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フラッシュバック

 足がうまく動かせないと運転に問題があるので、運転は紬になった。

 長谷川さんの家に向かう。


「おはようございます」

「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

 俺が助手席を開け、長谷川さんを乗せようとすると、「後ろでお願いしたいのですが、よろしいですか? 翔(かける)君と一緒がいいわ」と長谷川さんが言う。


「翔(かける)がご迷惑をかけると思います…」

「迷惑だなんて。楽しみなんですよ」

 俺は移動中にいろいろ質問をしようと思っていたが…

 長谷川さんは翔に夢中で翔もなついているので、俺は運転が苦手な紬に運転の教習のように細かい指示をしながら現地に向かった。


 しばらく走っていると、前から車が迫ってくる気がした。

 俺はハンドルを強く握ったようなきがするが、俺は助手席だ。

 後ろの優佳を見ると、優佳も車に気づいてシートに置いてあったクッションを強く抱いているのが見えた。

 ぶつかる!

 俺は目を閉じて、開くと目の前が真っ赤だ…

 体は全く動かせない。

 優佳は大丈夫か? 俺は目で優佳を探す。

 優佳は何やら言っているが、何を言っているのかわからない。

 佐藤さんは? 出血が多い。

 どうにかしなきゃ… 俺は気力を絞って「し、けつ」と言うと、優佳がそれに気づき動き始めたのを見たような気がする…


 俺の肩が揺らされた。

「遥翔(はると)! 遥翔!」

 俺は目を開ける。


 あ! やばい!

「翔(しょう)、優佳、大丈夫か!」と後ろを振り返ると

 翔(しょう)はギャン泣きしていて、優佳があやしている。


「佐藤さん、落ち着いてください。大丈夫ですよ」と優佳が静かに言う。

 俺は安心して、前を向くと紬が心配そうに俺を見ている。

「紬?」 なんで紬が?


「大丈夫?」


「あぁ」

「深呼吸して」

 俺は深呼吸した。そして、紬が差し出してくれたペットボトルのお茶を飲む。

 周りを確認する。


 車はハザードをつけて路肩に停まっている…

 俺が助手席で、後ろが長谷川さんが座っている。


 俺が落ち着いたことを確認したと思ったのか? 紬が口を開いた。

「遥翔が急に叫んだから、びっくりしたわ…」

「俺、叫んだのか?」


「そうよ。大丈夫?」

「大丈夫だ」


「ここは、事故の場所じゃない? 似たような道が多いけど…」と長谷川さんと呟きながら、携帯を取り出した。

 俺は周りを確認するが、ここが事故の場所のようなきがするが、はっきりしない。


「そうなのですか?」

「携帯のGPSで位置を確認したわ。事故はここよ」

 俺が運転していて、今のようなことが起こったら… と想像するとみんなを事故に巻き込んだかもしれない…


「ごめん」

「叫んだこと? 仕方がないじゃない。引き返す?」


「…孝也さんとの整合も詰まっている。優佳・さんが良ければこのまま行きたいのですが、よろしいですか?」

「…紬さんはどう思われます?」


「そうですねぇ… 遥翔も落ち着いているように見えるので、行きましょう。でも、おかしな兆候が見えたら引き返します」

「紬さんの判断で私はいいわ」


 俺は長谷川さんの方を向いて、「ご迷惑をおかけしました」と言い、紬に向かって「行こう」と言った。

 紬は少し安心したようで「わかったわ」と言い、車を出発させた。

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