サンノゼ
俺はAIを駆使したコーディングに没頭していた。
「遥翔、到着するらしいわ。パソコンを閉じて」
翔が窓の外の景色を身を乗り出しているのを抱いている紬を見た。
「わかった。翔は大人しかったな」
「はぁ。今はね」
「違ったのか?」
「遥翔は熱中しすぎよ」
「ごめん」
プライベートジェットは滑るように着陸した。
プライベートジェットの扉が開き、降りる。
太陽が眩しい。
カリフォルニアだなぁ。
ん? 空港の端が見えるし、こじんまりしている。
「ここはどこだ? サンフランシスコ国際空港じゃないぞ」
「そうなの?」
「サンノゼです。入国審査が必要です」
運転手?はビルに向かって歩くので、俺たちも続く。
「サンノゼかぁ」
「遥翔は場所がわかるの?」
「サンフランシスコの南東の空港だよ。なら、手に入るかも…」
入国審査も待つことがなく、簡単に終わり、扉を抜けるとでかい車が待っていた。
マークを見ると、キャデラックのSUV? Escalade?
どう見ても、高級車だ。
その車の扉が開けられる。
「どうぞ」と言われるので、俺たちは車に乗り込む。
中が広い。家のリビングより高級なのは確かだ。
運転手は運転せず、助手席に座る。
「あのう」
「何でしょうか?」
「ここの近くのFry's Electronicsに行きたいけど、いいかな?」
「Fry's Electronicsですか? お待ちください」
助手席の運転手は携帯を調べる。
「閉店しているようです。何をお探しですか?」
「電子機器をいくつか買いたいです」
「お土産でしょうか?」
「いえ、今回の設計の情報収集に利用します」
「そうですか、買いたいものがわかっているのであれば、お取り寄せします。一般的に販売されているものであれば、3時間ほどで届けることができます」
「それはありがたい。リストがあります」
俺は、リストを転送した。
助手席の運転手はリストを確認している。
気が付けが、車は外を走っている。
「静かだな」
「そうね。太陽が眩しいけど、綺麗な街ね」
「表面はそうだが、ドラッグが蔓延っているから、翔には注意しなきゃ」
「そうなの? 気をつけるわ」
ここは…
「すみません。次のローレンスエクスプレスを南に行っていただけますか?」
「わかりました」
「そこを右に曲がってください… そのアパートの駐車場に停めてください」
俺は、車のドアを開けて出た。
紬も続く。
「どうしたの?」
俺は、アパートの中庭を進んでいく。変わってない。
翔は中庭の木にいるリスに手を伸ばそうとしている。
「翔、リスは噛まれたら危険だから触っちゃダメ」
「そうなの?」と紬が言う。
「病気を持っているかもしれないからね」
「ふーん…」
俺は中庭を進んだ場所の建物の前で止まった。




