ってしまう。

これが、朝露や湖などの自然の景色なら感嘆の声をあげているだろうけど、ね。


…予想だが、アレは魔導具の成れの果てという事だろうか。

大量生産、大量消費の文化がこの世界にも在ったようだ。


「おーい、アカリ!

早く上がって来いよ!」


「アカリさん、登れますか?

て、手を、貸しま…」


いやはや、景色に唖然として二人を待たせてしまったようだ。

ノイマン、言うなら最後まで言おうね。

途中から音になってないし、顔色、青いぞ?


「…ありがとう。

でも大丈夫よ」


私はスッと穴から這い出た。

ノイマン、残念そうな顔をしない。


今の私の格好はディーダ、ノイマンから教えてもらったこの辺りの服に似せた。


服、と言っても何枚ものボロ布を体にグルグルと巻き付けただけだが。

目の前のゴミ山といい、服の様子といい、もしかしたら、ここは異世界スラムなのだろうか。


…人がいっぱい居そうで何よりだ。

魂のカケラを集め放題だね!

そのわりにはゴミ山で人を見かけないが…

やはり、アレらを壊して部品の一部を売る、なんて商売は異世界では存在しないのかもしれない。


「アカリさん、まず母さん達に会ってほしいんだ。

もうすぐ日が落ちちゃうから急いで行こう。

ディーダ、先に行って母さん達にアカリさんの事を伝えてきて欲しいんだけど、良いかな」


「よっし、任せろノイマン!」


ディーダは元気よく応えると勢いよく駆け出した。

…あ、二足歩行で走るんだ。

いや、そうだよね。

毛深いけど形態は人と変わらないから、四足歩行はきついよね。

地下でも二足歩行で移動してたし。

ディーダの姿は身軽にゴミ山を超えて行って見えなくなった。


「えぇ、分かりました」


私とノイマンはディーダが走り去る方へ歩き出した。

私達はゴミ山を登る事なく、グネグネと迂回して進んでいく。

ノイマンはゴミ山の配置が分かっているらしく、迷いなく進んでいくので後について行く。


「アカリさん。

一つ、聞いても良いですか?」


「良いわよ。

私が答えられるモノならなんでも、ね」


ノイマンは前を向いたまま私に尋ねてきた。

さて、何を聞いてくるだろうか。

あの地下部屋から穴までも大分話したが、聞き忘れでもあったかな?


「アカリさんを閉じ込めていた魔導具、アカリさんは箱って呼んでますよね。

アレに悪魔を封じるってあったんです」


アクマ。

悪魔?

私が?

いや、呪われて石化した皇女を壊してしまったけど、そこまで言われる筋合いはないぞ?

うん、悪意を持って壊した訳じゃない。

…でも娘に止めを刺されれば親なら誰でも恨むだろう。


「悪魔、ねぇ。

確かにそう呼ばれてもおかしくない事はしてしまったわ」


ノイマンがビクリとしてこちらをゆっくりと振り返る。

その顔には恐怖がありありと浮かんでいた。

…まぁ、皇女の件を隠してもメリットは思い付かないし、ちゃっちゃと話すか。


「私には触れた相手を癒す能力があるの」


すでにノイマンに使ったと伝えるとどこか納得した表情を浮かべている。

うん、ディーダとの関わりで怪我が絶えないのは目に見えてるしね。

ちなみに、ディーダにもヒールタッチは発動済みだ。


ヒールタッチの発動条件は分かっている物で二つ。

触れている相手が生きている事。

数分以上、触れ続ける事。


発動すれば相手のあらゆる傷、欠損、病気を完治させて私は魂のカケラと魔力を手に入れられる。

呪いに対しては無意味だったみたいだけど。


「ある日、この能力で呪いを解いてほしいと頼まれたけど…ダメだった。

私は呪いを解く事ができず…」


手に入れたばかりの救済の手を試してみたけど呪いを解くんじゃなくてモノを引っ張る能力だったから石化した彼女を壊してしまった。

しかし、ヒールタッチが呪いにも有効か確認してからやりたかったものだ。

なんでいきなり本番で私を使ったのだろうか。

練習相手、は準備できなかったのか。

呪いってそれほど稀だったのかもしれない。

箱の中で何度も考えた事だけど結論はいつも同じ。

頼む相手を間違えたな、皇帝。


「それで…アカリさんは…」


同情か哀れみか。

ノイマンは確かに恐怖から別の感情に変わったようだ。


「えぇ、後は貴方達が私を出すまで、ね」


私が箱から出た事は皇帝は知っているだろうか。

二人に聞いてみた時は皇帝なんて知らない、帝国なんて知らないって言われたし。

もしかして私が箱に閉じ込められている間にどちらも亡くなって無くなったのだろうか。


どちらで私がやる事は変わらないけど。


「だから怪我人や病人は私に任せない!

私が触れて治してあげるわ。

まぁ、呪いには効かないし、障害… 身体はともかく精神や知的、発達なんかに効くかは不明だけどね」


後天性は治せても先天性は生まれつきだから、治らないかもだし。

でも、魂のカケラや魔力は手に入るだろうから是非触れさせてほしい。

アカリ

Lv2(191/200)

HP79/79

【ヒールタッチ】

【救済の手】

【物理無効】(1/10000)

【無属性耐性】(4/1000)

【火属性耐性】(2/1000)

【水属性弱点】(59/100)

【風属性弱点】(9/100)

【雷属性弱点】(1/100)

【土属性弱点】(10/100)

【光属性耐性】(90/1000)

【闇属性弱点】(1/100)

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