アメリカ生活の準備 その3
俺はレンタカー屋さんのオフィスに入ったら、男性がこちらに振り向いて、客だとわかりカウンターに出てきた。
『いらっしゃい』
『1週間借りたいです』
『これに記入して』と紙を渡されたので、記入して渡す。
『ライセンスは?』
俺は国際免許証を出すと男性は珍しそうに見る。
空港のレンタカー屋では国際免許を見ることは多いだろうが、街中のレンタカー屋では珍しいか…
『26歳?』
俺はパスポートの生年月日を見せるが、納得できない顔をしている。
俺は若く見えるわけじゃないと思うが…
『今はそこの2台しかない』
一台はクライスラー?でゴツい! もう一台はトヨタのカムリ?
アメリカのクソデカ車なんて燃費も悪いし、運転しづらいので、カムリを選択し、クレジットカードを出して契約した。
『ガソリンを満タンで返さなかったら、ガソリン代を請求する』と言いながら、鍵を出す。
鍵を受け取り、現在位置とホテルの位置を聞いたら、地図をもらった。
AAAの会員になったら、地図がタダだと教えてもらったので、入ろうかな…
俺は車に乗り、シートの位置を変える。
いつも思うけど、シート位置がすっごい後ろになっている。
俺の身長は170cmだ。
アメリカ人の男性の平均は180cmはないと思う。10cmの差でこんなにシート位置が違うか?
ルームミラーもバックミラーも角度が悪い… シートの位置を考えても角度が悪すぎる。
ミラーを見ていないのか?
ゴソゴソ調整していたら、男性が出てきて『何か問題でもあるか?』と言うので、『大丈夫だ』と返す。
もう一度、地図を確認して、ホテルに向かう。
カリフォルニアは道が簡単だけど、スマホがあればもっと簡単なんだけど…
スマホ? スマホってなんだ? ま、いいか。
ホテルにチェックインして部屋に入って、扉を閉めた途端、自分が緊張していたことに気づいた。
会社に連絡しなきゃ…
電話線を外して、パソコンに電話線を繋ぐ。
IBM グローバルパスポートを起動して、インターネットに接続する。
そして、無事にサンフランシスコに到着したことをメールする。
えっと、日本との時差は16時間だから… 日本は朝の8時か。電話しても大丈夫だな。
SIPフォンを使えば、国際電話よりかなり安いが1分30円ほどかかる。
2コールで電話が繋がった。
待っていたのかな?
「もしもし、優佳? 俺だ」
「着いたのね。そっちは何時?」
「夕方だよ。そっちが夜の時間はこっちが早朝だから、この時間に電話するようにするよ」
「わかったわ」
「翔は元気?」
「今日は調子いいみたいだけど… どうしたの? 名前は翔よ。やっぱり翔より翔の方が良かった?」
名前の候補で最後まで残ったのが、翔と翔だった。
「え? ごめん、言い間違えた。翔は明日、病院だろ?」
「…ええそうよ。フライトで疲れているんじゃない? それとも時差ボケ?」
「時差ボケじゃなけど、慣れないことが多くて疲れているかも…」
「そっか。明日から仕事でしょ? 早く寝た方がいいわ」
「そうだな」
「うん。また電話してね」
「じゃ、明日な」
国際電話は高いと思っているのかな?
SIPフォンは安いと言っているのに…
水と何か食べ物を買うか… 確か隣の敷地がスーパーだったはず…
軽い気持ちで歩いたが、スーパーの入り口に到着するまでに10分も歩かされた。
うーん。すぐに食べられるものはパン、スナック菓子、中華デリか…
パンも食パンぐらいしかない。
中華デリしかないか… と見ていると、中華デリの女性店員が声をかけてきた。
『容器はどれにする?』
女性店員が笑顔を向けてくる。頼むしかないかな…
容器が3種類あったが、一番小さいのでもでかい!
俺が、高校生の時でも無理!
『このサイズで』
『サイドを2つ選んでね』
サイド? メニューを選べってことだろうな。
と言っても、青椒肉絲っぽいのが2種類と野菜炒めっぽいものしかない。
『これとこれ』
すると、フライドライスをドカっと入れ、青椒肉絲をドカっと入れ、野菜炒めっぽいものをドカっと入れる。
フライドライスと書いているが、チャーハンだな。
蓋を閉めるが、入れすぎで蓋が浮いている。
サービスのつもりかもしれないけど、俺にとっては嫌がらせに近い…
輪ゴムで留めて、値段シールを貼って渡してくれる。
受け渡された容器が、ずっしり重い! 1キロあるだろこれ…
俺は、スマイルで『ありがとう』と言い、立ち去る。
前回の出張の時に会社のダイナーで注文した時も、他の人と比べても明らかに多く盛られたなぁ。
アメリカ人は俺に食べさせたい病でも患っているのか?
ペットボトルの水を数本買って、ホテルに戻る。
ホテルのテレビを付け、リモンのCC(closed captioning)ボタンを押して、英語字幕を表示する。
テレビの中の会話は早いので、英語字幕はものすごい勢いで切り替わる。
会話では、俺の英語が下手だから比較的ゆっくり喋ってくれているのがわかる。
テレビを見ながら中華を食べるが、フライドライスが油っぽい… 青椒肉絲も油っぽい。もちろん、野菜炒めっぽいものも油っぽい。
これは、キツい…
かなり頑張ったが1/3でギブアップ…
AAAは日本のJAFみたいな協会です。
SIPはインターネット上で音声通話のプロトコルです。SIPは国際電話回線ではないので安いですが、その後、格安国際電話回線会社が登場し、SIPを使うようになるので価格が安くなります。
96年当時の技術で話が進みますので、わからない場合は教えてください。
補足します。




