表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新生ゲーマー アカリ  作者: ゴーレム
16/43

第十六話 白色の景色

「…!

風が、吹いてる」


たった今、壁に空けた穴から今までなかった空気の流れが、風が吹いて頬を撫でる。

穴からは白しか見えないが出口が近いようだ。


この国の建物では指紋認証のように登録されてなければ壁は開かず、転移のマークを踏んでも転移しない。

何を登録しているのかは私は知らないが、研究所でも使われていた。

しかし、ここでは私は当然ながら登録されていない。

だから毎回、行き止まりに行き着けば壁を壊してここまで来た。


幸いと言うべきか、ここに辿り着くまで人には会わずに来れた。

壁を壊し続けたら人が来ると思って焦っていたが杞憂だったようだ。


人一人がようやく通れるほどの小さな穴だが、何度も通った為か、慣れてグイグイと進んでいける。

穴から顔を出すと今までの明かりとは違う、暖かみのある光を感じる。

外の景色は、部屋と同じように一面が白かったが、空だけは青かった。


外に出られた。

本当に久しぶりの外だ。

あの芝生の草原でフランクリン達に会った時からずっと室内しか居なかったけど、ようやく出れた。


私は開放感を覚えながら次の問題を考え始めた。

私が出た所は高所の壁面で、辺りの壁には一切の凹凸がない。


試しに変身能力で出した鉄球を落としてみても落ちた音が聞こえてこない。

どうやら一面が同じ色で分かりにくいが相当な高さのようだ。


さて、ここからどうやって降りようか。

降りるだけならパラシュートだろうか。

…いや、ここはムササビスーツで滑空だな!


私は頭を外に出して救済の手を使って下の方にどんどん伸ばしていく。

そして穴から這い出て飛び降りる。

なんだかトコロテンにでもなったような気持ちだ。


浮遊感もすぐに終わる。

よし、上手く救済の手に当たれた。

白い手が生えた所まで戻る間は空中に停まれる。


その間に変身能力で白いムササビスーツに着替える。

最初にフランクリン達に会った時は空を飛んでいたから、外の巡回をしている人達がいるかもしれない。

せめて見つかりにくいように風景に溶け込める白にした。

白いヘルメットに白いゴーグル。

さらに髪も顔も白くする。

私は空中でいつでも飛べるように体勢を整える。


「大空へ!

いざダイブします!」


救済の手が戻りきって私は再び落下を始めた。

おぉ、落ちてる落ちてる。


まずは手足を広げて膜に風が当たるようにする。

風を捕まえて高速で滑空する…


…落ちてる。

あれ、滑空しない?


壁の側をそのまま落ちていく。

このままでは地上に激突してしまう。


作戦変更。

飛べないなら落ちても無事であれば問題ないのだ。


まず…ッ!?


全身に伝わる衝撃。

まるで全身の骨を砕いて、内臓をミンチにしてシャッフルされたような。

手足の感覚はない。

手足どころか首さえ動かないので私が今の現状を見なくて済んだ。


高い所から落ちたはずだがそこまで時間に余裕があった訳ではなかったようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー

アカリ

Lv2(189/200)

HP8/57

【ヒールタッチ】

【救済の手】

【物理耐性】(20/1000)

【無属性耐性】(3/1000)

【火属性弱点】(16/100)

【水属性弱点】(59/100)

【風属性弱点】(9/100)

【土属性弱点】(10/100)

【光属性耐性】(90/1000)

【闇属性弱点】(1/100)

ーーーーーーーーーーーーーーーー


ステータス画面でHPを確認すると大ダメージを受けていた。

物理耐性があったからこそ、ここまで抑えられたようだ。

良かった、無事に着地できだぞ。


あぁ、空が青いなー。

これは噂の五点着地を実践できたのではないだろうか。

私の場合は五点どころか背面着地だが。


例え、全身が動かせないほどグチャグチャになっていたとしても数秒後には傷一つないのだから無事なのだ。

再生万歳。

体からハンバーグのタネを捏ねているような音が聞こえるが気にしない。

痛みを感じない事を今までで一番感謝したかもしれない。

生身の体なら即死してもおかしくない致命傷でも私には効かないのだ。


…ようやく体が動くようになった。

起き上がって軽く飛んだり、足踏みしたり、ラジオ体操をしてみたりと体の調子を確認する。


うん、きちんと治ったようだ。


さて、周囲を確認しよう。


近くには大きな壁しかない。

私がさっきまでいた穴が空いた壁、建物だろう。

それ以外は白、白、白。

地平線の彼方まで白と空の青しかない。

遮蔽物は一つもないようだ。


私が着地した地面も白く非常に滑らかで傷一つない。

もし、私に血が通っていれば唯一の赤がここに広がっていた事だろう。

…先に落とした鉄球が見当たらない。

消してはいないはずだが…


もしかしたら、変身能力で出した物は私から一定距離離れると消えてしまうのかもしれない。


ここからどう動くか。

なんなら人が多い所が良いだろう。

木を隠すなら森、人を隠すなら集団に。


変身能力で、上は白く下は青いドローンを出してみる。

これで上からも下からも見られても見つかりにくいだろう。

横から見たらすぐに見つかるが。


前世で一度だけ、体験で飛ばしただけだがコントロールは問題なかった。

要領はゲームと似ているしね。


地面にドローンを置いてコントローラーを操ってみる。

…よし、飛んだ!

まずは高く高く飛ばす。


…コントローラーの映像を元に操作していくと、途中でプツリと映像が途切れた。


やはり、変身能力で出した物は私から一定距離を離れると消えてしまうようだ。


消えてしまう直前まで、映像を確認していたが、この辺りは一面が真っ白で他に建物はないようだ。


仕方無い。

ここからは目印なしで放浪の旅に出よう。

進んで行けばいつかは人里を見つけられるだろう。


しかし、歩きだけだと時間がかかりそうだ。

いや、この体は疲れ知らず。

全力疾走を続けても息切れは起こさないから永遠と走れはするけど…やっぱり乗り物が欲しいな。


車はダメって分かっているからせめて自転車が出せれば、こんなに綺麗に整備された道があるのだから漕ぎやすいだろう。


試しに自転車を変身能力で出してみる。

…出た。

色はタイヤもチェーンも白に替えて、凸凹道があっても良いようにマウンテンバイクにしよう。


私の格好も白一色は変わらないがムササビスーツから普通のピッチリスーツに着替えて、ゴーグルとヘルメットはそのままで良いか。


さて、ではこの壁を背にして真っ直ぐツーリングだ!


アカリ

Lv2(189/200)

HP8/57

【ヒールタッチ】

【救済の手】

【物理耐性】(20/1000)

【無属性耐性】(3/1000)

【火属性弱点】(16/100)

【水属性弱点】(59/100)

【風属性弱点】(9/100)

【土属性弱点】(10/100)

【光属性耐性】(90/1000)

【闇属性弱点】(1/100)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ